内容説明
銀座の名門バー「?喜舘」の店主が、養父永井荷風との微妙な親子関係を引きずりつつも、それぞれがこよなく愛する街の変遷を描いた親子二代の風物詩。荷風お気に入りの店を詳述。
「荷風の遺品と共に長年暮らしてきましたが、ある日気づいたのです。私と荷風にはひとつだけ接点があったということを。それが銀座の街です。荷風がある時期、毎日のように銀座に通っていたことは有名ですが、その息子である私も、十代のころより現在に至るまで、六十年以上にわたる長い時間をこの銀座という街で過ごしてきました。」(本文より)