内容説明
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■特集:モンテーニュ『エセー』の読み方
滋味深い名言に溢れた古典の名著『エセー』。一見敷居が高そうなこの大部の本を、もっと気軽に「わが人生の書」にできる「読み方」をご紹介いたします。
名言から学ぶモンテーニュの知恵 久保田剛史
「こんな本を待っていた!」ときっと誰もが感じるであろう新刊が出ました。題して『モンテーニュの言葉 人生を豊かにする365の名言』。「モンテーニュの思想のエッセンスを凝縮したガイドブック」として編まれた本書は、長大な『エセー』をいいとこどりした一冊です。この本の編者である久保田さんが、実際に収められている名言のいくつかを、解説を加えてご紹介くださいます。
「読む薬」をもっと気軽に手にとるには 宮下志朗
『エセー』の新訳をてがけた宮下志朗さんはおっしゃいますーー「『エセー』読む薬だ」。しかし、その全体はとにかく長く、「古典として読み継がれてきたとはいっても、実際には途中で挫折する人が多い」「諦める読者が多いのは、由々しき事態」と。そこで、宮下さんが『エセー』を知り尽くしているからこその使用法・攻略法を教えてくださいました。
いつもポケットにモンテーニュ 原文で味わう『エセー』の名言 編集部
「もしも無知を治したいのならば、無知を告白する必要がある」……実際にモンテーニュの名言をいくつか原文とともに読んでいきましょう。16世紀のフランス語なので少し読みにくい部分もありますが、あなたの「座右の銘」になるかもしれない味わい深いモンテーニュの言葉は、ぜひ原文で覚えて(書き留めて)おきたいですよね。
→『エセー』(1~7)モンテーニュ著、宮下志朗訳、白水社
→『モンテーニュの言葉 人生を豊かにする365の名言』久保田剛史編、宮下志朗訳、白水社
→『モンテーニュ 人生を旅するための7章』宮下志朗著、岩波書店
→『寝るまえ5 分のモンテーニュ『エセー』入門』A.コンパニョン著、山上浩嗣・宮下志朗訳、白水社
【表紙連載】
今月の表紙 フランスの美しい村〈Ainhoa アイノア〉 粟野真理子
2019年度の『ふらんす』の表紙は、「フランスの最も美しい村 Les Plus Beaux Villages de France」が飾ります。現在認定されている158の村の中から、フランス在住20年以上のジャーナリスト粟野真理子さんが選りすぐりの村をご紹介くださいます。フランスの南西部からスペインの北部にまたがるバスク地方。その豊かな食文化もあって近年ますます人気が高まっています。今月は、フランス側のバスクにある山間の村〈Ainhoa アイノア〉をとりあげます。
→粟野真理子『パリから一泊! フランスの美しい村』(集英社)
【巻頭エッセイ】
フランスと私〈フランス映画から学んだこと〉 加藤正人(脚本家)
各界で活躍中の方々に、月替わりで「フランスと私」をテーマに個人的な体験や思いを自由につづっていただくエッセイ。 今月は、白石和彌監督・香取慎吾主演の話題作『凪待ち』の脚本を手がけられ、自身で小説もお書きになった脚本家の加藤正人さんです。映画青年だった加藤さんにフランス映画がもたらしたものとは……。
【語学系記事】
ヨシとクニーのかっ飛ばし仏語放談〈42〉 福島祥行+國枝孝弘(全レベル対象)
NHK講師としてもおなじみの、ヨシこと福島祥行さんとクニーこと國枝孝弘さんの、明快で痛快なフランス語放談もついに4年目に突入! 今月のテーマは「16 世紀の擁護と顕揚」。ロンサールやデュ・ベレーなどのプレイアッド派、またモンテーニュなど、16世紀におけるフランス語についての放談です。いまにつながるフランス語の出発点について考えます。
レ・ロマネスクTOBIのジュ・ヌ・パルル・パ・フランセ〈6〉 レ・ロマネスクTOBI (超入門~)
音楽ユニット「レ・ロマネスク」のメインボーカルTOBIさんが、フランスでサバイバルするなかで身につけた「通じるフランス語」を伝授! 今月は、「ジュ・ヌ・パル゙ル・パ・フラ゙ンセ」。さて、その心は?
→『レ・ロマネスクTOBI のひどい目』(青幻舎) ほぼ日刊イトイ新聞 書籍紹介ページ
Les Chroniques de Nami 波美の日記〈épisode 6〉 Julie Blanchin Fujita (初~中級者対象)
日本在住のイラストレーター、ジュリさんが、娘のNamiさんの目線で見た世界をイラストと日仏2か国語で綴ります。第6話は〈Road trip 2 クルマの旅2〉
→Julie Blanchin Fujitaさん公式サイト www.julieblanchin.com
仏検4級対策 らくらく初級マスター講座〈6〉 林千宏 (初級者対象)
フランス語の勉強を始めたら、まずひとつの目標にしたいのが、仏検4級です。本連載では実用フランス語技能検定試験(仏検)4級に合格するための学習ポイントや、実際の過去問などをご紹介します。今月は「ヴァーチャル・フランス生活を始めよう! ─聞き取り問題について」。聞き取り問題でよく出題されるのは、フランスの生活で日常的に使われる表現がほとんどです。では、日本にいながらこれらの表現に慣れるには?
