ふらんす 2017年10月号

特集「アグロエコロジーの現在」

ジャンル 雑誌『ふらんす』
出版年月日 2017/09/22
判型・ページ数 A5・84ページ
定価 703円(本体639円+税)

内容説明

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■特集 アグロエコロジーの現在
アグロ agro-(農)とエコロジー(生態学)。フランスの農業家・思想家ピエール・ラビの食、農、環境、地球、脱成長、そして未来を語ることばに触れながら、〈自然〉や〈いのち〉について考えます。

ピエール・ラビの生き方と思想 アグロエコロジーによるパラダイムチェンジ  武藤剛史 
いま世界中で関心を集めている、持続可能な農業のあり方や社会のあり方を追求する科学・哲学・運動・実践としてのアグロエコロジー。フランスにおけるその第一人者である農業家・思想家のピエール・ラビの生き方や言葉が、多くの人々の共感を呼んでいます。フランス大統領予備選に推されるほど信頼を集めるビエール・ラビとは、一体どんな人物なのでしょう。
ピエール・ラビ著、武藤剛史訳『良心的抵抗へのよびかけ 地球と人間のためのマニフェスト』(四明書院)
 ピエール・ラビ著、天羽みどり訳『希望を撒く人 アグロエコロジーへの誘い』(コモンズ)

グランシェフたちのアグロエコロジー  関口涼子 
一流のシェフほど、エコロジーの意識が高いと言えるかもしれません。アラン・パッサール、オリヴィエ・ローランジェをはじめ、自家菜園を持つシェフたちが増えつづけています。レストラン・ホテル業界におけるアグロエコロジーの潮流をご紹介します。

フランスの食の安全と環境政策  山口昌子 
フランスの環境問題において、大きな影響力を持ち、またその名を広く知られる人物と言えば、環境運動家のニコラ・ユロです。ピエール・ラビとも親しく共著もあるユロ氏は、マクロン政権において、ついに環境相(兼国務)に任命されました。いまフランスが抱える問題と、その政策とは?


【表紙連載】
レオナール・フジタ〈小さな職人たち〉〈7〉 《釣り人》 今井敬子

2017年度の『ふらんす』の表紙は、レオナール・フジタ(藤田嗣治)の作品が飾ります。彼の晩年の連作〈小さな職人たち Petits Métiers〉のなかから毎月1点を、ポーラ美術館学芸員の今井敬子さんがご紹介くださいます。今月は《釣り人 pêcheur 》です。フランスでの田園生活に憧れて、パリの郊外に粗末な小屋の建つ地所を購入し、自給自足を理想とする実験的な生活をしていた時期のフジタをとりあげます。


【巻頭エッセイ】
フランスと私 修道院と植民地  勝俣誠

各界で活躍中の方々に、月替わりで「フランスと私」をテーマに個人的な体験や思いを自由につづっていただくエッセイ。 今月は、国際政治経済学・アフリカ地域研究がご専門の、元明治学院大学国際平和研究所所長の勝俣誠さんです。学生時代のフランス語との出会い、ヨーロッパを横断する旅、旧植民地を通してみたフランスについて、ダイナミックにつづってくださいました。


【語学系記事】
ヨシとクニーのかっ飛ばし仏語放談〈19〉 福島祥行+國枝孝弘
  (全レベル対象)
NHK講師としてもおなじみの、ヨシこと福島祥行さんとクニーこと國枝孝弘さんの、明快で痛快なフランス語放談もついに2年目に突入! 今月のテーマは「秋と食と私たちの未来」。ボードレール、バルザック、カミュらの秋をテーマにした文学、秋を彩る食材の単語、ビオブームやアグロエコロジーについての放談です。

街角のフランス語を読んでみよう〈7〉 伊勢晃+谷口千賀子+ Benjamin SALAGNON  (初級者対象)
看板やレストランのメニュー、商品のパッケージなど、街で目にするフランス語を読み解きながら、フランスの生活習慣や文化に触れていきます。

【CD 収録】フランス語でインタビューを聞いてみよう ~日本で暮らすフランコフォンたち~〈7〉  Sophie KUBOTA +久保田剛史  (中級者対象)
日本で働く6 名のフランス人へのインタビューを通じて、ナチュラルスピードの会話の聞き取りに慣れましょう。今月は、洋菓子研究家のアレクサンドラ・ゴディAlexandra Gaudyさんにお話をうかがいます。

