消えゆく「限界大学」

私立大学定員割れの構造

新刊

消える大学と生き残る大学の違いとは何か? 定員割れが起きるメカニズムに着目し、その歴史的経緯にまでさかのぼって検証する。

著者 小川 洋
ジャンル 新刊
一般書 > 社会
おすすめ
出版年月日 2016/12/27
ISBN 9784560095263
判型・ページ数 4-6・232ページ
定価 本体2,000円+税
在庫 在庫あり

内容説明

オクスフォード大学教授 苅谷剛彦氏推薦!

「ニッポンの大学は多すぎるのか?
 どんな大学が生き残れるのか?
 大学の消長に私たちは何を見るのか?
 本書は、なくなる大学・残る大学の分析を通して、
 人びとの手に届くようになった「大学」とは何だったのかを問う。」

定員割れ大学増加の最大の要因は、短大の四大化にあった。
弱小私大が淘汰されるメカニズムを明快に示した画期的書!

限界大学――恒常的な定員割れを引き起こし、人材的にも財力的にも大学を経営するだけの能力に欠ける、文字どおり弱くて小規模な弱小私大を、本書ではそう名づけた。
しばらく横ばいだった18歳人口が再び減少傾向に入る2018年以降、私立大学の定員割れが加速し、経営困難校の公立移管や統合、閉校が相次ぐのは避けられないと見られている。本書は、戦後の教育行政の変遷や生徒を送り出す高校側の事情などを踏まえたうえで、統計データを駆使しながら、弱小私大のさらなる弱体化の背景と、定員割れの実態、そのメカニズムを明らかにしていく。
18歳人口の再減少が目前に迫るなか、市場主義的な競争原理が導入され、いま「負け組」増加の条件が整いつつある。その結果もし大学が破綻したら、周囲に及ぼす影響は当の学生や教職員だけにとどまらない。本書には、そうした限界大学への道を避けるべく、組織改革や財務健全化に取り組み、成功した事例も紹介されている。教育行政学・教育社会学の蓄積による実証性と、高校・大学教育に長年携わってきた著者の経験が融合し、説得力に富んだ画期的書。オクスフォード大学教授(教育社会学)苅谷剛彦氏推薦!

[目次]
はじめに

第1章 試練に立たされる弱小私大
  1 消えた大学
  2 消える大学──定員割れのメカニズム
第2章 どのような大学が定員割れしているか
  1 定員割れの定義
  2 定員割れ大学の分析視点
  3 定員割れ大学の現状
第3章 混乱の「ゴールデンセブン」とその後
  1 臨時収入
  2 臨時定員の設定
  3 ゴールデンセブン後の高校生の進路選択
  4 既設大学の改革
  5 女子大学の拡張戦略
  6 短期大学のゴールデンセブン
  7 撤退か転進か
第4章 短期大学とは何か
  1 「当分の間」の措置としての短期大学
  2 短大の変遷
  3 短大の恒久化
  4 昭和四十年代の拡大と性格の変化
  5 夏の時代から冬の時代へ
  6 消えた短大
  7 四大化へ
第5章 短大以上・大学未満
  1 四大への移行
  2 「幸せな死に方」としての四大化
  3 定員割れの短大から定員割れする大学へ
  4 学生募集の限界
  5 「限界大学」の大量出現
第6章 新たな大学像
  1 総合大学への飛躍──武蔵野大学
  2 計画的キャンパス開発──目白大学
  3 教員組織の刷新──名古屋外国語大学
  4 地域に根差す小規模大学
  5 公立大学問題
第7章 弱小私大と高校
  1 バブル崩壊後の進路選択
  2 大学進学率予測
  3 高校側の事情
  4 多様化校と弱小私大の募集活動
第8章 弱小私大の生き残る条件
  1 大学不滅神話の崩壊
  2 地域の信頼を得る
  3 入学前教育と初年次教育の充実
  4 ターゲットを絞った学生募集
  5 短大文化の清算──教育・研究の活性化
  6 安直な道を避ける
  7 経営体制の刷新
第9章 「限界大学」の明日
  1 「限界大学」とは
  2 文科省の動き
  3 破綻への備え

 あとがき/主要参考文献

[著者略歴]
小川 洋(おがわ・よう)
1948年東京生まれ。早稲田大学第一文学部を卒業後、埼玉県立高校教諭(社会科・地歴科)として勤務。並行して、国立教育研究所(現・国立教育政策研究所)研究協力者として日本の高校教育とアメリカやカナダの中等教育との比較をテーマに研究。その後、私立大学に移り、教職課程担当の教員として十数年勤務した。著書に『なぜ公立高校はダメになったのか』(亜紀書房、2000年)、共訳書に『ロッキーの麓の学校から――第二次世界大戦中の日系カナダ人収容所の学校教育』(東信堂、2011年)、共編著に『大学における学習支援への挑戦――リメディアル教育の現状と課題』(ナカニシヤ出版、2012年)などがある。

*略歴は刊行時のものです

2,000円+税

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