ことばのあそびば シャラード&パズル〈90〉 杉村裕史 (初~中級者対象)
偶数月は、Marie-Emmanuelle Muramatsuさんによるフランス語の文章で表された複数のヒントから答えを見つけだすあそび「シャラード charade」、奇数月は、杉村裕史さんによる好評のクロスワード・パズルです。正解者には抽選でプレゼント(図書カード1000円分)を進呈。どしどしご応募ください。
【音声収録】Grands Chefs〈6〉 Corinne Vallienne (中~上級者対象)
1年にわたり、現代フランス料理界の「偉大なるシェフたち」をとりあげていきます。今月は、ミシュランで史上最多の星を獲得したジョエル・ロブション Joël Robuchonです。(収録音声はこちらから)。
【音声収録】インタビュー@カフェ・フランコフォン 〈6〉 明石伸子 (中~上級者対象)
フランス語話者たちがあつまる都内の某カフェ。ここでフランコフォンの方々にさまざまなお話を伺います。インタビューを通じて、ナチュラルスピードの会話の聞き取りに慣れていきましょう。今月は、カメルーン出身のセルジュ・エドンゴさんの最終回です。セルジュさんにとって、「フランコフォニー」とは何を意味するでしょう。(収録音声はこちらから)。
ジャニックの紫陽花通信〈18〉 Janick Magne (中~上級者対象)
日本で39年生活した後、久しぶりにイル=ド=フランスにもどったジャニックさん。日々驚いたり、改めて自分の国を再発見したり、あるいは日本を懐かしんだり。そんな「ジャニックの紫陽花」の庭から、毎月メールが届きます。今月のメールの「件名」は「運動会。みんな元気いっぱい!」。ジャニックさんが日本の運動会への思いをつづります。
帰ってきた!ダジャ単シル・ヴ・プレ〈6〉 フランス語ダジャ単編集委員会 (全レベル対象)
ジャン=クロード小林、セルジュ齋藤、セバスチャン杉村、そしてベルトラン山田……日々、フランス語のダジャレの鍛錬を重ねる4人が満を持しておくるダジャ単5連発! twitterの公式アカウント(@dajadaja13 #dajadaja)からは、めくるめくダジャ単ワールドにあなたも参加できます!
→『ダジャ単シル・ヴ・プレ』(駿河台出版社)
ふつごぽん~フランス語の豆知識~〈6〉 福井寧 (初~上級者対象)
「ふつごぽん」の名に見覚えのある方は多いのではないでしょうか。twitterで話題のフランス語トリビアの宝庫「ふつごぽん~フランス語の豆知識~」が、本誌「ふらんす」に登場! フランス語の達人も(ネイティブも!)知らないような、フランス語の蘊蓄がたっぷり味わえます。
→「ふつごぽん~フランス語の豆知識~」公式アカウント@futsugopon
対訳で楽しむ ラミュの短編〈最終回〉 笠間直穂子 (中~上級者対象)
スイス・ロマンド(フランス語圏スイス)を代表する作家、シャルル・フェルディナン・ラミュの短篇小説3編を、笠間直穂子さんの導きで6回にわたって味読していきます。話し言葉を取り入れた独自の文体は、フランス文学に親しんだ目にも新鮮に映ることでしょう。今月は、短編「森での一幕」の後半です。
→笠間直穂子訳『パストラル ラミュ短篇選』(東宣出版)
C’est vrai ?〈78〉/フランス語っぽい日々〈78〉」Karyn Nishimura-Poupée/じゃんぽ~る西 (全レベル対象)
大人気連載5年目突入! 妻はジャーナリスト、夫は漫画家。目下子育て中のふたりが送る日仏夫婦コラボ連載。フランス語にまつわる小粋なコラムに「ふむふむ」、フランス語習得に悩む(?)日本人の心の叫びを描いた漫画に「あるある」と頷きたくなること請け合い! 今月のタイトルは、「日本では考えられないこと」……フランスに一時帰国した一家。日本の係員の態度にすっかり慣れてしまったカリンさんは、フランスの空港、駅、美術館などに衝撃を受けます。
【文化系記事】
フランス語、中等教育の現場から〈6〉 編集部
大学以前に、日本ではどのような環境でフランス語が学ばれているのでしょうか。今月は、先月取り上げた「フランス語フェスティバル」にも出場した、暁星高等学校でフランス語を第一外国語で選択した大学生2名に、フランス語に触れた10代について話を聞いてみました。
コートジボワール便り グローバルヘルスの現場から〈6〉 池田憲昭
