内容説明
イエスの言葉と行為を今あらためて考える
ナザレのイエスとは誰なのか。歴史的にどんな判断を下すことが可能か。当時の多様化したユダヤ教の中での位置付け、同時代人とのあいだの絆と隔たり、死刑の宣告理由についても考察。
これまでナザレのイエスに関しては、史料が少ないことからマルコ・マタイ・ルカ・ヨハネの四福音書に記載された情報に基づいて研究がなされてきた。近年、福音書そのものの編集方法を想定し、その思想的傾向や歴史的背景による文書の特性を傍証とした「史的イエス」の研究がすすめられている。
本書では、当時非常に多様だったユダヤ教の中でのイエスの位置付け、彼と同時代人とのあいだの絆と隔たり、病や死からの解放を目指す癒しの行為における祓魔師のような救いの行動、ゴルゴダの丘に登る足跡、なぜピラトによって死刑を宣告されたのかなどについて解説。
どのような人物か。歴史的にいかなる判断を下すことが可能か。イエスのことばと行為を検証することにより、どういう存在として受け止めるのかを読者それぞれが今あらためて考える一冊。