知のフィールドガイド 分断された時代を生きる

東京大学教養学部の人気公開講座を書籍化。20名超の最先端の講義から、いま必要な知の領域を考えるシリーズ。人文科学の内容を収録

著者 東京大学教養学部
ジャンル 一般書 >  哲学・思想
一般書 >  社会
出版年月日 2017/07/25
ISBN 9784560095645
判型・ページ数 4-6・270ページ
定価 2,420円(本体2,200円+税)
在庫 品切れ・重版未定

内容説明

東京大学教養学部の人気公開講座を書籍化
何を学ぶべきかを考えるためのガイドブック


東京大学教養学部の人気公開講座を書籍化。20名超の最先端の講義から、いま必要な知の領域を考えるシリーズ。人文科学の内容を収録。ミッキーマウスから「ダメ男」まで、毎回数百人が聴講する〈東大駒場〉を象徴する名講義がここに。

「教養」を意味するcultureという英語は「耕す」cultivateという動詞に由来する。したがって「フィールド」fieldという言葉も、「分野」「領域」である前に、まずは「畑」すなわち「耕すべき土地」という意味で解するべきだろう。〔……〕単にさまざまな「知」の配置を抽象的な見取り図として視覚的に把握するだけでなく、自分の足で複数のフィールドを歩き回り、畑ごとに異なる土の匂いを嗅ぎ、さらには指先で土に触れ、鍬を手にして実際に土地を耕してみることが必要なのだ。そうすることではじめて、「知識」という種子から「教養」という果実を実らせることが可能になるだろう。
——東京大学理事・副学長 石井洋二郎

人文知の可能性への道しるべ

流動性を増す現代。その課題に応えるはずの学問も複雑化し、なにを知るべきかを見定めることさえ難しい。いっぽう、「学問の社会還元」を合言葉にするかのように、とかく手早い成果が求められる。しかし、異質なもの、未知との遭遇は避けられないからこそ、長い目で事象をとらえる力が必要ではないか。
本書は、東京大学教養学部がこの問題意識に向き合うべく、高校生、社会人向けに開講する公開講座「金曜特別講座」を書籍化したもの。人文知や基礎研究に重きを置く教養学部。ときに過去の惨劇から反省し、ときにフィールドワークから他者に学ぶ。ニュートリノを探究し、いっぽうで医療や産業に研究を生かし生活に寄りそう。さまざまな時代や場所、日常から宇宙までを見つめる眼差しを、この講座は社会と共有してきた。いま必要な知がなにか、そのガイドとなるシリーズ二巻。
「分断された時代を生きる」は人文系の内容を収録。

[目次]

  「知識」から「教養」へ  石井洋二郎

Ⅰ さまざまな思考のかたち
 フィクションの冒険者たち――クルーソー、ガリヴァー、サルマナザール  武田将明
 アメリカ文学名場面集  吉国浩哉
 外国語の不思議・日本語の不思議  石井洋二郎
 哲学に触れる/感情に触れる――トマス・アクィナスを読みながら  山本芳久
 エスノグラフィーで現代中国を学ぶ  阿古智子
 南米ベネズエラの音楽と文化  石橋 純

Ⅱ 木から森を考える
 科学の興奮と詩の精密さ――ウラジーミル・ナボコフの文学  秋草俊一郎
 マクレーが未来に託す言葉――「フランダースの野に」を読み継ぐ試み  アルヴィ宮本なほ子
 ミッキーマウスのユートピア的身体――ドイツにおけるディズニー・アニメ受容  竹峰義和
 見ることの冒険――ジャコメッティの《終りなきパリ》をめぐって  小林康夫
 何を食べるか、食べないか――M・K・ガーンディーの模索  井坂理穂

Ⅲ 現代にこだまする歴史
 『万葉集』はこれまでどう読まれてきたか、これからどう読まれていくだろうか  品田悦一
 「愛すべき」論理と「信ずべき」倫理はどこに?――中国が哲学に出会ったとき  石井 剛
 「現代アート」の現代性について  桑田光平
 女と男と子どもの近代――啓蒙期フランスの変化から見る  長谷川まゆ帆
 ホメロスと叙事詩の伝統  日向太郎

Ⅳ 分断を乗り越えるために
 現代マスメディアの起源へ――戦間期〈婦人雑誌〉とは何か  前島志保
 戦後経済史のなかの原子力発電  定松 淳
 移民、人権、国境を考える――ヨーロッパからの視点  増田一夫

  あとがき  松田良一

定価2,420円
(本体2,200円+税)

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