モレスモ、30歳の転機
フランスの女子テニス選手のクリスティナ・ムラデノヴィッチは、2009年女子ジュニア世界チャンピオンとして今シーズンを終える。2009年全仏オープン本大会では初戦で敗退したものの、ジュニア女子シングルスで優勝し、全英でも決勝進出を果たした。弱冠16歳にしてそのパワーはトップクラスで、全仏での統計によれば、サービスのスピードは200km/h、ヴィーナス・ウイリアムズと並んで大会1位の記録である。そのプレースタイルから、アメリ・モレスモの後継者との呼び声も高く、今後が期待される選手の一人である。
モレスモはといえば、来シーズンの予定について注目が集まるなか、12月3日にパリ近郊のレストランに報道陣を集め、引退を表明した。笑顔交じりに始まった会見の最後には、報道陣から送られた拍手に涙を拭う場面も見られた。ファンにとっては残念なことだが、偉大な功績を残した世界チャンピオンの引退は、敬意をもって受け止められているようだ。
4歳からテニスを始め、その才能は1996年に全仏、全英のジュニア大会優勝で開花する。2004年のアテネ・オリンピックではシングルスで銀メダルを獲得し、翌月のWTAランキングで1位の座についた。2006年には全豪、全英でそれぞれ優勝を果たし、競技生活の絶頂を迎える。その功績が認められ、2007年にレジオン・ドヌール勲章シュヴァリエ賞を受賞した。
それまでの実績を考えると、2007年を境に低迷期に入ったと言える。世界ランキングでもトップ10から外れ、引退を表明した2009年12月3日時点では21位だった。成績不振がモチベーションを左右し、「もう練習のためにコートに行きたくない」という思いが芽生えてしまったとモレスモは言う。
モレスモが引退を表明した2日後、ベルギーの女子テニス選手のジュスティーヌ・エナンが、シャルルロワで行なわれたエキシヴィジョンマッチに出場した。エナンはアテネ・オリンピックのシングルス決勝でモレスモを破り金メダルを獲得した選手で、マスターズ2006でも決勝で勝利している。またモレスモが優勝した2006年の全豪 (エナンは途中棄権)、全英の決勝戦の対戦相手でもあり、モレスモの最大のライヴァルである。エナンは2008年5月に世界ランキング1位のまま、シーズン途中で引退したが、2009年秋に現役復帰を表明していた。シャルルロワから1週間後の12月12日にはカイロでエキシヴィジョンマッチに出場、世界ランキング20位のナディア・ペトロヴァを破り、快調な滑り出しを披露。テニス界では現役復帰後に活躍する例が多いだけに、モレスモの復帰を見越す声も出ている。


