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オスネ・セイエルスタッド著/青木 玲 訳
チェチェン 廃墟に生きる戦争孤児たち


税込価格 2940円 (本体価格2800円)
ISBN 978-4-560-08023-8

潜入取材を重ねたジャーナリストによる渾身のルポ
ジャンル 国際情勢
体裁 四六判 上製 426頁
刊行年月 2009-09
内容 徹底した破壊の後の瓦礫の下に広がる「忘れられた地獄」。そこに生きる人々の声を丹念に拾い、理不尽な戦争に巻き込まれながら言論弾圧と人権無視の恐るべき実態を生々しく描いた戦慄のルポルタージュ。

本書はロシアの現政権に刃を突きつけていくことだろう。チェチェンにおける汚い戦争を遂行したプーチンとその後継者であるメドヴェージェフにとって、ロシアがチェチェンに対して行ってきた「真実」が明らかになることは政権安定のうえで大きな脅威となる。(「解説」より)

潜入取材による渾身のルポ
 派手な戦闘が影を潜めたいま、チェチェンをめぐる報道は、日本ではほとんど目にしなくなった。しかしそれは、かの地に真の平和が訪れたことを意味するものではない。
 本書は、第一次チェチェン戦争(1994~96年)を取材したのち、第二次チェチェン戦争後の2006年に再び現地入りしたノルウェー人ジャーナリストによるルポである。チェチェン戦争とは何だったのか、チェチェンでいま何が起きているのかを知る、恰好の書だ。
 首都グローズヌイで戦争孤児養護施設を運営する夫妻(08年、リトアニアで逮捕され、のちに懲役刑)と孤児たちのエピソードを軸に、著者自身のきわどい取材体験も交えながら、けっして修復されることのない人々の心理を浮き彫りにしていく。
 テロリストの家族として迫害される一家、不当逮捕や誘拐の恐怖に怯える若者、ソ連時代の強制移住から生き延びて帰ってきた人々、貧困から逃れるため志願した軍隊で虐待されるロシア青年など、さまざまな立場の人を取材し、彼らの心の奥に刻印された死と暴力と裏切りを、容赦なく読者に突きつける。
 また、親ロシア派大統領ラムザン・カディロフへの単独インタビューでは、それまでの見聞と大統領の言葉を対置することで、現体制の欺瞞が明らかとなる。
 言論弾圧と人権無視の実態を生々しく描く衝撃の書。[解説]廣瀬陽子(静岡県立大学国際関係学部准教授)

プロフィール: オスネ・セイエルスタッド Åsne Seierstad
1970年生まれ。オスロ大学(ノルウェー)でロシア語、スペイン語、哲学史を学ぶ。特派員として、1990年代のロシア、中国を取材し、1998~2000年にはノルウェーのテレビ局を通じてコソヴォ紛争を報じた。2001年秋、アフガニスタンに渡って、北欧の有力紙に戦場ルポを送り、2003年春にはバグダッドでイラク戦争を報道。その功績が認められ、EMMA(民族多文化メディア賞)など数多くの賞を受賞した。世界的ベストセラーとなった『カブールの本屋』(邦訳はイースト・プレス刊、2005年)のほか、『バグダッド101日』(同、2007年)などの著書がある。
プロフィール: 訳者:青木玲(あおき はるみ)
翻訳家、ライター。1957年生まれ。東京大学医学部保健学科卒業。著書『競走馬の文化史』(筑摩書房)で1995年度ミズノスポーツライター賞を受賞。訳書に『ユダヤ人を救った動物園』『ニュース・ジャンキー』(亜紀書房)などがある。
*データは刊行時のものです

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