カンパン夫人

フランス革命を生き抜いた首席侍女

王妃マリー=アントワネットの忠臣として、ナポレオン政権下では女子教育の第一人者として──教養こそが彼女の武器だった。

著者 イネス・ド・ケルタンギ
ダコスタ 吉村 花子
ジャンル 一般書 > 世界史
おすすめ
出版年月日 2016/08/23
ISBN 9784560092590
判型・ページ数 4-6・332ページ
定価 本体2,900円+税
在庫 在庫あり

内容説明

教養を武器に激動の時代を乗り越えた女性

王妃マリー=アントワネットの忠臣として、ナポレオン政権下では女子教育の第一人者として──
教養こそが彼女の武器だった。

「歴史家によっては、アンリエット・カンパンの『回想録』や書簡をふんだんに利用しつつも、その存在を無視したり、あるいは貶めようとしたりする者もいる。〔…〕しかし、彼女ほど観察力に恵まれ、なおかつ口をつぐむすべを知っていた者はいないことは、本書で明らかになるであろう。黙秘を守り通す能力こそが彼女の最上の味方であり、成功の鍵であった。」
──「はじめに」より


マリー=アントワネット関連の書籍や映画には必ず登場する王妃付首席侍女カンパン夫人。冷徹・陰険な女性としてステレオタイプに描かれがちだが、本当にそうなのだろうか。本書はカンパン夫人の大著『回想録』および書簡から歴史の側面を丁寧に拾い上げ、読みやすく綴られた評伝である。
カンパン夫人ことアンリエット・ジュネは、教育熱心な父の導きで語学と教養を身につけ、ルイ15世の娘たちの朗読係として宮廷に入る。その後、王太子妃として嫁いできたマリー=アントワネットの侍女となり、フランス革命まで約20年間仕えた。革命によって、王家の周囲にいた人々は処刑あるいは亡命を余儀なくされる。かろうじて危機を乗り越えたアンリエットだったが、生活は困窮──財産は自らの教養しかなかった。女子のための教育施設を設立することを思い立ち、パリ近郊に女子寄宿学校を開校。ナポレオン一族の女性たちがこの学校で学び、なかでもオルタンス・ボアルネ(ナポレオンの妻ジョゼフィーヌの連れ子)は師の薫陶を受けて、のちにオランダ王妃となる。女子教育への関心がきわめて低かった19世紀前半、自らの教養を武器に生き抜いていく姿は実にたくましい。


[目次]
第一章 幼少時代から宮廷入りまで
 1. 生い立ち  
 2. 妹ジュリー  
 3. 不思議な街ヴェルサイユ 
 4. 王女付き  
 5. ルイ十五世  
 6. ルイーズ王女、修道院へ 
 7. 王太子妃マリー=アントワネット  
 8. ルイ十六世の即位、アンリエットの結婚  

第二章 王妃付き侍女
 9. 王妃の失態  
 10. 宮廷生活 
 11. 王族たちの肖像  
 12. ヴェルモン神父  
 13. 享楽に耽る王妃  
 14. 母マリー=アントワネット 

第三章 王妃付き首席侍女
 15. 王妃の腹心として  
 16. 首飾り事件  
 17. 不吉な予感  
 18. ヴェルサイユからテュイルリーへ  
 19. ヴァレンヌ逃亡計画 
 20. 疑惑  
 21. 逆境に立ち向かう 
 22. 永遠の別れ  

第四章 サン=ジェルマン学院開校
 23. 恐怖政治  
 24. サン=ジェルマン学院の幕開け 
 25. 華麗なる生徒たち 
 26. 教育方針 
 27. オルタンスの巣立ち  
 28. 社交生活  
 29. オルタンスの結婚と懐妊  
 30. 名声  
 31. オランダ王妃オルタンス  

第五章 レジオン・ドヌール教育学院エクアン校校長
 32. 皇帝の計画  
 33. レジオン・ドヌール教育学院  
 34. エクアン校  
 35. 挫折、そして王政復古  
 36. 教え子との再会  
 37. 闘病、そして『回想録』  
 38. 最期  

  訳者あとがき/参考文献/家系図  


[原題]MADAME CAMPAN:Première femme de chambre de Marie-Antoinette


[著者略歴]
イネス・ド・ケルタンギ(Inès DE KERTANGUY)
歴史家、小説家。リヨンに生まれ、7歳までイギリスで育つ。史料や書簡を丹念に拾い上げながら歴史を再構成する著作を得意とし、主な評伝にMadame Vigée Le Brun(18世紀フランスの女性画家ヴィジェ・ルブラン、2000年)、La reine mère d’Angleterre(英国エリザベス2世の母、2000年)、Léonora Galigaï(マリー・ド・メディシスの侍女レオノーラ・ガリガイ、2005年)、小説にJ’ai douze ans(2011年)、L’eau glacée de la rivière(2012年)、Les héritiers de Kervalon(2013年)がある。近年はヴェルサイユ宮殿の発行する歴史雑誌にも寄稿、主に18世紀女性について扱っている。本書『カンパン夫人』は初の邦訳。

[訳者略歴]
ダコスタ吉村花子(ダコスタ よしむら はなこ)
翻訳家。明治学院大学文学部フランス文学科卒業。リモージュ大学歴史学DEA修了。専門は十八世紀フランス旧体制(アンシャン・レジーム)。現在、ヴェルサイユ在住。翻訳書に『フランスの美しい鳥の絵図鑑』(グラフィック社)

*略歴は刊行時のものです

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