わたしが生まれて初めて手にした本は、ディック・ブルーナの『うさこちゃん』だった。わたしの愛読した福音館書店版はうさこちゃんなのだが、最近は英語風にミッフィーともいうらしい。オリジナルのオランダ語ではNijntjeで、ブルーナ氏からもらったサイン(ちょっと自慢)にもそう書いてある。でも、これってどう発音するんだろう? なんだかニンジャって読んでしまいそうだけど。
オランダ語の綴りは不思議だ。もちろんこれは勝手な意見で、英語やドイツ語からのいい加減な知識で見るからそう感じるのである。あと一歩で読めそうなんだけど、イマイチ分からない。概説書を見れば説明はあるだろうけど、それだと音が聴けないし……ということで、入門書を開く。
『オランダ語の基礎』は入門編と本編から成っている。入門編はアルファベットから母音、子音、アクセントが一通り説明される。はじめのうちは発音の参考にカナがふってある。ところが次のスペリング規則になると、なんとカナはすでにない。ここまでたった6ページ。この先はオランダ語の綴りだけだ。
ちょっとキビシイかな。でも、いずれはカナなしで読めなければいけないのだ。それにオランダ語の綴りはラテン文字さえ知っていればあとほんのちょっとなんだから、がんばろうよ。だいたい、最近の語学書ってちょっとカナが多過ぎるし(自戒の念を込めて)。
文字と発音の説明では、「日本人学生の多く」が間違えやすいところを随所で指摘している。実際に大学で指導した経験が活きているのである。もちろん、「学生」でない学習者にも有益な情報です。
入門編では単語の発音ばかりだが、本編の第一課で1から10までの数、第二課で主な挨拶が録音されていて、これは実用的。その後は各課のテキストが吹き込まれている。もちろんカナはなし。これを睨みながら、なかなかスピーディーな発音に耳を傾けるのが、オランダ語の文字と発音に慣れるための近道だろう。
さて、うさこちゃんはオランダ語で「ネインチェ」と発音するらしいことが分かった。今は発音だけでも、練習問題が豊富なこの本でもっと勉強すれば、いつの日かネインチェをオランダ語で読めるだろう。そうすれば、わたしは原点に戻れるような気さえする。

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オランダ語の基礎 文法と練習(CD付)
クレインス桂子、クレインス フレデリック、河崎靖著
税込価格2,940円
(本体価格2,800円)
各課の文法説明は詳しく、課末のテキスト読解と豊富なドリル練習とで着実な文法習得とレベルアップを約束。中級を目指す学習者に格好です。蘭和単語集・和蘭単語集つき。
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