鬼殺し(下)

新刊

日本統治期から戦後に至る激動の台湾・客家の村で、日本軍に入隊した怪力の少年が祖父と生き抜く。魂を震わす巨篇。東山彰良氏推薦!

著者 甘耀明
白水 紀子
ジャンル 新刊
一般書 > 海外文学 > 小説
シリーズ 一般書 > エクス・リブリス
出版年月日 2016/12/27
ISBN 9784560090497
判型・ページ数 4-6・356ページ
定価 本体2,800円+税
在庫 在庫あり

内容説明

東山彰良氏推薦! ノーベル賞作家・莫言が激賞!

日本統治時代から戦後に至る台湾・客家の村で、日本軍に入隊した怪力の少年が、時代に翻弄されながら祖父と生き抜く。魂を震わす巨篇。


ノーベル賞作家・莫言が激賞!
殺人は容易だが鬼殺しは難しい、
これをやってのけたその文才には驚嘆するばかりだ。
民国六〇年代(1970年代)生まれの昔日の青年が、
今まばゆいばかりの文学の花を咲かせた。


1945年、日本の敗戦とともに、国民党軍が村に乗り込んできた。
帕の怪力は国民党軍の目に留まるが、
祖父は孫を連れて決死の覚悟で台北へと逃れる。
そこで遭遇したのは二・二八事件だった――。
自分は何者なのか――
激動の渦に巻き込まれ、揺らぎ、格闘する。

清朝に捨てられ、日本から捨てられ、国民党政府からも見放された「鬼」の島

「『鬼殺し』は、関牛窩という小さな山村に生きた人々の歴史記憶の再構築をとおして、台湾の主体性を回復する道を模索した台湾のポストコロニアル文学であり、台湾現代文学を代表する作品である」
(「解説」より)

日本統治時代から戦後に至る、激動の台湾を生き抜いた客家の少年と祖父の物語。「現代の語りの魔術師」と称された台湾の若手実力派による本書は、莫言に激賞され、数々の文学賞を受賞して高く評価された。
1941年12月、日本軍を乗せた汽車が客家の村にやってきた。祖父に育てられた怪力の少年・劉興帕は、日本軍中佐の養子となって入隊し、日本人になることを夢見て戦う。だが敗戦を迎えると、今度は国民党軍が乗り込んできた。祖父は帕の片腕を切断してともに台北に逃れ、帕が日本兵だった過去を消すために偽の死亡証明書を手に入れる。帕は台湾人として再生を果たすべく、故郷へ帰っていく。
日本への抵抗心を持ち続ける「鬼」としてさまよう帕の大叔父・呉湯興は、「鬼王」と呼ばれる客家の抗日英雄だった。二・二八事件まで続く台湾の混乱を目撃した鬼王は、村で帕と再会し、ついに自分を殺してくれと帕に頼むが……。
常にアイデンティティの揺らぎの中で格闘する帕。台湾には孤児のようなイメージがつきまとう。歴史に翻弄され変貌する村を舞台に、いくつもの物語を紡ぐことで、人間本来の姿の再生を描ききった大河巨篇。

[主な登場人物]
帕(漢名:劉興帕、日本名:鹿野千抜、タイヤル名:Pa-pak-Wa-qa)
タイヤル族の義父をもち、隠遁した祖父の劉金福に育てられる。関牛窩公学校の小学生だったが、のちに日本陸軍の鬼中佐の養子となり、鹿野千抜を名乗る。学徒兵の教育班長として軍曹になり、その後少尉に昇格。

劉金福:帕の祖父。福建から台湾に渡ってきた客家の二代目で、竜眼園の経営を引き継いだ大地主。呉湯興率いる義勇軍に旗持ちとして参加した。

鬼王(呉湯興、阿興大叔父):苗栗出身の客家人。1895年、日本の台湾領有に抵抗して独立を宣言した台湾民主国の義勇軍総統領。民主国は五か月で崩壊し、呉湯興は彰化八卦山の戦いで死亡、妻も後を追って自殺した。

鬼中佐(鹿野武雄):日本陸軍中佐。満洲孤児。日本人として育てられ、日本の陸軍学校で学び将校となる。中国で負傷して台湾に派遣され、関牛窩で軍事訓練の指揮をする。帕の養父となる。

呉漢大佐:国民政府軍の大佐。鬼中佐の部隊の接収にあたる。

[下巻目次]
神風が吹いて、桃太郎おおいに鬼王と戦う
九青団と小さな黒人が汽車に乗った
聖母マリア・観世音菩薩が下界に降りた
構樹(かじのき)もの言わざれども、下自ずと蹊(こみち)を成す
七重の空への道
鬼屋(ゆうれいやしき)は貧乏人の楽園
俺は鬼子(グィズ)だ、手紙を出しに来た
さようなら、南部の黒狗(かっこいい)兄貴
再び関牛窩への帰途につく
月日が経てば異郷も故郷

 解説 白水紀子

[原題]殺鬼

[著者略歴]
甘耀明(カン・ヤオミン)
Yao Ming Kan
1972年、台湾・苗栗県生まれ、客家出身。台中の東海大学中文系在学中に小説を書き始め、卒業後は苗栗の地方新聞の記者などをしながら小説を書きためていた。2002年「神秘列車」で寶島文学賞審査員賞、「伯公討妾」で聯合報短篇小説審査員賞を受賞するなど、このころ発表した6篇が文学賞を続けて受賞し、03年にこれらの作品を収めた初めての短篇小説集『神秘列車』を刊行。その多彩な表現により「千の顔を持つ作家」と呼ばれて注目を集めた。02年、東華大学大学院に進学し修士号を取得。「新郷土文学」のホープとして、その後の活躍はめざましく、05年、中短篇小説集『水鬼學校和失去媽媽的水獺』で「中国時報」年間ベストテン賞、中篇小説「匪神」で呉濁流文学賞、06年「香豬」で林栄三文学賞受賞。09年、五年の歳月をかけて書きあげた長篇小説『鬼殺し』で「中国時報」年間ベストテン賞、台北国際ブックフェア小説部門大賞などを受賞し、〝新十年世代第一人〟の代表作と高く評価された。15年、最新作『邦査女孩』を刊行、台湾文学賞金典賞などの賞を多数受賞し、作品を発表するごとに話題を呼んでいる。邦訳書に短篇小説集『神秘列車』(白水社)がある。

[訳者略歴]
白水紀子(しろうず・のりこ)
1953年、福岡県生まれ。東京大学大学院人文科学研究科(中国文学)修了。
横浜国立大学教授。国立台湾大学客員教授、北京日本学研究センター主任教授を歴任。
著書に『中国女性の20世紀』(明石書店)
訳書に甘耀明『神秘列車』(白水社)、陳雪『橋の上の子ども』(現代企画室)、陳玉彗『女神の島』(人文書院)など。

*略歴は刊行時のものです

 

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