ふらんす 2018年6月号

特集「生誕150年 ポール・クローデルと日本」

ジャンル 雑誌『ふらんす』
出版年月日 2018/05/22
判型・ページ数 A5・84ページ
定価 703円(本体639円+税)

内容説明

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■特集 生誕150年 ポール・クローデルと日本

彫刻家カミーユ・クローデルの弟にして、フランスを代表する詩人・劇作家……。駐日フランス大使として両国の絆を深めるのに尽力した、ポール・クローデルを特集します。   

「共同出生」を目指した詩人大使ポール・クローデル  中條忍

『ポール・クローデルの日本』を上梓されたばかりのクローデル研究者・中條忍さんに、「詩人」「劇作家」「外交官」というクローデルの3つの顔について、とりわけ駐日大使として日本に滞在した時期(1921~1927)を中心に論じていただきました。クローデルは、日本で何をどのように吸収し、また逆に何を残していったのでしょうか。

ポール・クローデル 生誕150年記念イベント  編集部

予定されている関連イベントをご紹介。詳細は、https://paulclaudel150.web.fc2.com

ポール・クローデルと日仏会館  三浦信孝

明治維新の年(1868)に生まれ、日仏文化・学術交流の拠点「日仏会館」を渋沢栄一とともに設立したクローデル。その功績と今日にまでの継承について、また戯曲『真昼に分かつ』の知られざる創作過程について、学生時代クローデルの舞台にも立ったことのある三浦信孝さんが論じます。


【表紙連載】
レオナール・フジタ〈小さな職人たち〉 《詩人》 今井敬子

2018年度の『ふらんす』の表紙は、レオナール・フジタ(藤田嗣治)の作品が飾ります。彼の晩年の連作〈小さな職人たち Petits Métiers〉のなかから毎月1点を、ポーラ美術館学芸員の今井敬子さんがご紹介くださいます。今月は《詩人poétesse》です。女性詩人アンヌ・ド・ノワイユや、ポール・クローデル、ジャン・コクトーなど、フジタと同時代の詩人たちとの接点をたどります。


【巻頭エッセイ】
フランスと私 『女と影』と中村福助  古井戸秀夫 

各界で活躍中の方々に、月替わりで「フランスと私」をテーマに個人的な体験や思いを自由につづっていただくエッセイ。 今月は、歌舞伎研究者の古井戸秀夫さんです。九代目中村福助さんとともに、ポール・クローデル原作の舞踏詩劇『女と影』を新たに構成・制作した思い出を語っていただきました。




【語学系記事】
ヨシとクニーのかっ飛ばし仏語放談〈27〉  福島祥行+國枝孝弘  (全レベル対象)

NHK講師としてもおなじみの、ヨシこと福島祥行さんとクニーこと國枝孝弘さんの、明快で痛快なフランス語放談もついに3年目に突入! 今月のテーマは「私たち、コレで仏語勉強しました」。いまや大学教授のヨシとクニーにも、もちろんフランス語初心者の時代がありました。二人はどんな学習参考書を使い、どんな勉強をしていたのでしょうか。

街角のフランス語を読んでみよう〈15〉  伊勢晃+谷口千賀子+ Benjamin Salagnon  (初級者対象)

看板やレストランのメニュー、商品のパッケージなど、街で目にするフランス語を読み解きながら、フランスの生活習慣や文化に触れていきます。今月は、パリの通りで見かける表示を見ていきましょう。



【CD 収録】J'aime la poésie ! le labo-phonétique appliqué〈3〉   Sublime   (初~上級者対象)

日本で長年シャンソンやオペラなどの発音指導を行なってきたフランス人歌手Sublimeさんと、毎月さまざまなフランスの名詩を朗読しながら、発音練習をします。今月は、プレイアード派の詩人デュ・ベレーの『愛惜詩集』の一節を読みます。発音の課題は「 ou / u / eu / œ / e (u / y / œ / ø / ə)」です。
→YouTubeのチャンネル「Sublime Chanson Salon」では、発音ラボの動画レッスンを公開しています(https://www.youtube.com/channel/UCWTpBleiibuxrlIVoRWGSyg



アプリでフランス語!〈3〉  久保田剛史  (全レベル対象)

もっと手軽にフランス語と接する機会を増やすには、スマートフォンやタブレットのフランス語学習アプリを利用してみるのはいかがでしょう。今月は「フランス語学習に最適のニュースアプリ」をご紹介します。 
久保田剛史・高橋信良著『徹底整理フランス語動詞のしくみ』

