ふらんす 2019年2月号

特集「マルグリット・デュラス 声とイメージ」

ジャンル 雑誌『ふらんす』
出版年月日 2019/01/22
判型・ページ数 A5・80ページ
定価 703円(本体639円+税)

内容説明

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■特集:マルグリット・デュラス 声とイメージ 

アラン・レネ監督『ヒロシマ・モナムール』(Hiroshima, mon amour、邦題『二十四時間の情事』)の脚本を担当し、以後、自らもメガフォンをとるようになったマルグリット・デュラス。自身の作品も頻繁に映画化される作家・映像作家デュラスを特集します。

デュラスをめぐる濃密なひと月  関 未玲

デュラスの創作活動における映画とは何なのか? デュラス研究者の関未玲さんが、文学と映画のあいだで試行錯誤を重ねた作家の軌跡を辿るとともに、このところ日本で相次いだ国際シンポジウムで交わされた議論はどのようなものだったのか、デュラス最前線をご紹介します。

デュラス・フィルモグラフィ

映画と小説を、密接に、また並行して手がけたデュラス。自身が監督した作品、脚本を手がけた作品、また彼女の作品を原作とした他の監督による主な作品のリストをお届けします。

かくも素晴らしきシネマ ドゥルーズがデュラスとみつめる広い場所  たけだはるか

『シネマ』の著者ドゥルーズに添いながら、デュラスの映画作品におけるイメージの特徴について、たけだはるかさんが考えます。

真摯さと親密さ、デュラスとゴダール   福島 勲

『ディアローグ デュラス/ゴダール全対話』の訳者である福島勲さんが、「敵同士の姉弟」と称し合う二人の偉大な表現者の親和性について綴ります。
マルグリット・デュラス×ジャン=リュック・ゴダール『ディアローグ デュラス/ゴダール全対話』(読書人)

対訳シナリオ『あなたはまだ帰ってこない』(監督:エマニュエル・フィンケル)  中条志穂

最新公開作品を日仏対訳のシナリオ抜粋とともに紹介する、中条志穂さんによる『ふらんす』名物コーナー。今月は、マルグリット・デュラスの自伝的小説『苦悩』を映画化した『あなたはまだ帰ってこない』。愛する夫を待ち続ける焦燥や苦悩、そして戦争や時のうつろいによって変容する愛の残酷さを観る者につきつける話題作。 2019年2月22日(金)より、Bunkamura ル・シネマほか全国順次公開 
→[公式HP]http://hark3.com/anatawamada/


【表紙連載】
レオナール・フジタ〈小さな職人たち〉 《修道士》 今井敬子

2018年度の『ふらんす』の表紙は、レオナール・フジタ(藤田嗣治)の作品が飾ります。彼の晩年の連作〈小さな職人たち Petits Métiers〉のなかから毎月1点を、ポーラ美術館学芸員の今井敬子さんがご紹介くださいます。今月は《修道士 religieux》です。晩年フランスに帰化し、キリスト教徒となったフジタ。彼にとっての信仰とは、どのようなものだったのでしょうか。


【巻頭エッセイ】
フランスと私 天沢退二郎とロブ=グリエ  滝本誠   

各界で活躍中の方々に、月替わりで「フランスと私」をテーマに個人的な体験や思いを自由につづっていただくエッセイ。 今月は、美術・映画・ミステリの評論を手がける鬼才・滝本誠さんです。詩人としても知られる天沢退二郎氏からフランス語を習ったという滝本さんが、今年没後10年となるロブ=グリエに寄せる想いとは。


【語学系記事】
ヨシとクニーのかっ飛ばし仏語放談〈35〉  福島祥行+國枝孝弘  (全レベル対象)

NHK講師としてもおなじみの、ヨシこと福島祥行さんとクニーこと國枝孝弘さんの、明快で痛快なフランス語放談もついに3年目に突入! 今月のテーマは「極私的オススメブックガイド2018」。2018年に刊行された数々の本のなかで、ヨシとクニーがとくに注目するのは?



Vie de mots 言葉は人生だ!〈5〉  Cyril Coppini  (全レベル対象)

フランス人落語パフォーマーのシリル・コピーニさんが、日本の伝統芸能である落語の世界をご紹介くださいます。今月は「落語のはじまり その②」。江戸落語と上方落語のちがいについてご紹介します 
→シリル・コピーニ公式サイト www.cyco-o.com

街角のフランス語を読んでみよう〈23〉  伊勢晃+谷口千賀子+ Benjamin Salagnon  (初級者対象)

看板やレストランのメニュー、商品のパッケージなど、街で目にするフランス語を読み解きながら、フランスの生活習慣や文化に触れていきます。今月は、フランスの公共図書館や大学、またその周辺でみかける様々な表示を読んでいきます。

