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連載・エッセイ

第4回 ド・ゴール記念館 ―2008.06.24

ドルドーニュ便り《番外編》


シャンゼリゼ通りのド・ゴール像

最寄りの駅ティヴィエから汽車で北に500キロ、4時間かけて久しぶりにパリに行ってきた。

サン・ルイ島のアパート(風刺画家ドーミエが住んだところだった!)を拠点に、美術館、博物館三昧の7日間を過ごしたが、あらためてパリは美しく、驚きに満ちた都市だと思った。

クリュニー中世美術館の“貴婦人と一角獣”、ギメ東洋美術館の“葛飾北斎展”など15のミューゼを訪れたのだが、最近、ド・ゴール伝(Jean Lacouture著、1991年刊)を読んだこともあって、とりわけド・ゴール記念館(2月に開館)は面白かった。

ド・ゴール将軍(1890-1970)の歴史記念館は、ナポレオンの巨大な墓があるアンヴァリッドにある。2500平方メートルの会場には、遺品である軍服、書簡、愛用品などのモノをいっさい置かず、すべてAV(映像と音声)によるプレゼンテーションで将軍の足跡をたどっている。若い世代を意識した新機軸である。

ド・ゴールの生涯が、時代背景とともに描かれているのだが、写真・ポスターの前に立つと、自動的にイヤホーンから説明が流れてくる。また、約400の画像ドキュメントがあり、クリックすると専門家による解説(全部で20時間)が聴ける。




記念館の入り口のあるド・ゴール写真

会場には小劇場があり、25分のド・ゴール伝が大型スクリーンに上映されていた。これは圧巻だった。ナレーションはなく、音楽と映像、彼の言葉だけでドラマチックに激動の時代を再現していた。

ご存知のように、ド・ゴールは、フランスの危機を二度も救った男である。このフィルムには、フランス現代史の決定的瞬間に、彼が行った演説が入っている。

ロンドンに亡命したド・ゴールが、「フランスはまだナチスに敗れていない。レジスタンスの松明を掲げよう」とBBCラジオで呼びかけたあの有名な1940年6月18日のアピールがあった。




6月18日のアピール

1961年4月23日、アルジェリア独立を容認するド・ゴールの政策に反対する軍人によるクーデター・内戦の危機を前に、「わたしは反乱軍を粉砕する。同胞よ、わたしを助け給え」と語る名演説があった。

数年前、“フランス人が最も尊敬する歴史上の人物”を視聴者の投票できめるテレビ番組を見たことがある。ジャンヌ・ダルク、ナポレオン、ヴィクトル・ユーゴー……とおなじみの名前がでていたが、結果は1位ド・ゴールでナポレオンはなんと17位だった。彼の国民的人気はこれほど高い。

最近、なにかとド・ゴールと比較されるのが、いまの大統領サルコジだ。一年前、彼は華々しく改革路線をうちだしたが、豪華バカンス、離婚、再婚と芸能人のような振る舞いに国民はあきれ返り、人気凋落。

最近は謹慎しているが、“威厳のない大統領”に、多くのフランス人は失望している。ド・ゴールはフランスの歴史と文明を象徴するような人物だったが、サルコジにはその香りがない。


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