友だちだよね? フランス語と英語のちがうところ〈7〉  姫田麻利子+ Steve MARSHALL  (初・中級者対象)
似ているけどちがう、そんな英語とフランス語の微妙な差をさぐっていきます。今月のテーマは「不定冠詞と定冠詞」。フランス語、英語にかかわらず、ただでさえ日本人にはむずかしい冠詞。基本的な考え方は同じでも、やはり微妙に違うフランス語と英語の冠詞についてみていきます。

【CD 収録】LE LABO-PHONÉTIQUE〈7〉 Sublime +小西英則  (初~上級者対象)
日本で長年シャンソンやオペラなどの発音指導を行ってきた、フランス人歌手Sublimeさんのユニークで効果的な指導方法をご披露します。今月のテーマは「K / G」。日本語の「か行」「が行」と同じようでも、実は大きな違いがあります。その違いがつかめると、ぐっとネイティブっぽく発音ができるようになります! →YouTubeのチャンネル「Sublime Chanson Salon」では、発音ラボの動画レッスンを公開しています。

仏検対策4~2級 初級から中級へのステップアップ〈7〉 久保田剛史  (初・中級者対象)
実用フランス語技能検定試験(仏検)の4級・3級・準2級・2級について、共通するテーマにおけるそれぞれのレベルでの学習ポイントや練習問題をご紹介します。今月のテーマは「動詞問題について(4級・3級レベル)」。なんといっても動詞はフランス語の要(かなめ)です。重要動詞の活用形をマスターし、時制の用法のポイントをおさえましょう。

ことばのあそびば シャラード&パズル〈67〉 Marie-Emmanuelle村松  (初・中級者対象)
偶数月は、Marie-Emmanuelle 村松さんによるフランス語の文章で表された複数のヒントから答えを見つけだすあそび「シャラード charade」、奇数月は、杉村裕史さんによる好評のクロスワード・パズルです。正解者には抽選でプレゼント(図書カード1000円分)を進呈。どしどしご応募ください。

対訳で楽しむ カリブ海アンティル諸島の民話と伝説〈1〉 松井裕史  (中~上級者対象)
怪談で知られるあの小泉八雲ことラフカディオ・ハーンも2年ほど滞在し取材したという、フランス領アンティル諸島に伝わる民話や伝説を6回(半年)にわたり読んでいきます。第1回目「老マルヴァンの伝説」です。

C’est vrai ?〈55〉/フランス語っぽい日々〈55〉」Karyn NISHIMURA-POUPÉE/じゃんぽ~る西  (全レベル対象)
大人気連載5年目突入! 妻はジャーナリスト、夫は漫画家。目下子育て中のふたりが送る日仏夫婦コラボ連載。フランス語にまつわる小粋なコラムに「ふむふむ」、フランス語習得に悩む(?)日本人の心の叫びを描いた漫画に「あるある」と頷きたくなること請け合い! 今月は「おいしくても見た目はイマイチ「ビオ」のブーム」。いまフランスは、空前のビオ(有機)ブームだそうです。


【文化系記事】
寝るまえ5分のパスカル『パンセ』入門〈7〉   山上浩嗣

未完の断章、パスカルの『パンセ』から、毎月テーマに沿いながら山上浩嗣さんがシビれるような珠玉の名句をご紹介。横断的で多様な読解が可能な『パンセ』の楽しみ方を伝授します。今月のテーマは「習慣と直感」
山上浩嗣『パスカル「パンセ」を楽しむ 名句案内40章』(講談社学術文庫)
 アントワーヌ・コンパニョン著、山上浩嗣・宮下志朗訳『寝るまえ5分のモンテーニュ 「エセー」入門』(白水社)

天使だけが翼を持つ 鳥たちのフランス文学〈7〉   岡部杏子
さまざまな作家や詩人に愛され、謳われた鳥たちに焦点を当てて、フランス文学の森を散策しましょう。岡部杏子さんと福田桃子さんが毎月交替でお届けします。今月のテーマは「サヨナキドリ rossignol」。美声で知られるナイチンゲールをとりあげます。

Le Monde diplomatique で世界を読む〈7〉  ル・モンド・ディプロマティーク日本語版編集部
世界の諸問題について考察・発信する独立メディア、パリ発の月刊紙Le Monde diplomatiqueの記事から、毎月選りすぐりの1本を抄訳でお届けします。今月の記事はマリナ・ダ・シルヴァ(ジャーナリスト)による「瓦礫の中から蘇るバグダットのアート」(2017年7月号)。この記事の全訳は、ル・モンド・ディプロマティーク日本語・電子版(www.diplo.jp/)に掲載されています。

もうひとつのニューカレドニア〈7〉   星埜守之
世界遺産の珊瑚礁や多くのダイビングスポット、美しいビーチに臨むリゾートホテル……「一度は訪れてみたい南海の楽園」ニューカレドニア。この土地にまつわる文学作品を手掛かりの一端としながら、観光地にとどまらないニューカレドニアの存在感や「今」を辿ります。今月のテーマは「1917年の戦争」

