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連載・エッセイ

第2回:ロシア語 ―2006.02.09

ロシア語学習法
黒田龍之助

 ロシア語はふつうの言語です。学習するとき、他の外国語と違ってとくに気をつけなければならないことは何もありません。まず音を学び、それからその音を組み合わせた語を学び、さらに語を組み合わせた文の作り方を学んでいきます。それ以上でも以下でもないのです。

 しかしです。これで終わってしまってはあまりに不親切です。真理は分かっても具体的にどうやっていいか、見当もつきません。そこでもう少し補足しましょう。

 まず文字です。もしすばらしい記憶力の持ち主で、しかも学習の目的が会話だけというのなら、文字なしで音からだけ学ぶという方法もあります。はっきりいって教科書もノートもいりません。とはいえ、これでうまくいく人は非常に限られています。やっぱり教科書は手に入れましょう。これは出版社のホームページであることを思い出してください。

 文字となると、ロシア語はちょっと問題があります。ロシア語で使う文字は英語などのようなラテン文字ではなく、また中国語のような漢字でもありません。キリル文字といって、多くの日本人にあまりなじみがないものです。そこで教科書を使って学習するためには、まずこれを克服しなければなりません。

 でもよく考えてみれば、これだってたいしたことはないのです。ラテン文字でも漢字でもない文字を使っている言語は、いくらでもあります。韓国・朝鮮語もアラビア語もタイ語も、みんな独自の文字を持っています。ロシア語だけが難しいわけではありません。

 しかしここでロシア語独自の問題点が浮かび上がってきます。ロシア語の文字は部分的にラテン文字に似ています。AとかKとかMとかTといった文字が使われます。でもIとかNとかRとかSはありません。もちろん見たことのない文字もあります。さらに面倒なことに、見たことはあるけれど音が違う文字があります。PECTOPAHと書いて「レストラン」なのです。こういう混乱はハングルやアラビア文字ではないでしょうね。

ロシア語のかたち:表紙
 だからといって文字から逃げるわけにはいきません。ローマ字やカタカナでロシア語を覚えてもダメです。まずは文字と音の関係を勉強しましょう。『ロシア語のかたち』という参考書もあります。

 この先は他の外国語と同じです。ガンバって勉強してください。

 そうだ、まだ違いがありました。一生懸命にロシア語を勉強していると、周りから「ロシア語って難しいんだよ」という余計な情報が入ってきます。よく知らない人ほどそういいます。こちらにとっては営業妨害ですが、今のところ取り締まる法律がありません。

 どの外国語も難しいものです。やさしい言語なんてありません。ただ日本人にとって、ロシア語は最初のほうに覚えなければならないことが集中しているようです。なかなか全体像が見えてこないので、不安になってしまいます。

 そこでロシア語ってどんな言葉なのか、そのおおまかなところを先に眺めておくというのも有効です。『ロシア語のしくみ』をまず読んでおけば、いろいろ複雑なところはあるけれど、なにを理解していけばいいかが見えてきます。これで世間の風評に惑わされなくなります。

 この『ロシア語のかたち』と『ロシア語のしくみ』、実はわたしが書きました。なーんだ、これって自分の本の宣伝だったんですね。

ロシア語のしくみ
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黒田龍之助著
税込価格1,470円 (本体価格1,400円)

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