独立行政法人国際協力機構(JICA)専門家として現在コートジボワールに赴任中の池田憲昭さんは、これまでも西アフリカ諸国で保健専門家としてお仕事をされてきました。格差社会における人々の健康の公平性と開発支援の倫理について、現地からレポートしていただきます。今月は「「死ぬ病院」から「生きる病院」へ」
今月の原書レクチュール〈102〉 鈴木和彦
福田桃子さん、鈴木和彦さん、笠間直穂子さん、新島進さんの4名が、毎月交代でフランス語で楽しむ読書の世界に誘います。今月は鈴木和彦さんで「雲の話をしよう」です。広島出身で幼少期に被爆体験をもつ世界的デザイナー三宅一生をモデルとした小説、Stéphane Audeguy のLa Théorie des nuages(「雲の理論」Gallimard, 2005)をとりあげます。
ぐるりマレショー物語〈18〉 倉方健作
パリの街をぐるりと囲むブルヴァール・デ・マレショーBoulevards des Maréchauxは、異なる名のついた19の大通りの総称です。それらの通りに名を残したmaréchalたち、つまり元帥たちは、いかなる人物なのでしょう。フランスで語り継がれる、あるいは知られざる、彼らの物語をたどっていきます。今月は「ジャン・ランヌ」。皇帝ナポレオン自身が指揮をとりながらもオーストリア軍に敗れた「エスリンクの戦い」。この戦いで、帝国元帥最初の戦死者となったジャン・ランヌをとりあげます。
パリ風俗事典〈186〉 右岸編(その52) 鹿島茂
カフェ、キャバレー、ミュージックホール、劇場など19世紀のパリを彩った文化を、われらが鹿島茂さんが網羅的に解説。ゾラ、バルザック、ユゴー、デュマ、スタンダールらの時代が生き生きと甦ります。今月は、イタリア風庭園と遊興施設を組み合わせた一大プレジャー・ガーデン「フラスカッティ Frascati」をとりあげます。
対訳シナリオ 『今さら言えない小さな秘密』(監督:ピエール・ゴドー) 中条志穂
最新公開作品を日仏対訳のシナリオ抜粋とともに紹介する、中条志穂さんによる『ふらんす』名物コーナー。今月は、『プチ・ニコラ』でおなじみの、フランスの国民的イラスト画家ジャン=ジャック・サンペの隠れた名作を、南仏プロヴァンスを舞台に詩情豊かに実写映画化した作品。誰にも言えない〈秘密〉を抱えた心優しい自転車修理工が、それを隠し通すために巻き起こす大騒動!笑いと涙の人生讃歌。2019年9月14日(土)よりシネスイッチ銀座ほか全国順次公開
→[公式HP]http://www.cetera.co.jp/imasaraienai/
→ジャン=ジャック・サンペ作/絵、荻野アンナ訳『今さら言えない小さな秘密』ファベル刊
Actualité アクチュアリテ 在仏執筆陣による情報記事
POLITIQUE 政治 山口昌子 今月のテーマは「EUの新人事は「フランコフォン」の勝利」
FAITS DIVERS 社会 仁木久惠 今月のテーマは「猛暑と干ばつ」
CINÉMA 映画 佐藤久理子 今月のテーマは「音楽業界の闘う女性を追う」
ART&SPECTACLE アート&スペクタクル 岡田Victoria朋子 今月のテーマは「ベルト・モリゾ回顧展」
SCÈNE CULINAIRE 食 関口涼子 今月のテーマは「パリで急増中のルーフトップバー」
SPORTS スポーツ 芦立一義 今月のテーマは「スポーツにおける二重国籍」
*時事通信社ウェブサイト「時事ドットコム」に「アクチュアリテ」記事を配信しています。
http://www.jiji.com/jc/v2?id=2017franceactu
書評 『加藤周一青春ノート 1937-1942』 三浦信孝
書評 ギメ『明治日本散策 東京・日光』 池内紀
トヨザキ社長の「映画/原作(?/ 100)」 〈3〉『つぐない』 豊﨑由美
[往復書簡]拝啓 友川カズキ様 平松洋子
京都ノスタルジア ほんやら洞・八文字屋の人々〈12〉 写真・文:甲斐扶佐義
学者、詩人、作家、ミュージシャン……様々な人々が交錯する伝説の喫茶店「ほんやら洞」(2015年焼失)と京都木屋町のバー「八文字屋」。その店主であり、写真家である甲斐扶佐義氏の写真と文で浮かび上がる「もうひとつの京都」。
→甲斐扶佐義ホームページ http://kaifusayoshi.website
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