ムシェ 小さな英雄の物語

第二次大戦下、反ナチ抵抗運動の作家ムシェとバスクの疎開少女の悲運。愛する人の喪失とその克服、戦争の記憶の回復を試みる感動作!

著者 キルメン・ウリベ
金子 奈美
ジャンル 一般書 > 海外文学 > 小説
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シリーズ 一般書 > エクス・リブリス
出版年月日 2015/10/16
ISBN 9784560090428
判型・ページ数 4-6・234ページ
定価 本体2,300円+税
在庫 在庫あり

内容説明

【第二回日本翻訳大賞受賞作品】

バスク文学の旗手による待望の第二長篇

決して忘れられない出来事がある。

スペイン内戦下、バスクから疎開した少女を引き取ったベルギーの若者ロベール・ムシェ。その出会いが、彼の人生を思わぬ方向へと導いていく……。
それから70年近くを経て、バスクの作家によって見いだされた、無名の英雄をめぐる心揺さぶる物語。

『ビルバオ―ニューヨーク―ビルバオ』の異才による、待望の最新長篇!

「カルメンは、手紙がなぜ四つに裂けているのだろうと自問した。母が破いたのだろうか?(中略)時間が怒れる両手の代わりとなって、ひとりでに破けてしまったのか? それはカルメンにとって答えのない問いだった。その数年というもの、彼女の人生もその四つに引き裂かれた手紙のようなものだった。破片を並べ、そこに何らかの論理を見いだそうと努めるうちに、彼女自身の過去があきらかになりつつあった。」(本文より)

戦争に奪われた記憶の破片を継ぎ合わせ、喪失を乗り越えていく希望の道筋。

「歴史資料や独自の取材にもとづくノンフィクション的な記述と、作家の想像力から生まれる小説的な語りとのあいだを行き来して、ロベール・ムシェとその周囲の人々、彼らの体験や感情を鮮やかに蘇らせてみせる。」(「訳者あとがき」より)

[内容詳細]
スペイン内戦下の1937年。ゲルニカ爆撃の直後、約2万人のバスクの子供たちが欧州各地へ疎開した。8歳の少女カルメンチュは、ベルギーの文学青年ロベール・ムシェとその一家に引き取られ、深い絆を結ぶ。ムシェは戦争特派員として前線を取材し、ヘミングウェイや芸術家たちと親交をもつ。やがて第二次世界大戦の勃発とともに、カルメンチュたち児童は荒廃した故郷バスクへの帰還を余儀なくされる。その後、ムシェは進歩的な女性ヴィックと出会い、結婚。バスクの少女にちなんでカルメンと名付けた娘とともに、幸福な日々を送る。しかしまもなく、反ナチ抵抗運動に加わったムシェは逮捕され、悪名高いノイエンガンメ強制収容所に移送される。大戦末期、追いつめられたドイツ軍は収容所から撤収し、囚人たちをリューベック港まで移動させるが、そこでムシェを待っていた運命は……。
ヴィックは愛する夫の帰還を待つが、なかなか消息は得られず、戦後、カルメンと二人で生きていく決意をする。父の記憶を持たないカルメンは、ノイエンガンメ収容所の解放50周年式典をきっかけに、父の足跡をたどり始める。

[原題]Mussche

[著者略歴]
キルメン・ウリベ Kirmen Uribe
1970年、スペイン・バスク自治州ビスカイア県の港町オンダロアに生まれる。バスク大学でバスク文学を学んだのち、北イタリアのトレント大学で比較文学の修士号を取得。2001年に処女詩集 Bitartean heldu eskutik(『しばらくのあいだ手を握っていて』)を出版、バスク語詩における「静かな革命」と評され、スペイン批評家賞を受賞。2008年、初めての小説となる『ビルバオ-ニューヨーク-ビルバオ』を発表し、スペイン国民小説賞を受賞。国際的に注目され、これまでにスペイン国内外の14の言語に翻訳される。2012年に出版された小説第二作となる本書は、刊行直後からベストセラーとなり、スペイン語訳も忽ち増刷、広く話題を集めた。

[訳者略歴]
金子奈美(かねこ・なみ)
1984年秋田県生まれ
東京外国語大学大学院総合国際学研究科博士課程在籍
専門はバスク地方およびスペイン語圏の現代文学
訳書に、K・ウリベ「ビルバオ―ニューヨーク―ビルバオ」(白水社)

*略歴は刊行時のものです

2,300円+税

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