【CD 収録】フランス語でインタビューを聞いてみよう 〈15〉  Sophie Kubota (中~上級者対象)

日本とフランスの架け橋として活躍する4名のフランス人へのインタビューを通じて、ナチュラルスピードの会話の聞き取りに慣れていきましょう。今月も、先月に引きつづき、日本近現代文学の専門家で、日仏会館・フランス国立日本研究所所長の坂井セシルCécile Sakaiさんにお話をうかがいます。2018年は日仏交流にとって記念すべき年。どんな文化・学術活動が控えているのか教えていただきました。



仏検対策3級 3級はこわくない!〈3〉 林千宏  (初~中級者対象)

実用フランス語技能検定試験(仏検)の3級は、受験者がもっとも多い級。ここを突破できるかどうかは大きな分かれ目かもしれません。しかし、対策が万全であればけっして恐れる必要はありません! 本連載では仏検3級に合格するための学習ポイントや、実際の過去問などをご紹介します。今月のテーマは「仏検直前、なにをすべき?」



ジャニックの紫陽花通信〈3〉  Janick Magne  (中~上級者対象)

日本で39年生活した後、久しぶりにイル=ド=フランスにもどったジャニックさん。日々驚いたり、改めて自分の国を再発見したり、あるいは日本を懐かしんだり。そんなジャニックの紫陽花の庭から、毎月メールが届きます。今月のメールの「件名」は「電車の座席に土足を載せるなんて!」



Café-Traduction〈3〉  Chris Belouad  (中~上級者対象)

クリス先生の作文ラボが、趣向も新たに帰ってきました! 今年度は、ゼミ生4人を招いてのお茶会です。リラックスしてコーヒーでも飲みながら、作文についての質問・悩みなどを解決していきます。今月のテーマは「落ち着く」。「このカフェは落ち着く」を、フランス語にどう訳しますか?


ことばのあそびば シャラード&パズル〈75〉 Marie-Emmanuelle Muramatsu (初・中級者対象)

偶数月は、Marie-Emmanuelle 村松さんによるフランス語の文章で表された複数のヒントから答えを見つけだすあそび「シャラード charade」、奇数月は、杉村裕史さんによる好評のクロスワード・パズルです。正解者には抽選でプレゼント(図書カード1000円分)を進呈。どしどしご応募ください。



対訳で楽しむ ジョエル・ポムラ『赤ずきんちゃん』〈3〉  高橋信良  (中~上級者対象)

フランス演劇界の第一線で活躍する劇作家兼演出家ジョエル・ポムラの戯曲『赤ずきんちゃん』を6回にわたり読んでいきます。『赤ずきんちゃん』といえば、シャルル・ペローやグリム兄弟の作品が有名ですが、その他にも数多くのヴァージョンが存在します。その一つであるポムラ版は、赤ずきんをどのように描いたのでしょうか。今月は「影がいるから怖くない」 
久保田剛史・高橋信良著『徹底整理フランス語動詞のしくみ』



C’est vrai ?〈63〉/フランス語っぽい日々〈63〉」Karyn Nishimura-Poupée/じゃんぽ~る西  (全レベル対象)

大人気連載5年目突入! 妻はジャーナリスト、夫は漫画家。目下子育て中のふたりが送る日仏夫婦コラボ連載。フランス語にまつわる小粋なコラムに「ふむふむ」、フランス語習得に悩む(?)日本人の心の叫びを描いた漫画に「あるある」と頷きたくなること請け合い! 今月のコラムと漫画は、フランス映画の「カルト」な台詞! 心に残る、名台詞の数々をご紹介します。





【文化系記事】

考える人のための事典・辞書〈3〉   平尾浩一

インターネット検索の時代において、百科事典と辞書の存在意義はどこにあるのでしょう? 国際的な議論の的となっているこの問題に多角的に切り込んでいきます。今月のテーマは「索引から事典を読む」



メルロ=ポンティを読む〈3〉   加賀野井秀一

『メルロ=ポンティ哲学者事典』(全3巻+別巻)の監訳者であり、『メルロ=ポンティ 触発する思想』の著者でもある加賀野井秀一さんが、類い稀なる「触発力」を持つメルロ=ポンティの思想の魅力に迫ります。今月のテーマは「「知覚」への投錨と「地の上の図」」。メルロ=ポンティは、なぜ「知覚」をここまで主題化したのか。その裏にあるベルクソンの影響などをみていきます。

