蔡英文 新時代の台湾へ

台湾初の女性総統が、一度は総統選に敗北しながらも、市民との対話を通し模索し続けた、新たなリーダーシップの形と未来の台湾の姿。

著者 蔡 英文
前原 志保 監訳
阿部 由理香
篠原 翔吾
津村 あおい
ジャンル 一般書 > 社会 > 政治
一般書 > 社会 > 経済
おすすめ
出版年月日 2016/05/20
ISBN 9784560092484
判型・ページ数 4-6・282ページ
定価 本体1,900円+税
在庫 在庫あり

内容説明

台湾初の女性総統による、初の著書!

台湾初の女性総統が、一度は総統選に敗北しながらも、市民との対話を通し模索し続けた、新たなリーダーシップの形と未来の台湾の姿。


「台南のおじいちゃんが小さな孫を連れてたくさんの夢と希望が詰まった子ブタの貯金箱を託してくれた時、私は絶対に彼らの期待を裏切ってはならないと心に誓ったのです。本書は、台湾の人々にとっての未来への希望を描いたものです。そして私の責任、私と人々との約束でもあります。」
(「序章」より)


「私は固く信じています。「民主主義」とは、台湾に住むすべての人にとって普遍の「共通言語」なのだと。「民主主義」とは、社会のすべての人が自由に自分の心の声や考えを話し合えることなのだと。そして、社会にいる一人ひとりが平等な関係なのだと。対話をすることで、私たちはより多くの揺るぎない価値観を生み出すことができるのだと。」
(「あとがき」より)


台湾初の女性総統がめざすものとは

台湾が大きく変わろうとしている。今年1月の総統選挙で、初の女性総統が誕生した。本書は、台湾で選挙前に刊行され、爆発的なヒットを続ける蔡英文氏の著書の日本語版である。5月20日の総統就任式にあわせて緊急出版する。
蔡氏は、前回の総統選に敗北した後、党主席を辞任して民間に戻り、台湾各地を巡りながら市民と対話を続けた。人々が政治に求めているものを模索し、政治と社会を包括的に刷新する方策を考え続けてきたのだ。一方で、台湾の政局は経済の悪化から動揺を見せ始め、社会は混乱し、中台関係は暗礁に乗り上げた——。そうした中で市民社会の力が大きくなり、2014 年3月にヒマワリ学生運動が起こった。その夜、蔡氏は立法院の議場に駆けつけ、学生たちを警官から守るために座り込みを行なった。本書では当時を生々しく振り返ると同時に、政府の問題点を鋭く指摘し、政党政治の役割を根本から見直す必要性を説く。激動の3年間を見つめてきた台湾の新たなリーダーが、台湾の現状をどのように捉え、未来をどう描いて、圧倒的な支持を得るに至ったのか、その過程が明らかになる。
福島第一原発事故後、注目を集めてきた台湾の第四原発建設の是非や、中国との経済問題、中台関係については現状維持を基本的立場とする真意、TPPを含めた貿易政策、日本の同盟国アメリカとの友好関係構築のプロセスまで詳しく述べられ、新総統の考えが一冊でよくわかる。
政治とは縁のない家庭に生まれ育ち、学者から政治家に転身した異色の経歴をもつ著者の冷静な分析と、場面ごとの率直な思いが吐露されていることも本書の大きな魅力となっている。
*著者から日本の読者へのメッセージも収録!


[目次]
日本語版序文 「自らの存在」を最高の答えに
序章 私たちは皆「英派」である

第一章 思考する小英
     総統選敗北の責任を負う
     在野で「答え」を探す
     準備はできた 私はまた戻ってくる

第二章 行動する小英
     希望は着実な歩みから
     私たちに足りなかったもの
     私はもう私だけのものではない
     視野を変えて台湾を見る

第三章 社会と小英
     地から響く歓声
     新時代のてこがついに動いた
     若者世代の決起の証人となる
     「知識を備えた反逆者」となる青年世代

第四章 政治と小英
     台湾とは何か?
     市民の力に学ぶ
     夜が明けてきた

第五章 経済と小英
     よき時代、心の絆
     私たちはこうやって台湾を変える
     「人間本位」の新しい経済

第六章 外交する小英
     外交のための基礎をつくる
     台湾を照らせ、民主とともに
     シンプルな事実から始める
     世界から台湾を見つめる
     『TIME』誌――彼女は中華圏で唯一の民主主義国家を率いるかもしれない