ケアの社会 フランス看護・介護事情〈7〉   原山哲
「ケアの社会 une société du « care »」を構想するフランスの哲学者ファビエンヌ・ブルジェールの思想に拠りながら、フランスにおける看護・介護の理論と実践をみていきます。今月のテーマは「よきサマリア人」

今月の原書レクチュール〈79〉   笠間直穂子
福田桃子さん、鈴木和彦さん、笠間直穂子さん、新島進さんの4名が、毎月交代でフランス語で楽しむ読書の世界に誘います。今月は笠間直穂子さんで「私たちは空に住んでいる」。 植物を主題とした異色の哲学書、エマヌエーレ・コッチャのLa vie des plantesをとりあげます。
→ Emanuele Coccia, La vie des plantes. Une métaphysique du mélange(「植物の生き方 混交の形而上学」Payot & Rivage, 2016)
 http://www.payot-rivages.net/livre_La-vie-des-plantes-Emanuele-COCCIA_ean13_9782743638009.html

パリのボヘミアン〈7〉   小倉孝誠
きわめてパリ的、そして19世紀的な文化現象としてのボヘミアン。作家・詩人・画家・音楽家……ボヘミアン芸術家たちの栄光と悲惨の輪郭を素描していきます。今月のテーマは『クロードの告白』。まだ無名だった頃のゾラが書いた、自伝的色彩の濃い処女長篇小説をとりあげます。
小倉孝誠『ゾラと近代フランス』(白水社)

ドビュッシー 最後の1年〈7〉  青柳いづみこ
2018年3月に没後100年を迎える、フランス近代を代表する作曲家ドビュッシー。そのドビュッシーの研究家にして名演奏家の青柳いづみこさんが、ドビュッシー最後の1年をたどりながら、彼がなしとげたこと、なしとげられなかったことの意味を考えていきます。今月のテーマは「本当に最後のコンサート」
→青柳いづみこ公式HP:http://ondine-i.net/

パリ風俗事典〈163〉 右岸編(その29)  鹿島茂
カフェ、キャバレー、ミュージックホール、劇場など19世紀のパリを彩った文化を、われらが鹿島茂さんが網羅的に解説。ゾラ、バルザック、ユゴー、デュマ、スタンダールらの時代が生き生きと甦ります。今月は、イギリス人が開いたビュッフェ式タヴァーンとして始まり、のちにポール・ボキューズ、トロワグロ兄弟らも輩出し、三ツ星レストランとしての栄光を極めた名店「リュカ=カルトン」をとりあげます。

対訳シナリオ『汚れたダイヤモンド』(監督アルチュール・アラリ)  中条志穂
最新公開作品を日仏対訳のシナリオ抜粋とともに紹介する、中条志穂さんによる『ふらんす』名物コーナー。今月は、「新たな才能の出現」と話題を呼ぶ、アルチュール・アラリ監督による硬派な犯罪映画(フィルム・ノワール )、『汚れたダイヤモンド』をとりあげます。9月16日(土)より渋谷ユーロスペースほか全国順次公開中
→公式HP : https://www.diamantnoir-jp.com/


Actualité アクチュアリテ 在仏執筆陣による情報記事
 POLITIQUE 政治  山口昌子 今月のテーマは「観光は国家の専管事業」
 FAITS DIVERS 社会  仁木久惠 今月のテーマは「フランスの電気自動車政策」
 CINÉMA 映画  佐藤久理子 今月のテーマは「フランス映画の伝説、逝く」
 ART&SPECTACLE アート&スペクタクル  岡田Victoria朋子 今月のテーマは「コンサートホールとして甦る修道院」
 SCÈNE CULINAIRE 食  関口涼子 今月のテーマは「フランスのパンを巡る新たな動き」
 SPORTS スポーツ  芦立一義 今月のテーマは「「ジョルネ効果」をめぐって」

 *時事通信社ウェブサイト「時事ドットコム」に「アクチュアリテ」記事を配信しています。
  http://www.jiji.com/jc/v2?id=2017franceactu

秋のNHKフランス語講座 「旅するフランス語」田口亜紀/「まいにちフランス語」(入門編)倉舘健一/(応用編)姫田麻利子

書評 フォレスト『シュレーディンガーの猫を追って』  郷原佳以
書評 ガリ『夜明けの約束』  たけだはるか


墓碑銘 automne  多田爺 

[往復書簡]拝啓 平松洋子様   友川カズキ  

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