【CD 収録】J'aime la poésie ! le labo-phonétique appliqué〈11〉   Sublime   (初~上級者対象)

日本で長年シャンソンやオペラなどの発音指導を行なってきたフランス人歌手Sublimeさんと、毎月さまざまなフランスの名詩を朗読しながら、発音練習をします。今月は、ジュール・シュペルヴィエルの「時間の馬たち」の一節を読みます。発音の課題は韻律(リズムや抑揚)です。
→YouTubeのチャンネル「Sublime Chanson Salon」では、発音ラボの動画レッスンを公開しています(https://www.youtube.com/channel/UCWTpBleiibuxrlIVoRWGSyg



【CD 収録】フランス語でインタビューを聞いてみよう 〈23〉  Sophie Kubota (中~上級者対象)

日本とフランスの架け橋として活躍する4名のフランス人へのインタビューを通じて、ナチュラルスピードの会話の聞き取りに慣れていきましょう。今月も在日フランス大使館フランス語担当官のマクサンス・ロバンMaxence Robinさんにお話をうかがいます。フランス語・フランコフォニー担当官としてのお仕事の内容をお聞きしました。



仏検3級対策 3級はこわくない!〈11〉 林千宏  (初~中級者対象)

実用フランス語技能検定試験(仏検)の3級は、受験者がもっとも多い級。ここを突破できるかどうかは大きな分かれ目かもしれません。しかし、対策が万全であればけっして恐れる必要はありません! 本連載では仏検3級に合格するための学習ポイントや、実際の過去問などをご紹介します。今月のテーマは「準2級から考える3級対策 聞き取り問題・二次試験篇」。一つ上の級をのぞいてみることで、3級でどこまで求められているのかが明確に見えてきます。

ジャニックの紫陽花通信〈11〉  Janick Magne  (中~上級者対象)

日本で39年生活した後、久しぶりにイル=ド=フランスにもどったジャニックさん。日々驚いたり、改めて自分の国を再発見したり、あるいは日本を懐かしんだり。そんな「ジャニックの紫陽花」の庭から、毎月メールが届きます。今月のメールの「件名」は「パリ郊外のわが町を訪れた日本の文化使節」。パリに遊びに来た、かつての教え子ノブコさん。彼女の滞在がもたらしてくれたこととは・・・



Café-Traduction〈11〉  Chris Belouad  (中~上級者対象)

クリス先生の作文ラボが、趣向も新たに帰ってきました! 今年度は、ゼミ生4人を招いてのお茶会です。リラックスしてコーヒーでも飲みながら、作文についての質問・悩みなどを解決していきます。今月のテーマは「ざんねん」。「残念ながら来週のイベントは中止になった」「ざんねんないきもの辞典」をあなたならどう訳しますか?

ことばのあそびば シャラード&パズル〈83〉 Marie-Emmanuelle Muramatsu (初・中級者対象)

偶数月は、Marie-Emmanuelle 村松さんによるフランス語の文章で表された複数のヒントから答えを見つけだすあそび「シャラード charade」、奇数月は、杉村裕史さんによる好評のクロスワード・パズルです。正解者には抽選でプレゼント(図書カード1000円分)を進呈。どしどしご応募ください。



対訳で楽しむ モーパッサンの短編〈5〉  足立和彦  (中~上級者対象)

短編の名手といえば、ギ・ド・モーパッサン。6回にわたって、モーパッサンの作品を味読していきます。今月は、ちょっぴりセンチメンタルな作品「クロシェット」の前半です。「オールド・ミス(老嬢)」と呼ばれていた、ある女性の生涯を切り取った一編です。



C’est vrai ?〈71〉/フランス語っぽい日々〈71〉」Karyn Nishimura-Poupée/じゃんぽ~る西  (全レベル対象)

大人気連載5年目突入! 妻はジャーナリスト、夫は漫画家。目下子育て中のふたりが送る日仏夫婦コラボ連載。フランス語にまつわる小粋なコラムに「ふむふむ」、フランス語習得に悩む(?)日本人の心の叫びを描いた漫画に「あるある」と頷きたくなること請け合い! 今月のコラムと漫画は、「反抗者たちの呼び名」。いま、「黄色いベスト」運動がフランスじゅうを騒がせていますが、ここ数年、さまざまな抗議行動を実行した集団には、どのような名前がつけられてきたのでしょうか。





【文化系記事】
京都ノスタルジア ほんやら洞・八文字屋の人々〈5〉  写真・文:甲斐扶佐義

学者、詩人、作家、ミュージシャン……様々な人々が交錯する伝説の喫茶店「ほんやら洞」(2015年焼失)と京都木屋町のバー「八文字屋」。その店主であり、写真家である甲斐扶佐義氏の写真と文で浮かび上がる「もうひとつの京都」。 
→甲斐扶佐義ホームページ http://kaifusayoshi.website

