ふらんす 2017年2月号

ジャンル 雑誌『ふらんす』
出版年月日 2017/01/22
判型・ページ数 A5・84ページ
定価 703円(本体639円+税)

内容説明

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■特集 〈座談会〉「いま、フランス革命史を読み直す」

自由、平等、博愛……あたりまえだと思われていた価値がゆらぎつつある今、「近代」の原点であるフランス革命をめぐる著作が刊行されました。『評伝 スタール夫人と近代ヨーロッパ フランス革命とナポレオン独裁を生きぬいた自由主義の母』の著者工藤庸子さん、『フランス革命という鏡 十九世紀ドイツ歴史主義の時代』(2016年サントリー学芸賞受賞)の著者熊谷英人さんに加え、『革命と反動の図像学』ほか近代フランスの歴史・文学に関する多くの著作を持つ小倉孝誠さんに、革命史を読み直す意義について語っていただきました。


【表紙連載】
「映画の向こうにパリが見える」〈11〉フランソワが、また一人 『アンタッチャブルズ』 清岡智比古
毎回映画作品をひとつ取り上げ、そこから見えてくるリアルなパリの風景・人々について考えます。今月は『アンタッチャブルズ』(2012)。パリ警視庁で働くブルジョワ白人の若手刑事フランソワと、郊外のボビ二ー署所属のアフリカ系刑事ウスマン、このでこぼこコンビの対立と連帯の物語がコメディタッチで描かれます。物語の舞台は、パリ市内ほかバニョレ、ボビニー、ボンディなど。
→参考『パリ移民映画』
→公式ブログ http://tomo-524.blogspot.jp/

*時事通信社ウェブサイト「時事ドットコム」に本連載記事を配信しています。
 http://www.jiji.com/jc/v4?id=hssfranse-011-17020001


【巻頭エッセイ】
「フランスと私 我が意を得るフランスの仲間たち」
各界で活躍中の方々に、月替わりで「フランスと私」をテーマに個人的な体験や思いを自由につづっていただくエッセイ。 今月は、海外でも個展を開く写真家にして、「八文字屋」また今は無き伝説の「ほんやら洞」店主の甲斐扶佐義さんです。京都の作家・芸術家・大学人に混じってなぜかフランス人アーティストたちも多く集う、その個性的なお店を通した交流についてつづってくださいました。
→『京都猫町ブルース』 https://www.tankosha.co.jp/ec/products/detail.php?product_id=1300
→『追憶のほんやら洞』 http://www.fubaisha.com/search.cgi?mode=close_up&isbn=3171-1


【語学系記事】
「ヨシとクニーのかっ飛ばし仏語放談〈11〉」福島祥行+國枝孝弘
NHK講師としてもおなじみの、ヨシこと福島祥行さんとクニーこと國枝孝弘さんが、発音・冠詞などフランス語のエッセンスについて明快で痛快なやりとりを繰り広げます。今月は「多言語入試と平和と人権」。ヨシとクニーが教える大学ではフランス語入試を実施しているそうです。その事情や背景について、また「多言語」と「複言語」の違い、複言語から平和への道筋についてお届けけします。

「おるたな・ふらんす〈11〉」おおくぼとものり
「主流」「王道」から抜けおちたフランス語的なるトピックを取り上げた、昨年度の「おるたな・ふらんせ」をさらに発展させた本連載は、フランス語に限定せず、フランスの社会や文化における「おるたな」を探っていきます。今月は「名詞の性のはなし2」。この20年ほど、日本では「保母」「保父」から「保育士」、「看護婦」「看護士」から「看護師」などへ、一方フランスではune docteure、une auteureなどという表記が広まっています。性別を表示しない日本語と、性別を忠実に表示するフランス語……その是非を問います。

「Dessine-moi un mouton !〈23〉」釣馨+ Ghislain MOUTON
フランス語学習者のためのフランス情報サイト「FRENCH BLOOM NET」の主宰者フレンチブルーム(釣)さんと沖縄で「ひつじフランス語教室」を運営するひつじ(ムートン)さんによる人気対談連載が2年目突入! 今月は「発売記念トークイベント」。最近共著を出されたフレンチブルームさんとひつじさん。その著作『日本人が知りたいフランス人の当たり前』について、また東京で開かれた発売記念イベントについてお送りします。
→FRENCH BLOOM NET http://www.frenchbloom.net/ ひつじフランス語教室 http://hitsujiji.ti-da.net/
→『日本人が知りたいフランス人の当たり前』 http://www.sanshusha.co.jp/np/details.do?goods_id=4315

「にわとり語学書クロニクル〈11〉」倉方健作
昨年度は、表紙連載で『ふらんす』90年の歴史を振り返ってくださった倉方健作さんが、本年度は101年目を迎える白水社のフランス語の語学書の歴史に切り込みます。今月のテーマは「単語集」。フランス語を読み、書き、話すにはどれくらいの単語が必要なのでしょうか。1929年刊行の『仏蘭西常用五千語』から『フラ語ボキャブラ』(2011)まで、その単語数や編集方針の変遷を振り返ります。

「【CD収録】文法力で突破 聞き取り・書き取り講座〈23〉」大塚陽子+ Christine ROBEIN-SATO
聞き取りや書き取りは、耳だけでなく文法力が左右します。紛らわしい語の識別に役立つ文法の「鍵」を毎号お届けします。今月は「tout(2)」。副詞と名詞のtoutを中心に見ていきます。原則、変化をしないはずの副詞toutが、touteになるケースは?

