内容説明
時代を超えて心に響く「人生の知恵」
古典的名著『エセー』の真髄をこの一冊で
仕事、名声、外見、友情、結婚、国家、病気、老いについて……人間のすべての問いに対し深い思索を重ねた『エセー』のエッセンス。
デカルト、パスカル、ニーチェなど、後世の思想家たちに影響を与えた、フランス・ルネサンス期の思索と経験の書『エセー』。随筆という意味での「エッセイ」の出発点であり、数々の名句が散りばめられた知識人の教養書としても知られる。
いつかは挑戦してみたい古典の名著ではあっても、その分量(全3巻107章、白水社版で全7冊、2000ページ超!)に尻込みしてしまう読者も多いだろう。でも心配ご無用。
『エセー』を気軽に味わうための格好の案内図となるのが本書である。「仕事について」「名声について」「結婚について」「夫婦について」「快楽について」「老いについて」……テーマごとに印象深い名言が厳選されており、テーマを眺めるだけでもモンテーニュの関心が身近で日常的な、我々人間にとって普遍的・根源的な問いであることがよくわかる。『エセー』に正しい読み方などない。どこからでも気になったところを好きなように読んで構わないのだ。宮下志朗氏による新訳の軽妙さにも、親しみが増すこと間違いナシ。「名言篇」に続く巻末の「要約篇」では、『エセー』全章の内容がコンパクトにまとめられており便利。1日1名言で、『エセー』があなたの「人生の書」となるだろう。
[目次]
第一部 名言篇
1 世間と私
自己について
他人について
社交について
仕事について
名声について
外見について
話し合いについて
意見について
2 男と女
女性について
友情について
恋愛について
結婚について
夫婦について
不倫について
セックスについて
美貌について
3 心とからだ
精神について
理性について
感覚について
勇気について
怒りについて
欲望について
快楽について
飲酒について
睡眠について
4 生と死
人生について
金銭について
不幸について
病気について
医学について
老いについて
死について
自殺について
5 学識と知恵
学問について
教育について
知識について
学説について
無知について
判断について
6 善と悪
悪徳について
良心について
われわれの欠点について
残酷さについて
戦争について
うそについて
真実について
7 野蛮と文明
法律について
習慣について
旅について
国家について
改革について
為政者について
刑罰について
8 人間と動物
人間の多様性について
人間の思い上がりについて
動物たちの優越性について
動物たちの意思疎通について
動物たちの知能について
動物たちの善良さについて
動物愛護について
9 神と宗教
神について
宗教について
祈りについて
狂信について
宗教戦争について
運命について
予言について
超常現象について
10 読者と作品
書物について
詩について
歴史について
ことばについて
モンテーニュについて
『エセー』について
第二部 要約篇
第一巻
第二巻
第三巻
[編者略歴]
久保田剛史(くぼた・たけし)
青山学院大学文学部教授
主要著書
Montaigne lecteur de la Cité de Dieu d’Augustin
『キリスト教と寛容 中近世の日本とヨーロッパ』(共著)
主要訳書
アラン・ヴィアラ『作家の誕生』(共訳)
ロランス・ドヴィレール『思想家たちの100の名言』
[訳者略歴]
宮下志朗(みやした・しろう)
放送大学・東京大学名誉教授
主要著書
『本の都市リヨン』『書物史への扉』『モンテーニュ』
主要訳書
モンテーニュ『エセー』(全7冊)
ラブレー『ガルガンチュアとパンタグリュエル』(全五巻)
『フランス・ルネサンス文学集』(全三巻)
*略歴は刊行時のものです