ふらんす 2018年8月号

特集「21世紀のジャポニスム」

ジャンル 雑誌『ふらんす』
出版年月日 2018/07/22
判型・ページ数 A5・84ページ
定価 703円(本体639円+税)

内容説明

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■特集  21世紀のジャポニスム Japonismes au 21e siècle

かつて、日本の浮世絵は印象派の画家たちに多大な衝撃と影響を与え、ヨーロッパに〈ジャポニスム〉という一大ブームを巻き起こしました。21世紀の現在、また新たな波がきています。 

ジャポニスム2018とは?   編集部

ジャポニズム? それとも、ジャポニスム? そもそも « Japonisme » という語は、印象派に対する浮世絵などの、19世紀後半における西洋美術への日本の影響を示すことばとしてフランスで誕生しました。その後、21世紀に至って、いまどのような「ジャポニスム」が起こっているのでしょうか。今年の7月からおよそ8か月間に渡ってパリを中心に開催される、今世紀最大の日本文化と芸術の祭典「ジャポニスム2018」の内容とともに紹介します。

Japonismes 2018 公式企画一覧

展覧会、舞台公演、映像、生活文化の4つの柱で展開する50以上のプログラム   
→「ジャポニスム2018公式サイト」https://japonismes.org/ 

日本をテーマにした多種多様な展覧会  岡田Victoria朋子  

在仏執筆陣がおくる雑誌『ふらんす』のアクチュアリテ。その「アート&スペクタクル」担当の岡田Victoria朋子さんが、「ジャポニスム2018」の展覧会企画の見どころを紹介してくれます。

ヌーヴェル・ヌーヴェルヴァーグから独立系日本映画の新世代へ  Dimitri Ianni   

北野武、黒沢清、是枝裕和、河瀬直美……世界で名を知られるこれらの日本映画監督に続く、今注目の新世代の映画作家たちとは? 日本映画の批評・上映プログラムなどを手がけるディミトリ・イアンニ氏が寄稿してくださいました。

フランスにおける日本の食文化  関口涼子

在仏執筆陣がおくる、雑誌『ふらんす』のアクチュアリテ。その「食」担当の関口涼子さんが、フランス料理と日本酒のコラボなど、今パリを中心に起きている様々な食のトレンドをご紹介くださいます。


【表紙連載】
レオナール・フジタ〈小さな職人たち〉 《たばこ屋》 今井敬子

2018年度の『ふらんす』の表紙は、レオナール・フジタ(藤田嗣治)の作品が飾ります。彼の晩年の連作〈小さな職人たち Petits Métiers〉のなかから毎月1点を、ポーラ美術館学芸員の今井敬子さんがご紹介くださいます。今月は《たばこ屋 tabac》です。キセルのように煙道が長いクレイ・タバコを粋に咥えた少女の姿は、さしずめフジタによる美人画といったところでしょうか。愛煙家フジタが郷愁も込めて描いた佳品です。


【巻頭エッセイ】
フランスと私 記念写真  堀江栞 

各界で活躍中の方々に、月替わりで「フランスと私」をテーマに個人的な体験や思いを自由につづっていただくエッセイ。 今月は、日本画家の堀江栞さんです。『ジュール・ヴェルヌ〈驚異の旅〉コレクション』(全5巻)などの装画を手がける堀江さんは、あのテロ事件から間もないパリで1年間の海外研修を経験されました。その時の印象深い思い出をつづってくださいました。 
→堀江栞公式サイト:https://www.shiorihorie.com/




【語学系記事】

ヨシとクニーのかっ飛ばし仏語放談〈29〉  福島祥行+國枝孝弘  (全レベル対象)

NHK講師としてもおなじみの、ヨシこと福島祥行さんとクニーこと國枝孝弘さんの、明快で痛快なフランス語放談もついに3年目に突入! 今月のテーマは「高畑勲とフランス」。『火垂るの墓』『アルプスの少女ハイジ』など、日本が誇るアニメーション監督、高畑勲氏。フランス文学に造詣が深いことでも知られていました。氏が遺された、数々の偉大な仕事を振り返ります。



アプリでフランス語!〈5〉Appliquez-vous avec les applis !  久保田剛史  (全レベル対象)

もっと手軽にフランス語と接する機会を増やすには、スマートフォンやタブレットのフランス語学習アプリを利用してみるのはいかがでしょう。今月は「フランスの時事・文化に触れるアプリ」をご紹介します。 
久保田剛史・高橋信良著『徹底整理フランス語動詞のしくみ』

街角のフランス語を読んでみよう〈5〉  伊勢晃+谷口千賀子+ Benjamin Salagnon  (初級者対象)

看板やレストランのメニュー、商品のパッケージなど、街で目にするフランス語を読み解きながら、フランスの生活習慣や文化に触れていきます。今月は、パリの通りで見かける「これはなに?」と気になる様々な物体に掲げられた表示を見ていきます。



【CD 収録】J'aime la poésie ! le labo-phonétique appliqué〈5〉   Sublime   (初~上級者対象)