「【CD収録】Vin et Culture〈11〉」Corinne VALLIENNE + 丸山有美
絵画やオペラ、宗教、医学といったさまざまな文化に垣間見えるワインのイメージについて、作家であるCorinne VALLIENNE さんによる短いフランス語テキストを読んでいきます。ワインにまつわる名言や表現もご紹介します。今月は「ワインと医学①」。今月は、医療でのワインの活用に注目します。古代エジプトの考古学資料から読み取れる、生活のなかのワインと医療の関係をご紹介します。

「目で見る世界、言葉でつくる世界〈11〉」守田貴弘
この連載のテーマは意味。しかし日本語とフランス語の意味の違いなどではなく、日本語を通して考えることとフランス語を通して考えることは同じかという点について考えていきます。今月は「翻訳できないものは、ただ学ぶしかない」。うまく翻訳できないからといって、ある文を理解できないとはかぎりません。では、その言語特有の「感覚」のようなものを自分のものにするためにはどうすればよいのでしょうか?

「Le Nouveau Labo-traduction plus もっともっと!仏作文〈11〉」Chris BELOUAD
クリス先生の仏作文ラボ(研究所)連載が3年目に突入。日本人がおかしやすい間違いの解説コーナー、仏訳問題に取り組む「実践編」(解答例は翌月掲載)をご用意しました。微妙なニュアンスを大事にした仏作文のテクニックをものにしましょう! 今月は「良かった」。たずねた場所が「良かった」、亡くしものを見つけて「ああ、よかった」といった表現に挑戦します。

「仏検準2級対策 フランス語マスターへの一歩〈11〉」久保田剛史
昨年度の仏検3級対策に引きつづき、本年度も久保田剛史さんと仏検に挑戦します。初級フランス語を終え、いよいよ中級「フランス語マスター」への大いなる一歩を踏み出します。今月は「準2級レベルの総仕上げ(1)」。3級と準2級を隔てるのはなんといっても語彙数です。類義語や対義語を連鎖的に覚えてたり、また副詞や副詞句を押さえることで語彙力をいかに増やせるか、そのポイントを見ていきましょう。

「対訳で楽しむ アルフレッド・ジャリ『超男性』〈5〉」合田陽祐
ジャリの『超男性』を6回(半年)にわたり読んでいきます。澁澤龍彦の翻訳でもおなじみの、独特のユーモアに満ちたこの一風変わった小説を、合田陽祐さんの導きで味読していきましょう。今回読んでいくのは、『超男性』でもっとも謎めいたシーン。「営み」の後、蓄音機から聞こえる歌に魅せられるエレンとマルクイユの描写です。

「ことばのあそびばシャラード&パズル〈59〉」Marie-Emmanuelle 村松
偶数月は、Marie-Emmanuelle 村松さんによるフランス語の文章で表された複数のヒントから答えを見つけだすあそび「シャラード charade」、奇数月は、杉村裕史さんによる好評のクロスワード・パズルです。正解者には抽選でプレゼント(図書カード1000円分)を進呈。どしどしご応募ください。


【文化系記事】
「モンテーニュ『エセー』を読む〈11〉」宮下志朗
斬新でわかりやすいと大評判の新訳『エセー』(全7冊)が完結した訳者の宮下志朗さんが、古典の名著をたっぷり味わうコツを伝授。ツボを押さえればどこから読んでもよいという、肩の凝らない読書をお約束します。今月は「〈確かな線は引かない〉描き方(1)」。「直線であれ、曲線であれ、確かな線はいっさい引かないのが、わたしの流儀」と自ら語るモンテーニュの、その独特な思考の軌跡を辿ります。
『エセー』 →連載バックナンバー

「科学的想像力の時代 18世紀フランス自然科学小史〈11〉」中村英俊
理系・文系といった現代の知のあり方とは異なる「啓蒙Lumières」の18世紀に、自然科学がどのように実践されていたかを中村英俊さんが探ります。今月は「マケと近代化学」。ラヴォワジェと対立したことでも知られる、『化学事典』の著者ピエール・J. マケの視点から、急激な化学の転換期である1780年代をとらえ直します。

「レンメン・アイチ通信 no.11」今井達也
レンメンとはクレオール語で「愛する」。ハイチ(アイチ)在住の今井達也さんが、ゾンビやヴォドゥ(ヴードゥ)で知られるハイチの等身大の姿をレポートしてくれます。今月は「Zombies (1)」。ハイチと言えば、やはりゾンビ。狙った対象をゾンビ化する、不思議な粉の存在についてお届けします。

