内容説明
芸術作品を批評するとはどういうことなのか
哲学の一分野としての美学がどのように成立したのか、その前史から近代に至るまでを辿る。美や芸術について思索するための手引書。
美や芸術について思索するための手引書
哲学の一分野としての「美学」がどのように成立したのか、その哲学的学問が生まれる前から近代に至るまでをたどる一方、20世紀以降の新しい芸術情況やアクチュアルな課題にいかに対処するかについて、最近の哲学の潮流とも対決しつつ、美学の可能性を論じた意欲的な書物。
本書の扱う「美学」は基本的には西欧近代の哲学的伝統の成果としての美学に限られている。しかしそれにもかかわらず、そうした「美学」成立の条件をはじめ、さまざまな議論を喚起する刺激的な書物であり、とりわけ「美学」という学問の担ってきた意味、そして今後担うべき意味について重要な考察の土台を提供している。
美学を学ぶ者にとどまらず、美や芸術について思索するための格好の手引書。
[著者略歴]
カロル・タロン=ユゴン
ニース=ソフィア・アンティポリス大学哲学科教授。
主要著書
『芸術の道徳』(PUF, 2009)
『私的で哲学的な芸術史―中世とルネサンス』(PUF, 2014)
『私的で哲学的な芸術史―古代ギリシア』(PUF, 2014)
『私的で哲学的な芸術史―古典主義と啓蒙主義』(PUF, 2015)
[訳者略歴]
上村博(うえむら ひろし)
1963年生まれ
1987年京都大学文学部卒
京都造形芸術大学教授
主要著訳書
『身体と芸術』(昭和堂)
『芸術環境を育てるために』(共編著、角川学芸出版)
L・フェリー『ホモ・エステティクス』(共訳、法政大学出版局)
J=L・ヴィエイヤール=バロン『ベルクソン』(白水社)
グザヴィエ・バラル・イ・アルテ『美術史入門』(共訳、白水社)