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連載・エッセイ

─第2回─ ―2006.09.11

 年齢を重ねるにしたがって、色々なものの嗜好が変わる。頭では分かっていたけれども、自分のこととなるとちょっと驚く。たとえば二十代のころは、焼酎をうまいとは感じなかったし、ウイスキーは常にストレートだった。それがいまでは芋焼酎が好きで、和食には国産ウイスキーの水割りがいちばん合うと思うようになった。

 先日の北海道旅行に、岩波文庫の『ブレイク詩集』を持って行った。旅に詩集を持っていく自分が信じられない。子供のころから詩歌が苦手だった。青春時代は詩歌に夢中になるべし、という思い込みと義務感から読んでみたこともあるが、身体が受けつけなかった。例外は荒川洋治とねじめ正一ぐらいか。その私が、人生の折り返し点を過ぎて、『ブレイク詩集』である。ブレイクを選んだのは、柳宗悦への関心からだ。

 岩波文庫のこの詩集は、英和対訳になっている。左側の頁に原文が、右側の頁に日本語訳がある。ほとんどが初めて読む詩で、私が知っているのは「虎よ、虎よ、」の『虎』くらいしかない。羽田から千歳に向かう飛行機の中や、ホテルの部屋でブレイクの詩を読んだ。といっても、仕事で読む本ではないから、行き当たりばったりに適当な頁を開く。まず原文を読み、次に訳文を読み、こんどは原文と訳文を対比しながら読む。

 詩歌の生命は言葉の響きだと再認識する。注意深く翻訳されてはいるが、言葉の響きが完全に再現できたわけではない。とりわけ韻については。つい漢字の表層に気を取られそうになる。残念ながら外国語が苦手なので、ブレイクの原文もイギリス人がどう発音するのかよく分からない。朗読CDつきの対訳詩集があるといいのに。


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