「パリ、いま注目のあの人この人〈8〉」山口昌子
ジャーナリストである山口昌子さんによる「パリ、政界に生きる女たち」「パリ、政界の気になる男たち」につづく話題の人物シリーズ第3弾! 政界にかぎらず、いま注目を集める人々を紹介します。今月は「〈第六共和政〉を提唱する最左翼の星、ジャン=リュック・メランション」。現在、著書がノンフィクション部門で売上げ第1位を独走中の左派政党の党首、大統領選候補の一人でもあるメランションを取り上げます。

「C’est vrai ?〈47〉/フランス語っぽい日々〈47〉」Karyn NISHIMURA-POUPÉE/じゃんぽ~る西
大人気連載4年目突入! 妻はジャーナリスト、夫は漫画家。目下子育て中のふたりが送る日仏夫婦コラボ連載。フランス語にまつわる小粋なコラムに「ふむふむ」、フランス語習得に悩む(?)日本人の心の叫びを描いた漫画に「あるある」と頷きたくなること請け合い! カリンさんのエッセイは「言語を替える、考え方が変わる」。「子どもっぽい」と見なされる状況が日仏では随分違うようです。対するじゃんぽ~るさんの漫画は、最近通い始めたフランス語教室でのエピソード。

「今月の原書レクチュール〈71〉」
福田桃子さん、鈴木和彦さん、笠間直穂子さん、新島進さんの4名が、毎月交代でフランス語で楽しむ読書の世界にみなさんを誘います。今月は笠間直穂子さんで「静謐な料理を夢みて」。ゴンクール賞受賞作家マリー・ンディアイの『ラ・シェフ、ある女料理人の物語 La Cheff, roman d'une cuisinière』を紹介します。

「詩(うた)と歌(うた)のあわいで〈11〉」小沼純一
うたは、音楽か、ことばか。「うた」と深くかかわった3人――ジャック・プレヴェール Jacques Prévert、ボリス・ヴィアン Boris Vian、セルジュ・ゲンスブール Serge Gainsbourg――を通して、小沼純一さんと考えていきます。今月は「ゲンズブールと女たち(の声)」。歌手・女優、アイドル……国籍も様々な女性たちに多くの楽曲を提供し、その声の特徴と楽曲を見事にフィットさせたゲンズブールの仕事を振り返ります。

「19世紀のオカルティストたち〈11〉」中村隆夫
19世紀フランスは万国博覧会の世紀。科学や技術がめまぐるしく発達したその背後では、オカルトがはびこった世紀でもありました。ユゴー、ネルヴァル、ユイスマンなど、オカルトに魅せられた人物たちを取り上げます。今月は「アンドロギュヌスの美学」。ペラダンの薔薇十字展の思想の根本にあった「両性具有」が象徴していたものとは、いったい何だったのでしょうか。

「パリ風俗事典〈155〉 右岸編(その21)」鹿島茂
カフェ、キャバレー、ミュージックホール、劇場など19世紀のパリを彩った文化を、われらが鹿島茂さんが網羅的に解説。ゾラ、バルザック、ユゴー、デュマ、スタンダールらの時代が生き生きと甦ります。今月は、シャン・ゼリゼ通りがまだ今のような繁華街になる前から存在していた「フーケ(ッツ)」を取り上げます。

「対訳シナリオ『パリ、恋人たちの影』」中条志穂
最新公開作品を日仏対訳のシナリオ抜粋とともに紹介する、中条志穂さんによる『ふらんす』名物コーナー。今月は、ヌーヴェル・ヴァーグの次世代を代表するフィリップ・ガレル監督の最新作『パリ、恋人たちの影』。ブニュエル作品を多数手がけたジャン=クロード・カリエールが脚本を担当し、モノクロームの美しい映像も印象的な秀作です! 1月21日(土)より、シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開中。
→公式HP : www.bitters.co.jp/koibito/


「アクチュアリテ Actualité」在仏執筆陣による情報記事
 「Classement 5x5」勝山絵深 書籍(フィクション、ノンフィクション)・映画・CD(アルバム、シングル)のベスト5を紹介
 「社会」仁木久惠 今月のテーマは「大気汚染」>立ち読みページ
 「映画」佐藤久理子 今月のテーマは「2016年のベスト」
 「アート&スペクタクル」岡田Victoria朋子 注目の展覧会や舞台を紹介します。
 「スポーツ」芦立一義 今月のテーマは「スポーツ大賞 2016」

「書評」 菅野賢治『フランス・ユダヤの歴史』 吉川一義
「書評」 工藤庸子『評伝 スタール夫人と近代ヨーロッパ』 古城毅
〈レポート〉「外国語学習から異文化学習へ フランス語教員たちが作るマーケット&交流企画」  間瀬幸江
〈レポート〉 映画『たかが世界の終わり』主演G.ウリエル来日

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