第七章 今ここにある希望
     台南の「メイカーズ」
     嘉義民生中学の野球チーム
     彰化の「シューズ・パーティー」
     花蓮の山菜
     台東の食と農

あとがき 「私たち自身」の存在が最高の答えとなる
監訳者あとがき


[原題]英派 點亮台灣的這一哩路


[著者略歴]
蔡英文(ツァイ インウェン)
1956年台北生まれ。台湾原住民パイワン族の血を引き、屏東の客家にもルーツをもつ自動車修理業を営む父と、河洛人の母の間に生まれ、台北県(現新北市)で育つ。国立台湾大学法学部卒、コーネル大学ロースクール法学修士、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスで法学博士を取得。帰国後、国立政治大学及び東呉大学で教職に就く。台湾のWTO加入交渉時に経済部(日本の経済産業省に相当)で首席法律顧問を務めたことから、政府内の様々な要職を歴任。民進党が政権を獲得した2000年に中台関係の政策に携わる行政院大陸委員会の主任委員になり、04年に立法委員選挙で初当選、06年1月から翌年5月まで行政院副院長を務める。民進党が08年の総統選挙で敗れた後、第12代党主席に就任、民進党の立て直しを図る。10年台湾統一地方選挙の新北市長選挙で惜敗、12年台湾総統戦に初挑戦したが現職の馬英九に敗れ、党主席を引責辞任する。下野した後は、「小英教育基金会」を立ち上げ、台湾各地を回って人々と対話し交流を続け、未来の台湾に必要なことを模索した。14年再度党主席に就任したのち、16年1月の総統選挙で国民党の朱立倫に大差をつけて勝利し、初当選。16年5月に台湾で初めて女性として総統に就任。
著書『洋蔥炒蛋到小英便當――蔡英文的人生滋味』(2016年夏、白水社より邦訳刊行予定)。

[監訳者略歴]
前原志保(まえはら・しほ)
カナダ ブリティッシュコロンビア大学卒業(東アジア研究)、イギリス リーズ大学修士課程修了(中国研究)、国立台湾大学国家発展研究所で法学博士号取得。
博士論文「李登輝と台湾アイデンティティ」(2014年)で台湾研究博士論文賞受賞。
現在、九州大学韓国研究センター学術協力研究員、福岡国際大学非常勤講師。

[訳者略歴]
阿部由理香(あべ・ゆりか)
国立台湾大学法律学研究所博士後期課程在学、台湾史、台湾法律史専攻。
銘伝大学応用日語学系兼任講師。
著書『台湾人的国籍初体験』(共著、五南図書出版、2015年)
訳書『この土地 この民 台湾の物語』(共訳、国立台湾歴史博物館、2013年)

[訳者略歴]
篠原翔吾(しのはら・しょうご)
国際教養大学卒業(グローバルスタディズ課程)、東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻修士課程修了。現在、同大学院博士後期過程在学。修士(学術)。
著書『考上日検N3的単字筆記本』(共著、檸檬樹出版社、2011年)
専門は社会学、地域研究(台湾)

[訳者略歴]
津村あおい(つむら・あおい)
早稲田大学政治経済学部政治学科卒業(政治思想専攻)、台湾輔仁大学翻訳学研究所修士課程単位取得退学。台湾経済ニュースの日本語翻訳をはじめ、台湾外交部(外務省)などで政府機関の国際広報物や報道発表資料の翻訳などを手掛ける。

*略歴は刊行時のものです

関連書籍

ネット書店を選択

  • Amazon
  • 楽天ブックス
  • 紀伊國屋書店
  • honto
  • e-hon 全国書店ネットワーク
  • Honya Club.com
  • セブンネットショッピング
  • TSUTAYA online

店舗の在庫を確認

※ネット書店によっては取り扱いが無い場合があります。あらかじめご了承下さい。

ジャンル

シリーズ

  • エクス・リブリス
  • ニューエクスプレス
  • ライ麦畑でつかまえて
  • キャッチャー・イン・ザ・ライ
  • 白水社創立百周年
  • 白水社2016売上トップ10