ゼロヴィル

語り手がさまざまな映画に言及し、映画に組み込まれ、映画を生きる……無意識や闇が銀幕に映写されるがごとき、特異な「映画小説」。

著者 スティーヴ・エリクソン
柴田 元幸
ジャンル 一般書 >  海外文学 >  小説
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出版年月日 2016/02/26
ISBN 9784560084892
判型・ページ数 4-6・462ページ
定価 3,740円(本体3,400円+税)
在庫 在庫あり

内容説明

映画こそが「現実」なのか?

語り手がさまざまな映画に言及し、映画に組み込まれ、映画を生きる……無意識や闇が銀幕に映写されるがごとき、特異な「映画小説」。

「映画は世界の始まりから存在していた」

「映画自閉症」の青年ヴィカーは、映画『陽のあたる場所』のモンゴメリー・クリフトとエリザベス・テイラーを、自分のスキンヘッドに刺青している。フィルム編集の才能が買われ、ハリウッドで監督作品を撮ることになるが……。
『裁かるゝジャンヌ』、『めまい』、『ロング・グッドバイ』……映画と現実が錯綜する傑作長篇!


「鐘に揺さぶられて、彼女は目覚めようとあがく。存在と忘却のあいだのどこかで、マリリンは我々を、我々が彼女を夢に見たのに劣らずありありと夢に見る。そしていま、闇の中で、彼女について誰もが知っていること、彼女の身にやがて起きることを知りつつ『ナイアガラ』を観るヴィカーは、彼女が決して目覚ぬようにと祈らずにいられない。」(本文より)


[内容詳細]
「映画自閉症」の青年ヴィカーは、映画『陽のあたる場所』のモンゴメリー・クリフトとエリザベス・テイラーを、自分のスキンヘッドに刺青している。フィルム編集の才能が買われ、ハリウッドで監督作品を撮ることになるが……。映画と現実が錯綜する傑作長篇。エリクソン来日記念出版!
本書には、実在する無数の映画が取り上げられている。シオドア・ドライサーの小説『アメリカの悲劇』を原作とし、モンゴメリー・クリフトとエリザベス・テイラー主演で映画化された『陽のあたる場所』、無声映画の古典で、近年、奇跡的にオリジナル版が発見された『裁かるゝジャンヌ』、増村保造の『盲獣』や鈴木清順の『殺しの烙印』といったエリクソン好みの日本映画……たいていの読者は、本書で触れられている映画が観たくなるにちがいない。
熱狂的な数多の読者の支持を得ているエリクソンは、長年、雑誌で映画評を担当し、『彷徨う日々』『アムニジアスコープ』といった小説でもさまざまな形で映画を登場させてきた。ハリウッドを主たる舞台として、何本もの映画に言及し、映画シナリオを思わせる断章形式を採用した本書においても、読者はおおいに魅了されるだろう。


[原題]ZEROVILLE


[著者略歴]
スティーヴ・エリクソン Steve Erickson
1950年、米国カリフォルニア州生まれ。作家。『彷徨う日々』『ルビコン・ビーチ』『黒い時計の旅』『リープ・イヤー』『Xのアーチ』『アムニジアスコープ』『真夜中に海がやってきた』『エクスタシーの湖』『きみを夢みて』などの邦訳があり、数多の愛読者から熱狂的な支持を受けている。大学で映画論を修め、『LAウィークリー』や『ロサンゼルス・マガジン』で映画評を担当し、映画との関わりは長くて深い。本作は俳優のジェームズ・フランコの監督・主演で映画化が進行している。

[訳者略歴]
柴田元幸(しばた・もとゆき)
1954年生まれ。米文学者・東京大学特任教授・翻訳家。ポール・オースター、スティーヴン・ミルハウザー、スチュアート・ダイベック、スティーヴ・エリクソン、レベッカ・ブラウン、バリー・ユアグロー、トマス・ピンチョン、マーク・トウェイン、ジャック・ロンドンなど翻訳多数。『生半可な學者』で講談社エッセイ賞、『アメリカン・ナルシス』でサントリー学芸賞、『メイスン&ディクスン』で日本翻訳文化賞受賞。

*略歴は刊行時のものです

定価3,740円
(本体3,400円+税)

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