メルロ=ポンティを読む〈11〉   加賀野井秀一

『メルロ=ポンティ哲学者事典』(全3巻+別巻)の監訳者であり、『メルロ=ポンティ 触発する思想』の著者でもある加賀野井秀一さんが、類い稀なる「触発力」を持つメルロ=ポンティの思想の魅力に迫ります。今月のテーマは「偏倚を示す哲学者のスタイル」。モーツァルトの音楽を形容した「駆け抜ける悲しみ」、ドゥルーズがアルトーから流用した「器官なき身体」……こうしたカギとなる表現をとおして、哲学者のスタイルについて考えます。

Le Monde diplomatique で世界を読む〈23〉  ル・モンド・ディプロマティーク日本語版編集部

世界の諸問題について考察・発信する独立メディア、パリ発の月刊紙Le Monde diplomatiqueの記事から、毎月選りすぐりの1本を抄訳でお届けします。今月の記事はマティルド・ハレル(歴史学教授資格取得者、パリ=サクレー高等師範学校)による「“ジュジュ” の犠牲となったナイジェリア人少女たち」(2018年11月号)。この記事の全訳は、ル・モンド・ディプロマティーク日本語・電子版(www.diplo.jp/)に掲載されています。



マグリブ中毒者たちの告白 モロッコに魅せられて〈11〉   山崎春美&渡邊未帆

「マグリブ」と「マグレブ」の違いはなんでしょう? 伝説のパンクバンドのヴォーカリスト春美さんと大学で音楽学を講ずる未帆さんが、モロッコに魅せられたミュージシャンや作家に魅せられ、また自らもモロッコに魅せられながら、縦横無尽に語りあいます。今月は「マグリブからの目覚め」。モロッコの「魔物」からデヴィッド・ボウイまで。



今月の原書レクチュール〈95〉   笠間直穂子

福田桃子さん、鈴木和彦さん、笠間直穂子さん、新島進さんの4名が、毎月交代でフランス語で楽しむ読書の世界に誘います。今月は笠間直穂子さんで「人影を書き留める」。ドイツ語圏スイスの詩人クラウス・メルツをとりあげます。独仏対訳 Hart am Wind / Tout près du vent(「風の間近に」Éditions dʼen bas, 2018), Der Argentinierの仏訳L’Argentin(Édition dʼen bas, 2013) 

ぐるりマレショー物語〈11〉  倉方健作

パリの街をぐるりと囲むブルヴァール・デ・マレショーBoulevards des Maréchauxは、異なる名のついた19の大通りの総称です。それらの通りに名を残したmaréchalたち、つまり元帥たちは、いかなる人物なのでしょう。フランスで語り継がれる、あるいは知られざる、彼らの物語をたどっていきます。今月は「ジャン=バティスト・ジュルダンJean-Baptiste Jourdan」。革命期からの活躍でその名を馳せながら、ナポレオンから警戒され冷遇された元帥ジュルダンをとりあげます。



パリ風俗事典〈179〉 右岸編(その45)  鹿島茂

カフェ、キャバレー、ミュージックホール、劇場など19世紀のパリを彩った文化を、われらが鹿島茂さんが網羅的に解説。ゾラ、バルザック、ユゴー、デュマ、スタンダールらの時代が生き生きと甦ります。今月は「メゾン・ドレ」「カフェ・アングレ」と肩を並べ、超一流店としてイタリアン大通りに君臨した「カフェ・リッシュ Le Café Riche」をとりあげます。



Actualité アクチュアリテ 在仏執筆陣による情報記事

 POLITIQUE 政治  山口昌子 今月のテーマは「移民大国にみる入管法(移民法)の変遷」

 FAITS DIVERS 社会  仁木久惠 今月のテーマは「黄色いベスト、デモから暴動へ」

 CINÉMA 映画  佐藤久理子 今月のテーマは「重いギャスパーか、軽妙なルイか」

 ART&SPECTACLE アート&スペクタクル  岡田Victoria朋子 今月のテーマは「竹籠の醍醐味展/国家の頂点に立った犬」

 SCÈNE CULINAIRE 食  関口涼子 今月のテーマは「激化するヴィーガニズム」

 SPORTS スポーツ  芦立一義 今月のテーマは「仏サッカー、黄色いベストの影響」



 *時事通信社ウェブサイト「時事ドットコム」に「アクチュアリテ」記事を配信しています。

  http://www.jiji.com/jc/v2?id=2017franceactu





書評 ヴェルヌ『カルパチアの城/ヴィルヘルム・シュトーリッツの秘密』  牧眞司
書評 西迫大祐『感染症と法の社会史』  小倉孝誠

パリジェンヌと行く東京の居酒屋 西荻窪 ジェンヌの“街通” に驚愕!   坂崎重盛
[往復書簡]拝啓 平松洋子様  友川カズキ

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