日本で長年シャンソンやオペラなどの発音指導を行なってきたフランス人歌手Sublimeさんと、毎月さまざまなフランスの名詩を朗読しながら、発音練習をします。今月は、アルチュール・ランボーの『母音』を読みます。発音の課題は、4~7月号で練習した母音の総まとめです。
→YouTubeのチャンネル「Sublime Chanson Salon」では、発音ラボの動画レッスンを公開しています(https://www.youtube.com/channel/UCWTpBleiibuxrlIVoRWGSyg)


【CD 収録】フランス語でインタビューを聞いてみよう 〈17〉  Sophie Kubota (中~上級者対象)

日本とフランスの架け橋として活躍する4名のフランス人へのインタビューを通じて、ナチュラルスピードの会話の聞き取りに慣れていきましょう。前回につづいて、今月も落語パフォーマーのシリル・コピーニCyril Coppiniさんにお話をうかがいます。今回は、アンスティチュ・フランセ日本でのお仕事や、翻訳家・落語パフォーマーとしての活動についてお聞きしました。



仏検3級対策 3級はこわくない!〈5〉  林千宏  (初~中級者対象)

実用フランス語技能検定試験(仏検)の3級は、受験者がもっとも多い級。ここを突破できるかどうかは大きな分かれ目かもしれません。しかし、対策が万全であればけっして恐れる必要はありません! 本連載では仏検3級に合格するための学習ポイントや、実際の過去問などをご紹介します。今月のテーマは「前置詞、どんなふうに勉強すればいい?」



ジャニックの紫陽花通信〈5〉  Janick Magne  (中~上級者対象)

日本で39年生活した後、久しぶりにイル=ド=フランスにもどったジャニックさん。日々驚いたり、改めて自分の国を再発見したり、あるいは日本を懐かしんだり。そんな「ジャニックの紫陽花の庭」から、毎月メールが届きます。今月のメールの「件名」は「連帯しましょう!」



Café-Traduction〈5〉  Chris Belouad  (中~上級者対象)

クリス先生の作文ラボが、趣向も新たに帰ってきました! 今年度は、ゼミ生4人を招いてのお茶会です。リラックスしてコーヒーでも飲みながら、作文についての質問・悩みなどを解決していきます。今月のテーマは「なつかしい」。クリス先生によれば「なつかしい飲みもの!」をCʼest une boisson nostalgique ! とするのは△だそうです。さて、なぜでしょう。
クリス・べルアド著『フランス語作文ラボ』



ことばのあそびば シャラード&パズル〈77〉 Marie-Emmanuelle Muramatsu (初・中級者対象)

偶数月は、Marie-Emmanuelle Muramatsuさんによるフランス語の文章で表された複数のヒントから答えを見つけだすあそび「シャラード charade」、奇数月は、杉村裕史さんによる好評のクロスワード・パズルです。正解者には抽選でプレゼント(図書カード1000円分)を進呈。どしどしご応募ください。



対訳で楽しむ ジョエル・ポムラ『赤ずきんちゃん』〈5〉  高橋信良  (中~上級者対象)

フランス演劇界の第一線で活躍する劇作家兼演出家ジョエル・ポムラの戯曲『赤ずきんちゃん』を6回にわたり読んでいきます。『赤ずきんちゃん』といえば、シャルル・ペローやグリム兄弟の作品が有名ですが、その他にも数多くのヴァージョンが存在します。その一つであるポムラ版は、赤ずきんをどのように描いたのでしょうか。今月は「おばあちゃんは変な声」 
久保田剛史・高橋信良著『徹底整理フランス語動詞のしくみ』



C’est vrai ?〈65〉/フランス語っぽい日々〈65〉」Karyn Nishimura-Poupée/じゃんぽ~る西  (全レベル対象)

大人気連載5年目突入! 妻はジャーナリスト、夫は漫画家。目下子育て中のふたりが送る日仏夫婦コラボ連載。フランス語にまつわる小粋なコラムに「ふむふむ」、フランス語習得に悩む(?)日本人の心の叫びを描いた漫画に「あるある」と頷きたくなること請け合い! 今月のコラムと漫画は、「…イスムの例外、ジャポニスム」。フランスの日本ブームに詳しいお二人による痛快なページ!





【文化系記事】

考える人のための事典・辞書〈5〉   平尾浩一

インターネット検索の時代において、百科事典と辞書の存在意義はどこにあるのでしょう? 国際的な議論の的となっているこの問題に多角的に切り込んでいきます。今月のテーマは「詩人たちの事典・辞書改革」。事典ではイギリスのコールリッジやフランスのフェーヴル、また辞典ではフランスのリトレやドイツのグリムなどに言及します。



メルロ=ポンティを読む〈5〉   加賀野井秀一

『メルロ=ポンティ哲学者事典』(全3巻+別巻)の監訳者であり、『メルロ=ポンティ 触発する思想』の著者でもある加賀野井秀一さんが、類い稀なる「触発力」を持つメルロ=ポンティの思想の魅力に迫ります。今月のテーマは「「神の盲目」と「アリストテレスの錯覚」」。世界の成立には、知覚する私の限定された「身体」という座が根拠となる、というお話。

