蔡英文自伝

台湾初の女性総統が歩んだ道

新刊

政治と無縁の家庭に生まれ、日本式の教育を受けた厳格な父親に育てられた少女が、台湾総統になるまでの秘められた信念と道程を明かす

著者 蔡 英文
劉永毅 構成
前原 志保
ジャンル 新刊
一般書 > 社会 > 海外事情
一般書 > 社会 > 政治
おすすめ
出版年月日 2017/02/02
ISBN 9784560095249
判型・ページ数 4-6・270ページ
定価 本体2,000円+税
在庫 在庫あり

内容説明

新たな民主主義のリーダーの知られざる素顔

政治とは無縁の家庭に生まれ、
日本式の教育を受けた厳格な父親に育てられた物静かな少女が、
学者から官僚へ、そして台湾総統になるまでの秘められた信念と軌跡。

「原住民の祖母、客家の父、そして河洛人の母――
私は自分の温かい皮膚の下に、多元的で、豊富なパワーが満ち溢れていることに思いを馳せた。」(「第一章」より)

「大陸委員会の主任委員を務めていた時、立法院で答弁中に、他の委員と激しい口調で議論している私の姿をテレビで見た父が、わざわざ電話をかけてきてこう言った。「立法院での議論の仕方に気をつけなさい。あんなふうに相手を追いつめてはいけない。必ず逃げ道をつくってあげるように」。その言葉を聞いて、「人に猶予を残す」ことは父の処世哲学なのだと悟った。それ以来、私は議論をする際、相手の言葉を遮らず、言葉に柔軟性を持たせ、相手に逃げ場を残すことを心掛けている。」(「第一章」より)


2016年5月、台湾で初の女性総統が誕生した。政治とは無縁の家庭に生まれた物静かな少女が総統になるまでの道のりを自ら明かした一冊。
日本式の教育を受けた厳格な父と、子どもを溺愛する母に育てられた。両親のしつけや原住民の祖母のこと、言語をめぐる葛藤や独自の勉強法、そして戒厳令下の台湾でどのような教育を受け、米国留学後、台湾の政治にどのように向き合うようになったかについてまで、個人的な思いをありのままに綴っている。
1980年代に英国に留学し、いち早くグローバリゼーションの研究に取り組み、その後WTO加盟交渉を通じて、台湾の国際市場進出に道を開いた。以後数十年に及ぶ政治と経済発展、中台間の交渉に直接携わった彼女独自の視点で、台湾の現代史が本書に記されている。今後の台湾の外交や中台関係の行方を占うこともできるだろう。
2008年、信頼を失った野党・民進党を立て直すべく、人々の声に耳を傾け、党主席の重責を引き受けた。台湾の民主化を遂行するための彼女の覚悟の表れでもあった。その姿勢は、総統になった現在も変わらない。彼女の半生には、台湾民衆一人一人の民主主義への強い意志が刻み込まれ、民衆とともに歩もうとする政治の姿が映し出されている。
日本の読者へのメッセージも収録!


[目次]
はじめに 

序章――三人の涙 

第一章 生命の中にある「真」・「善」・「美」 
 父の「玉ねぎの卵炒め」 
 わが家の無敵な母 
 ニャンコちゃん 
 血脈 

第二章 蔡式学習法 
 自分で模索した学習方法 
 混乱の中の論理 
 私は「菜」英文じゃない! 
 コーネル大学 
 ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス 
 西洋文化の洗礼 
 おい! この馬鹿女! 

第三章 十年間の国際交渉 
 WTO加盟交渉に関わるきっかけ 
 牛肉と政治 
 交渉の中から学んだこと 

第四章 政治の嵐が巻き起こる 
 人生のターニング・ポイント 
 半年で「小三通」を実現する 
 八方塞がり 
 政務官の役割 
 息抜きの半年間 
 立法院に戦いの場所をうつす 
 女性の行政院副院長 
 非典型な政治家 

第五章 民進党を再び立て直す 
 ミッション・インポッシブル 
 どん底の中での使命 
 再起のきっかけ──少額献金の奇跡 
 廃墟の中から立ち上がる 
 暗雲に射す一筋の光 
 民進党の再起 
 自ら戦場へ 
 リーダーがなすべきこと 

おわりに――ただ、前へ 

日本の読者の皆さんへ  蔡英文 

 訳者あとがき

[原題]洋蔥炒蛋到小英便當――蔡英文的人生滋味

[著者略歴]
蔡英文(ツァイ インウェン)
1956 年台北生まれ。台湾原住民パイワン族の血を引き、屏東の客家にルーツをもつ自動車修理業を営む父と、河洛人の母の間に末っ子として生まれ、台北県(現新北市)で育つ。国立台湾大学法学部卒、コーネル大学法学院法学修士、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスで法学博士を取得。帰国後、国立政治大学及び東呉大学で教職に就く。台湾のWTO 加盟交渉時に経済部(日本の経済産業省に相当)で首席法律顧問を務めたことから、政府内の様々な要職を歴任。民進党が政権を獲得した2000 年に中台(両岸)関係の政策に携わる行政院大陸委員会の主任委員になり、04 年に立法委員選挙で初当選、06 年1月から翌年5月まで行政院副院長を務める。民進党が08 年の総統選挙で敗れた後、第12 代党主席に就任、民進党の立て直しを図る。10 年台湾統一地方選挙の新北市長選挙で惜敗、12 年台湾総統選に初挑戦したが現職の馬英九に敗れ、党主席を引責辞任する。下野した後は、「小英教育基金会」を立ち上げ、台湾各地を回って人々と対話し交流を続け、未来の台湾に必要なことを模索した。14 年再度党主席に就任したのち、16 年1月の総統選挙で国民党の朱立倫に大差をつけて勝利し、初当選。16 年5月に台湾で初めて女性として総統に就任。
著書『蔡英文 新時代の台湾へ』(白水社)。

[訳者略歴]
前原志保(まえはら・しほ)
カナダ ブリティッシュコロンビア大学卒業(東アジア研究)、イギリスリーズ大学修士課程修了(中国研究)、国立台湾大学国家発展研究所で法学博士号取得。
博士論文「李登輝と台湾アイデンティティ」(2014年)で台湾研究博士論文賞受賞。
現在、九州大学韓国研究センター学術協力研究員、福岡国際大学非常勤講師。

*略歴は刊行時のものです

2,000円+税

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