デイヴィッド・ヒューム

哲学から歴史へ

誰も論じることが出来なかった『イングランド史』に分け入り、哲学から歴史へ向かった巨人の足跡を初めて明らかにした決定版評伝。

著者 ニコラス・フィリップソン
永井 大輔
ジャンル 一般書 > 哲学・思想
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出版年月日 2016/01/21
ISBN 9784560084854
判型・ページ数 4-6・224ページ
定価 本体2,200円+税
在庫 在庫あり

内容説明

初めて示される全体像

忘れ去られた大著『イングランド史』に分け入り、哲学から歴史へ向かった巨人の足跡を初めて明らかにした決定版評伝。


「現代におけるヒュームへの熱狂的支持は、つまるところ、彼の著書のなかでも同時代人で読んだ者がほとんどおらず、理解できた者はさらに少ないものに対する称賛からくるのであって、その著作は著者自身からも縁を切られることになったものなのである。この著書こそが、『人間本性論』(一七三九~四〇年)であった。……しかるに、ヒュームがその知性を世間に認められ、当時彼がみずからの考えを展開させるもっとも重要な手段としていた『イングランド史』のほうは、今や哲学者からも歴史家からもほぼ無視され、一八九四年以降、気概のある専門出版業者が一九八三年に復刊するまで、絶版の状態になっていた。その結果、歴史家としてのヒュームは忘れ去られ、さらに重大なことには、彼の思想に深く関わる歴史の要素が、見落とされているのである。」(プロローグより)


歴史に向かった哲学者の軌跡

デイヴィッド・ヒュームの名を知らない者はいないだろう。ジャン=ジャック・ルソーやアダム・スミスとの華やかな交流(スミスはヒュームの存在なしには存在しなかった!)に象徴されるように、彼は18世紀啓蒙主義哲学の輝ける主役と言っていい存在である。
ただ、意外なことにその実像はこれまでほとんど知られてこなかった。本書は『アダム・スミスとその時代』を著して初めて等身大のスミスを分かりやすく提示した著者が、ヒュームの全体像に迫る好著である。
その際、著者が重視するのは「印刷機から死産」した『人間本性論』ではなく、日本では(そして本国でも)ほとんど誰も取り上げてこなかった『イングランド史』である。
こうした重心の移動によって浮かび上がってくるのは、〈哲学〉から〈歴史〉へと向かった巨人の姿であり、またそうした営為を生んだ彼の時代である。
ヒュームに対する評価は、かつてないほど高まっているが、スコットランド啓蒙研究の第一人者による本書は、まさにその中心に位置すると言っていい。今後数十年の座標軸となる決定版。


[目次]
    まえがき
    年表

    プロローグ
第一章 生涯と著述
第二章 政治、洗練、文人たち
第三章 懐疑論、科学、人間の自然史
第四章 イングランドの歴史に向けた哲学者の思惑
第五章 『イングランド史』・その一――ステュアート王家と〈比類なき国制〉の起源
第六章 『イングランド史』・その二――テューダー王家と初期イングランド史
第七章 哲学、歴史、『イングランド史』

    訳者あとがき
    註と文献
    索引


[原題]David Hume: The Philosopher as Historian


[著者略歴]
ニコラス・フィリップソン Nicholas Phillipson
アバディーン大学、ケンブリッジ大学に学び、1967年、ケンブリッジ大学でPh.D.を取得。1965年にエディンバラ大学講師に就任し、後に同大上級講師を務める。現在、同大名誉フェロー。1970年代以降、スコットランド啓蒙研究を一貫してリードしてきた。イグナティエフ・ホント編『富と徳』(未来社)の著者の一人。本書のほか『アダム・スミスとその時代』(白水社)がある。

[訳者略歴]
永井大輔(ながい・だいすけ)
1974年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得退学。2003年から05年にかけてオックスフォード大学に留学。現在、法政大学および武蔵大学兼任講師。シェリー・ワリア『サイードと歴史の記述』(岩波書店)、レオ・ダムロッシュ『トクヴィルが見たアメリカ』(共訳、白水社)、フィリップソン『アダム・スミスとその時代』(白水社)他。

*略歴は刊行時のものです

2,200円+税

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