娯楽番組を創った男

丸山鐵雄と〈サラリーマン表現者〉の誕生

丸山眞男が畏れた兄とは? 「日曜娯楽版」や「のど自慢」をはじめ現代の娯楽番組の基礎を創ったNHKきっての「大奇人」の生涯。

著者 尾原 宏之
ジャンル 一般書 > 社会
一般書 > 評論・エッセイ(日本)
おすすめ
出版年月日 2016/10/24
ISBN 9784560095164
判型・ページ数 4-6・266ページ
定価 本体2,200円+税
在庫 在庫あり

内容説明

丸山眞男が畏れた兄は何者だったのか?
NHKきっての「大奇人」の生涯

丸山眞男が畏れた兄とは?
「日曜娯楽版」や「のど自慢」をはじめ現代の娯楽番組の基礎を創ったNHKきっての「大奇人」の生涯。

「『のど自慢』に出たがる大衆を、歌の上手下手にかかわらずラジオに登場させる。人間の勘違いや気取り、しょい込みなどがそのまま表現され、それを見る人はなんともいえない気恥ずかしさと滑稽さを感じる。そして鐘が鳴る。そこには放送局の下手な演出がない。つまり戦前の鐵雄が忌み嫌った「指導性」が存在していない。大衆が見たがるものを提供しているのは、大衆自身である。ここに「大衆性」に依拠した鐵雄の番組論のひとつの帰結があった。」
本書より

>立ち読み

総合バラエティはこうして生まれた
メディア論の新たな読み!

戦後を代表する知識人である丸山眞男に兄がいたことはあまり知られていない。その兄鐵雄(てつお)は、長谷川如是閑とともに大正期を代表するジャーナリスト丸山幹治の長男として1910年に生まれ、その後京都帝大経済学部を卒業して日本放送協会に入り、ラジオの黄金時代とテレビの草創期を牽引した敏腕芸能ディレクターだった(1973年に『激動の昭和』で日本レコード大賞特別賞を受賞、1988年没)。
日本のメディア史を考える上でとりわけ重要なのは、痛快な社会諷刺で占領下人気を博したラジオ番組『日曜娯楽版』と現在まで続く長寿番組『のど自慢』を鐵雄が企画したことである。
本書は丸山鐵雄の人生とその時代を振り返ることによって、「マスメディアの真の主人公」である〈サラリーマン表現者〉について考える試みである。
記者やプロデューサー、ディレクターや編集者に代表される〈サラリーマン表現者〉が、学者からタレントまであらゆる表現者を利用しながら、いかに自己の「匿名の思想」を実現してきたかを徹底的に検証する。「彼らの作ったパッケージこそが世の中に甚大な影響を与えている」(本書)のだ。著者渾身の書き下ろし!

[目次]
 序章 〈サラリーマン表現者〉の精神史

第一章 「筆一本」の時代の終わり
 第一節 丸山家の一九一〇年
 第二節 流転する記者人生
 第三節 白虹事件

第二章 チンピラの実像
 第一節 ドロップアウトの悲哀
 第二節 「無試験王国」京都帝国大学
 第三節 学園自治という虚妄

第三章 新たなメディアと不機嫌の時代
 第一節 「ラヂオ」好調異聞
 第二節 「逓信省外局」日本放送協会?
 第三節 新劇演出家、鐵雄

第四章 大衆の「声」の発見
 第一節 戦時下のラジオに「寛ろぎと潤ひ」を
 第二節 「我々が大衆なんだから」
 第三節 「ラヂオ芸術」と〈サラリーマン表現者〉の誕生

第五章 バラエティ番組はこうして生まれた
 第一節 新体制の「詩とリズム」
 第二節 総合娯楽番組の創始
 第三節 ファシスト鐵雄?

第六章 「大衆のラヂオ」の帰趨
 第一節 戦中と戦後の間
 第二節 『日曜娯楽版』と戦前の影
 第三節 『のど自慢』と鐵雄の敗北

 終章 「われらが時代は去りぬ」

 あとがき/人名索引

[著者略歴]
尾原宏之(おはら・ひろゆき)
立教大学兼任講師
1973年生。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業。日本放送協会(NHK)勤務を経て、東京都立大学大学院社会科学研究科博士課程単位取得退学。博士(政治学)。著書に『大正大震災』(白水社)、『軍事と公論』(慶應義塾大学出版会)、共著に『近代日本政治思想史』(ナカニシヤ出版)など。

*略歴は刊行時のものです

2,200円+税

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