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連載・エッセイ

2004年2月 ―2005.02.01

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2月1日(日)
 昨日のしわ寄せで苦吟。何十年生きていても学習しない自分の馬鹿ばか莫迦。

2月2日(月)
 苦吟。なのに頭が勝手に国木田独歩→くにきだどっぽ→にくぽっきだど→きどだぽっくに→……とアナグラムを延々こしらえて止まらない。

2月3日(火)
 夕、駅近の古書店にてサド『ジェローム神父』、荷風『夢の女』、『イメージ辞典』。

2月4日(水)
 去年のうちに依頼されて余裕をぶちかましていた某仕事、急に尻火となりてヘルなのに『ジェローム神父』、それから枝を玉門に突っこんでやったり、枝で乳房をひっかいてやったりした末に、最後には、若い男の死体を切り裂いて、そこから心臓を抜き取り、この心臓で娘の顔を汚してやったりしている場合ではなく締切りは明日。

2月5日(木)
 「君、死に給え」というフレーズ。
 「また廓(くるわ)」という誤変換。

2月8日(日)
 新百合。父が「どーも君」を実在の動物だと信じていた件。妹の会社では上司の誘いを断れずに飲み屋に連行されることを「ドナドナ」と言う件。等々。

2月9日(月)
 腰にサロンパス、肩に直貼。

2月10日(火)
 夢の中で老人Xが素敵な俳句を詠んでくれたのに、起きたらもう忘れてしまっている。

2月12日(木)
 朝、きついお灸をすえられる。
 午後、S社S貝さんと新宿中村屋カレー。仕事の話なのについつい猫の話になってしまう。仕事の話に戻すが、ついついまた猫の話になってしまう。

2月13日(金)
 新宿駅のホームに立っていたら、80歳ぐらいの老人2人組が「いや、まだキスもしてないし手も握ってねえんだけどさ」と言いながら前を通りすぎる。

2月14日(土)
 外廊下に使用済み使い捨てカイロが落ちており、「やあね、誰かしら?」と眉をひそめて通りすぎるが、あとで考えたらむろん自分だ。

2月18日(水)
 「地雷を踏んだらこんにちは」というフレーズ。
 愛用の英英辞書には〝England〟の項目がない。15へぇ。

2月19日(木)
 大学の4年間を振り返って確実に言えること、「睡眠学習に効果は認められない」。

2月20日(金)
 オイルヒーターの上に置いておいた紅茶入りマグカップの殴打および転落、内容物の書籍および書類への飛散、雑巾による清掃、濡れた書籍および書類の移動および乾燥、偶然発掘された重要書類の熟読、精神的ダメージによる放心、回復にともなう突然の空腹とそれに続く遅めの昼食、やさぐれの音楽鑑賞、に計3時間を費やし日が暮れる。

2月21日(土)
 「トリュフチョコ」を生まれてこのかたずっと「トリュフ入りチョコ」だと思っていた人に真実を告げない。

2月22日(日)
 久しぶりにテレビ試聴。あれご覧よS社のE木さんがウクレレを弾いているよ、と思ったら「ぴろき」という人だった。

2月23日(月)
 駅前ミッション、駐車場に車→文具店で本を入れる封筒→サイズわからず本を取りに駐車場→文具店で封筒→郵便局で宛て名書いて本入れて投函→銀行で金をおろす→ブロンズ色に輝くジャージ上下の文豪とすれちがう→郵便局で金振り込む、を30分以内に済ますことは無理だった。

2月24日(火)
 午、A座上さんと六本木で昼食。A座上さんによる「松嶋菜々子とジャミラは似ている」説、等々。
 別れて表参道、歩くうちに激しい睡魔に襲われ歩きながら眠りそうになったので直近のオープンカフェに緊急避難、テーブルに両肘をつき鼻の前で手を組む碇ゲンドウのポーズで爆睡。
 帰宅後朝まで12時間ぶっ続けで眠る。

U1087 気になる部分
U1087 気になる部分

岸本佐知子著
税込価格966円 (本体価格920円)

 眠れぬ夜の「ひとり尻取り」、満員電車のキテレツさんたち、屈辱の幼稚園時代──ヘンでせつない日常を強烈なユーモアで綴る、名翻訳家の衝撃のエッセイ集。ボーナストラック収録。

連載・エッセイ
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温又柔「失われた『母国語』を求めて」
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今尾恵介「日本を定点観測する」
- 第14回 仙台南隣の宿場町は「副都心」へ ─ 長町 [2011.11.25]

村田奈々子「ギリシアの風」
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