グラウンド・ゼロ 台湾第四原発事故

新刊

台北近郊の第四原発が原因不明のメルトダウンを起こした。生き残った第四原発のエンジニアの記憶の断片には次期総統候補者の影が…。

著者 伊 格言
倉本 知明
ジャンル 新刊
一般書 > 海外文学 > 小説
おすすめ
出版年月日 2017/05/02
ISBN 9784560095409
判型・ページ数 4-6・334ページ
定価 本体2,700円+税
在庫 在庫僅少

内容説明

「忍び寄る災厄、高まる圧力。
緊迫感に息がつまり、本を閉じたくても閉じられない。
いま、ここにあるディストピアを描く、戦慄の至近未来サスペンス。
〝あの日〟の記憶があまりにも生々しく甦る」――大森望氏

「台湾はアジアで唯一、原発にノーと言える国。
原発事故とともに浮かび上がる様々な人間的な問いを扱った
SFミステリー仕立ての力作」――多和田葉子氏

台湾発、戦慄の至近未来サスペンス!

福島第一原発事故後、台湾で第四原発の建設中止を求める運動が一気に高まったことを受け、著者は「現実への介入」を掲げて本書を書きあげた。原書は2013年に台湾で刊行され、呉濁流文学賞及び華文SF星雲長篇小説賞をダブル受賞するなど高く評価され、大きな話題となった。蔡英文政権は原発廃止を閣議決定し、現実世界の動きにもつながった。
2015年10月、台北近郊に建設された第四原発が突如原因不明のメルトダウンを起こした。台湾政府は北台湾地域を立入禁止区域に指定、台南への遷都を宣言する。生き残った第四原発のエンジニア・林群浩は、事故の影響で当時の記憶を一切失っていたが、あるきっかけから失われた記憶の中に原発事故の原因があると知る。そこには原発事故の際に決死隊を組織して一躍国民的英雄となった次期総統候補の姿があった――。
グラウンド・ゼロ(原発事故)以前と以後の時間が交錯しながら物語は進み、人と人、個人と組織との関係、そしてあらゆる価値観が大きく変化する中で、林群浩を取り巻く人物たちが様々な問いを投げかけ、原発事故の真相に迫っていく。事故の背景にある台湾社会の腐敗や硬直した官僚機構、原発をめぐる複雑な利権問題を迫真の筆致で描くが、その構造は日本にも当てはまる。
文明への幻想と人間社会の深い闇を抉り、福島第一原発事故を経験した日本に強烈なメッセージを訴えかける傑作長篇。

[著者略歴]
伊格言(エゴヤン)Egoyan Zheng
1977年台南生まれ。国立台湾大学心理学科、台北医学大学医学学科中退、淡江大学中国文学研究科修士。ペンネームの伊格言はアルメニア系カナダ人の映画監督アトム・エゴヤンから取ったもので、本名は鄭千慈。聯合文学小説新人賞や自由時報文学賞、林栄三文学賞など各種新人賞を受賞。2003年、短篇小説集『甕中人(大甕の住人)』がドイツのライプツィヒ、フランクフルト・ブックフェアの選書に選ばれ、新世代作家の一人として大きな注目を集めた。07年、マン・アジア文学賞(Man Asian Literary Prize)にノミネートされる。10年に長篇小説『噬夢人(夢を噛む者)』、11年に詩集『你是穿入我瞳孔的光(君は僕の瞳に射し込んだ光)』、13年に二冊目の短篇小説集『拜訪糖果阿姨(アメ玉おばちゃんをたずねて)』を刊行。また、同年刊行の長篇小説『零地點 GroundZero(グラウンド・ゼロ)』で呉濁流長篇小説賞及び華文SF星空長篇小説賞をダブル受賞するなど、台湾の国内外で高く評価されている。現在は国立台北芸術大学で講師を務めながら、文学評論などを含めた幅広い執筆活動を続けている。

[訳者略歴]
倉本知明(くらもと・ともあき)
1982年香川県生まれ。立命館大学大学院先端総合学術研究科修了、学術博士。台湾文藻外語大学助理教授。専門は比較文学。台湾・高雄在住。共著『戦後史再考――「歴史の裂け目」をとらえる』(平凡社、2014年)、訳書に蘇偉貞『沈黙の島』(あるむ、2016年)がある。

*略歴は刊行時のものです

2,700円+税

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