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エマニュエル・ボーヴ著/渋谷 豊 訳
のけ者


税込価格 2625円 (本体価格2500円)
ISBN 978-4-560-08067-2

ダメ男小説作家ボーヴの本領発揮!
ジャンル 文学/海外小説
体裁 四六判 上製 316頁
刊行年月 2010-05
内容 花の都パリの真ん中で、身を寄せ合いながら借金まみれの生活を送るニコラと母ルイーズ。疎外感・劣等感・被害妄想……現代人の心の暗部をとびきりの抒情で詠いあげた、ボーヴの傑作小説。

エマニュエル・ボーヴ「僕の1番大切な作品」
ポール・レオトー「これは読まないほうが良い本だ」
ペーター・ハントケ「私にはこんな本は書けません[…]こんなに暗くて、しかもこんなに正確な物語を書くということは信じがたい神秘です」
マックス・ジャコブ「偉大な本、そう、まさに画期的な本です[…]私はニコラに自分自身を見出しました。彼は私の青春そのものです」

ニコラ23歳、無職、宿ナシ
 かつては「深窓の令嬢」でありながら、どこの馬の骨とも知らぬ移民の若者と駆け落ちし、長年消息を絶っていたルイーズ・アフタリオンは、ある日、夫の忘れ形見ニコラを連れ、姉を頼ってパリに舞い戻る。だが、姉夫婦の冷たい仕打ちに耐えかね、親子はホテル暮らしを決意。やがてその宿代も滞納し、徐々に宿泊先のランクを下げていく。
 金の工面の担当は息子のニコラ、方法はもっぱら無心。親類や友人、また行きずりの誰かから金を借りては、踏み倒していく。決して悪気はないのだが、「貧乏貴族」アフタリオン親子は、ついつい調子に乗って、分もわきまえず、すぐに浪費してしまうのだ。
 追い詰められたニコラは、ようやく郊外の工場に働き口を見つけるが、厳しい規律や表層的な人間関係に疲れ、たった二週間で突然の出社拒否。とうとう母親も精神のバランスを崩し、借金の当ても遂になくなり、親子は破滅へと向かっていく─―。
 一見、救いのない凄惨な話にも思えるが、かのベケットから「心に沁みる細部のセンス」と称えられたボーヴの筆は、〈どん底〉の中にも、驚くべき詩情や安らぎ、可笑しみを描き出す。疎外感・劣等感・被害妄想……現代人の心の暗部をとびきりの抒情で詠いあげた、ボーヴの傑作小説。

プロフィール: エマニュエル・ボーヴ Emmanuel Bove[1898-1945]
1898年に、パリの貧しい移民の家庭に生まれる。コレットに見いだされ、1924年に『ぼくのともだち』でデビュー。この作品と本書『のけ者』二作により、1928年にはフィギエール賞を受賞した。ユーモアとペーソスを交えて描いた、都会で孤立する不器用な人物像が、多くの読者の共感を呼び、一躍人気作家となる。代表作は他にHenri Duchemin et ses ombres(アンリ・デュシュマンとその影たち)、Le Pressentiment(予感)、Le Piège(罠)など。1945年病没。いかなるイデオロギーとも無縁なその作品は、戦後、アンガージュマン(政治・社会参加)文学の隆盛の陰に隠れ、次第に忘れられていったが、1970年代後半に輝かしい復権を果たした。今日では複数の言語に翻訳され、世界中で広く読まれている。
プロフィール: 訳者:渋谷豊(しぶや ゆたか)
1968年生まれ。早稲田大学第一文学部フランス文学専修卒。パリ第四大学文学博士。信州大学人文学部准教授。専門は、フランス現代文学、比較文学。訳書:エマニュエル・ボーヴ『ぼくのともだち』『きみのいもうと』(ともに白水社、この二作で第13回日仏翻訳文学賞受賞)、フランソワ・ヴェイエルガンス『母の家で過ごした三日間』(白水社)
*データは刊行時のものです

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