翻訳のダイナミズム

時代と文化を貫く知の運動

古代ギリシアの科学・文化はいかに中世アラビア・近代日本へと継承されたのか。叡知の伝播を壮大に描く前人未踏の《翻訳の世界史》

著者 スコット・L・モンゴメリ
大久保 友博
ジャンル 一般書 > 哲学・思想
一般書 > 世界史 > 文化史
一般書 > 海外文学 > 古典・評論
おすすめ
出版年月日 2016/09/16
ISBN 9784560095102
判型・ページ数 4-6・500ページ
定価 本体4,000円+税
在庫 在庫あり

内容説明

叡知の継承を壮大に描く《翻訳の世界史》!
翻訳者は格闘する、新たな文化創出のために

文化や学術が栄える時と場所には、必ずその直前に旺盛な翻訳活動が行われている。本書は〈知の転移〉とも言われるこの営みをテーマとして、古代ギリシアから古代ローマ、中世アラビア・ラテン世界、そして江戸明治期に至る知の継承の実際とその全世界的な伝播の系譜に迫り、現代の学術翻訳の問題にも切り込む意欲的な作品である。
古代ギリシアの叡智の多くは直接西欧近代に伝わったのではない。まずはシリア語・ペルシア語に、ついでアラビア語・ラテン語に翻訳されていった過程を主に科学作品を軸に追ってゆく。外来知を、専門用語をどう訳しどう現地化するのか。ジュンディーシャープールやバグダード、トレド、江戸の地で、史上随一の翻訳家とされるフナインばかりか、多くの学者やネストリウス派の人々、遍歴知識人等の苦闘が知的ノンフィクションのごとく描かれ、翻訳とは時に原典内容を変形し新たな文化を創出することでもあると強調される。その営為の計り知れない意義とダイナミズムを活写して絶賛された本書は、西洋文明の成立史に一撃を加え、かつ我々の現在をも照射する。叡知の継承を壮大詳細に描く未踏の《翻訳の世界史》。

[原題]Science in Translation: Movements of Knowledge through Cultures and Time

[著者略歴]
スコット・L・モンゴメリ
日本在住経験もあるアメリカの地質学者・エネルギーコンサルタント・科学史家・翻訳家、ワシントン大学(シアトル)所属。資源地質学を専門とするが、その幅広い知識と世界各国での経験をいかした著述活動は多岐にわたる。主著は本書の他《Moon: A Tribute to Earth's Nearest Neighbour》(2008)などがあり、諸国語版で刊行されてもいる。近著の《Does Science Need a Global Language?》(2013)は本書の第三部の議論を発展させたものとして好評をもって迎えられており、また共著《A History of Science in World Cultures》(2016)は本書の論点を踏まえて古代~中世のグローバルな科学史を描ききった力作である。

[訳者略歴]
大久保友博
1982年滋賀県生まれ。2015年京都大学大学院博士後期課程修了。翻訳論・翻訳史専攻。博士(人間・環境学)。同志社大学ほかで非常勤講師。大久保ゆう名義ではエンターテイメント系の翻訳のほか、近代文学やデジタルアーカイブ等の評論も手がける。日本通訳翻訳学会会員。

主要論文:
「翻訳論から見た英国17世紀の翻訳者たち――古典を訳した人間とその環境」(博士論文、2015)
「ドライデンの翻訳論と中庸の修辞」(『十七世紀英文学を歴史的に読む』金星堂、2015)

主要訳書:
ラヴクラフト『クトゥルフ神話』(パンローリング、2012)
ストゥルーザン『コンプリート ワークス オブ ドゥルー・ストゥルーザン』(マール社、2015)
シェラット『ヒトラーと哲学者』(共訳、白水社、2015)
ウィットラッチ『幻獣キャラクターを創る』(マール社、2016)など

関連書籍

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