Le Monde diplomatique で世界を読む〈17〉  ル・モンド・ディプロマティーク日本語版編集部

世界の諸問題について考察・発信する独立メディア、パリ発の月刊紙Le Monde diplomatiqueの記事から、毎月選りすぐりの1本を抄訳でお届けします。今月の記事はアンナ・ファイゲンバウム(研究者、ボーンマス大学)による「催涙ガス、そして流された金の泪」(2018年5月号)。この記事の全訳は、ル・モンド・ディプロマティーク日本語・電子版(www.diplo.jp/)に掲載されています。



マグリブ中毒者たちの告白 モロッコに魅せられて〈5〉   山崎春美&渡邊未帆

「マグリブ」と「マグレブ」の違いはなんでしょう? 伝説のパンクバンドのヴォーカリスト春美さんと大学で音楽学を講ずる未帆さんが、モロッコに魅せられたミュージシャンや作家に魅せられ、また自らもモロッコに魅せられながら、縦横無尽に語りあいます。今月は「青天の「壁」靂」。モロッコとユダヤ人について。



今月の原書レクチュール〈89〉   福田桃子

福田桃子さん、鈴木和彦さん、笠間直穂子さん、新島進さんの4名が、毎月交代でフランス語で楽しむ読書の世界に誘います。今月は福田桃子さんで「夏の匂い」。スイスのジュネーヴの出版社から刊行された、ロラン・ビュティの小説をとりあげます。 
→Le Milieu de l’horizon (「地平線の半ば」ZOE, 2013)
 http://www.editionszoe.ch/livre/le-milieu-de-l-horizon


ぐるりマレショー物語〈5〉  倉方健作

パリの街をぐるりと囲むブールヴァール・デ・マレショーBoulevards des Maréchauxは、異なる名のついた19の大通りの総称です。それらの通りに名を残したmaréchalたち、つまり元帥たちは、いかなる人物なのでしょう。フランスで語り継がれる、あるいは知られざる、彼らの物語をたどっていきます。今月は「エドゥアール・モルティエ」。ナポレオンより首ひとつ大きかった、長身の元帥。かの武勇ネーにも匹敵する活躍をしたかもしれなかった、誠実で闊達な優等生タイプの元帥の生涯を辿ります。



パリ風俗事典〈173〉 右岸編(その39)  鹿島茂

カフェ、キャバレー、ミュージックホール、劇場など19世紀のパリを彩った文化を、われらが鹿島茂さんが網羅的に解説。ゾラ、バルザック、ユゴー、デュマ、スタンダールらの時代が生き生きと甦ります。今月は「カフェ・フォワ Le Café Foy」「シェ・ビニョン Chez Bignon」。デルヴォー 、ゴンクール兄弟、ロッシーニらに愛された、ルイ・ビニョンの店をとりあげます。

対訳シナリオ『グッバイ・ゴダール!』(監督:ミシェル・アザナヴィシウス)  中条志穂

最新公開作品を日仏対訳のシナリオ抜粋とともに紹介する、中条志穂さんによる『ふらんす』名物コーナー。今月は、女優であり作家であり、巨匠ジャン=リュック・ゴダールの2番目の妻だったアンヌ・ヴィアゼムスキーが、ゴダールとの生活を綴った自伝的小説『それからの彼女 Un an aprés』を映画化した話題作。舞台は『中国女』撮影直後、五月革命のパリです。 2018年7月13日(金)より新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座ほか全国順次公開中 
→[公式HP]http://gaga.ne.jp/goodby-g/

Actualité アクチュアリテ 在仏執筆陣による情報記事

 POLITIQUE 政治  山口昌子 今月のテーマは「パリの地下鉄名になったシモーヌ・ヴェイユ」

 FAITS DIVERS 社会  仁木久惠 今月のテーマは「日仏文化交流の今」

 CINÉMA 映画  佐藤久理子 今月のテーマは「普遍的なテーマである、親と子の絆」

 ART&SPECTACLE アート&スペクタクル  岡田Victoria朋子 今月のテーマは「《マンガカフェ》初演、「競馬を描く」展」

 SCÈNE CULINAIRE 食  関口涼子 今月のテーマは「音楽祭にもガストロノミを!」

 SPORTS スポーツ  芦立一義 今月のテーマは「フランスのサーフィン環境」



 *時事通信社ウェブサイト「時事ドットコム」に「アクチュアリテ」記事を配信しています。

  http://www.jiji.com/jc/v2?id=2017franceactu




書評 ヴィアゼムスキー『それからの彼女』 小沼純一
書評 サルトル『敗走と捕虜のサルトル』 澤田直



パリジェンヌと行く東京の居酒屋 浅草 まずは雷門周辺  坂崎重盛 



[往復書簡]拝啓 友川カズキ様  平松洋子 



[劇評]静岡(SPAC)でクローデル『繻子の靴』を観て  根岸徹郎

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