Le Monde diplomatique で世界を読む〈15〉  ル・モンド・ディプロマティーク日本語版編集部

世界の諸問題について考察・発信する独立メディア、パリ発の月刊紙Le Monde diplomatiqueの記事から、毎月選りすぐりの1本を抄訳でお届けします。今月の記事はクレール・ルクーヴル(ジャーナリスト)による「なぜ有機農作物(ビオ)を食べるのか?」(2018年3月号)。この記事の全訳は、ル・モンド・ディプロマティーク日本語・電子版(www.diplo.jp/)に掲載されています。



マグリブ中毒者たちの告白 モロッコに魅せられて〈3〉   山崎春美&渡邊未帆

「マグリブ」と「マグレブ」の違いはなんでしょう? 伝説のパンクバンドのヴォーカリスト春美さんと大学で音楽学を講ずる未帆さんが、モロッコに魅せられたミュージシャンや作家に魅せられ、また自らもモロッコに魅せられながら、縦横無尽に語りあいます。今月は「「アラブの笛」はどこで鳴るのか」。モロッコでサッカー観戦をしようとした二人は……?



今月の原書レクチュール〈87〉   笠間直穂子

福田桃子さん、鈴木和彦さん、笠間直穂子さん、新島進さんの4名が、毎月交代でフランス語で楽しむ読書の世界に誘います。今月は笠間直穂子さんで「スイス・ロマンドの12か月」。フランス語圏スイス作家12名を紹介したアンソロジーをとりあげます。 
→ Lectures conseillées(「推薦図書」LʼAire, 2002) http://www.editions-aire.ch/details.php?id=1598

ぐるりマレショー物語〈3〉  倉方健作

パリの街をぐるりと囲むブルヴァール・デ・マレショーBoulevards des Maréchauxは、異なる名のついた19の大通りの総称です。それらの通りに名を残したmaréchalたち、つまり元帥たちは、いかなる人物なのでしょう。フランスで語り継がれる、あるいは知られざる、彼らの物語をたどっていきます。今月は「ジャック・マクドナルド」。ナポレオン治世の末期、凋落の一途をたどる皇帝に対しても、部下としての態度を最後まで崩さなかったほぼ唯一の元帥、その人物像に迫ります。


パリ風俗事典〈171〉 右岸編(その37)  鹿島茂

カフェ、キャバレー、ミュージックホール、劇場など19世紀のパリを彩った文化を、われらが鹿島茂さんが網羅的に解説。ゾラ、バルザック、ユゴー、デュマ、スタンダールらの時代が生き生きと甦ります。大革命時代の誕生した、意表を突く建築物「バン・シノワ Les Bains Chinois」と、第二帝政期にその跡地に作られた「カフェ・エルデール Le Café Helder」をとりあげます。


対訳シナリオ『告白小説、その結末』(監督:ロマン・ポランスキー)  中条志穂

最新公開作品を日仏対訳のシナリオ抜粋とともに紹介する、中条志穂さんによる『ふらんす』名物コーナー。今月は、サスペンス映画の鬼才ロマン・ポランスキー監督が、デルフィーヌ・ド・ヴィガンのベストセラー小説をもとに、人気女性作家と熱狂的なファンの危険な関係をミステリアスに描いた話題作。 2018年6月23日(土)よりヒューマントラストシネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次公開 
→[公式HP]http://www.kokuhaku-shosetsu.jp

Actualité アクチュアリテ 在仏執筆陣による情報記事

 POLITIQUE 政治  山口昌子 今月のテーマは「存在感示すエドゥアール・フィリップ首相」

 FAITS DIVERS 社会  仁木久惠 今月のテーマは「フランス国鉄SNCFのスト」

 CINÉMA 映画  佐藤久理子 今月のテーマは「春の話題作あれこれ」

 ART&SPECTACLE アート&スペクタクル  岡田Victoria朋子 今月のテーマは「フジタ展、「ジャポニスム・印象派」展、テレビドラマと美術」

 SCÈNE CULINAIRE 食  関口涼子 今月のテーマは「パリの和食事情」

 SPORTS スポーツ  芦立一義 今月のテーマは「ツール2018の展望」



 *時事通信社ウェブサイト「時事ドットコム」に「アクチュアリテ」記事を配信しています。

  http://www.jiji.com/jc/v2?id=2017franceactu




書評 永見瑞木『コンドルセと〈光〉の世紀』 隠岐さや香
書評 中條忍『ポール・クローデルの日本』 朝比奈誼



でたらめ解釈 おかしな歌詞  KAN「愛は勝つ」  豊﨑由美 



[往復書簡]拝啓 平松洋子様  友川カズキ


「さえら」

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