お知らせ(お知らせ)

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 夏季休業のお知らせ - 2016.08.09

白水社は2016年8月12日(金)・8月15日(月)、夏季休業とさせていただきます。

この間にいただきましたご注文やお問い合せにつきましては、通常よりお時間をいただきます。

お客様には大変ご迷惑をおかけしますが、予めご了承くださいますよう、お願い申し上げます。

 『台湾生まれ 日本語育ち』日本エッセイスト・クラブ賞 温又柔さん受賞のことば - 2016.07.25


撮影:朝岡英輔

温又柔『台湾生まれ 日本語育ち』第64回日本エッセイスト・クラブ賞 受賞のことば

「「ママ語」で育ってよかった!」

 つい、先月のことです。
 羽田空港で出国手続きをするための列に並んでいたら、台湾語が耳に飛び込んできました。わたしの後ろに並ぶ三人連れのご婦人たちが、ぴいちくぱあちくお喋りの花を咲かせていました。
 ご婦人たちのお喋りをこっそりと聴いていると、その台湾語には中国語もまじっているのがすぐにわかりました。それだけでなく、なんと、日本語も聞こえてくるのです。
「やたらとひとが多いわねえ、今日って何の日なのよ? あ、土曜日か」
 という会話を交わすご婦人たちのことばを、ありのままに再現してみると、
「怎麼那麼多人、きゃあり、し、禮拜幾? アドヨウビか」。
 となります。
 ご婦人方の手元にそっと目をやると、再入国カードをはさんだ「中華民国」のパスポートを持っています。
 ああやっぱり、と思わず頬が緩みました。
 わたしと同じ。
 わたしの母と同じ。
 かのじょたちもまた、東京在住の台湾人なのです。

「あなたのところの息子さん、まだ学生だっけ。今は就職大変よねえ。甘くないわ」
「你兒子還在上學? チマぁ、ベ・ゼエ・工作、ボー簡單。アマクナイワ」

「うちの娘ね、ゴールデンウィークはまた友だちと韓国なのよ。台湾はどうよ、って言ってやったら、あたしにとって台湾は外国じゃないもん、ですって」
「我女兒,ゴールデンウィーク・和朋友們又去韓國. 我說台灣呢? イ・ディオ・ガ・ワ・ゴン、台灣ンーシー・がいこく!」

 東京在住の台湾のご婦人たち特有のお喋りにこっそりと耳をかたむけながらわたしは、きっと自分と同世代であるはずの、ご婦人方の息子さんや娘さんのことを考えます。

 日本語と思ったら台湾語。
 台湾語がきたら中国語。
 中国語のかたわらには台湾語、そしてまた日本語。

 これが、こういうコトバが、わたしたちの母のことばです。
 わたしたちの母は、こういうコトバを、喋っていました。喋っています。
 これが、こういうコトバこそが、台湾生まれ日本語育ちの、わたしの母語です。

 今回、わたしのこれまでのコトバの遍歴をひたすら書き綴った『台湾生まれ 日本語育ち』が第64回日本エッセイスト・クラブ賞を賜りましたことを、心から喜ばしく感じています。
 この本に収録されている文章は、白水社さんのウェブサイトを「舞台」に、2011年から連載してきたものです。
 はじめは、「失われた〝母国語〟を求めて」というタイトルで、書きすすめていました。
 いつまでたっても上達しない・できない中国語のことや、すっかり忘れたつもりでいる台湾語をめぐる記憶などについて書いているうちに、

 ・母国語とはそもそも何をもって定義されるのだろう?
 ・台湾人でありながら日本で育った私の場合、何語を母語と呼ぶべきなんだろう?

 という問いが芽生えてきました。
 わたしは、わたしにとって、ほとんど唯一の、自由自在に操れる日本語によって、そのことを考え続けました。
 そして、その過程で、自分には母語が三つあると気づきました。
 もっといえば、わたしの母語は三つのことばでできている、と確信しました。
 ウェブサイトでの連載が終わったときに、わたしは実感します。

 わたしは、何も、失ってなどいなかった。
 わたしのコトバは、はじめからずっと、ここにあった。

 そのことに思い至ったとき、自分自身のことばをめぐる遍歴を記したものとして一冊の本にまとめあげる段階で、新たに名づけなおしたくなりました。
 そこで連載開始時から本書の刊行を共に夢見ていてくださった担当編集者・杉本さんと話し合い、「失われた〝母国語〟を求めて」から『台湾生まれ 日本語育ち』へと改題したのです。
 きわめて個人的な内容を書き綴った一冊であるにもかかわらず、昨年末の発売以来、我がことのように、わたしのことばを歓迎してくださる方々がたくさんいらっしゃって、つくづく〝ホオミャア(幸福な、を意味する台湾語)〟本だなあと感じています。  今こそ、こう思わずにいられません。
 日本生まれであろうとなかろうと、日本で、日本語で、今、育ちつつあるすべてのひとたちが「わたしのことばは、わたし自身のものだ」と堂々と胸を張れるニッポンであってほしい。
 『台湾生まれ 日本語育ち』を手にとってくださった方々が、わたしのニホン語に触れることをきっかけに、日本語は思っていたよりもずっと豊かでふくよかなものなんだなあ、と気づいてくだされば、わたしにとってこんなに嬉しいことはないのです。

 最後に。
 かつてのわたしに、今、とっても教えてあげたい。
 ふつうのお母さんが欲しい、なんて言わないで。
 ふつうのお母さんなんてつまらない。
 今にみんなが、あなたのママを、ママ語をうらやましがるから!

 今日はこの会場に、ママ語でわたしを育ててくれた母と、母の「ママ語」を分かち合う唯一かつ最愛の仲間である妹が姪を連れて来てくれていて、とても嬉しいです。一歳八カ月になる姪がわたしたちと一緒に「ママ語」でお喋りする日はもうすぐそこです!
(了)

温又柔(おん・ゆうじゅう)
作家。1980年台湾・台北市生まれ。
3歳の時に家族と東京に引っ越し、台湾語混じりの中国語を話す両親のもとで育つ。
2006年法政大学大学院・国際文化専攻修士課程修了。
2009年「好去好来歌」ですばる文学賞佳作を受賞。11年『来福の家』(集英社)を刊行。
同年9月白水社のHPで「失われた〝母国語〟を求めて」の連載スタート。(15年5月まで)
2013年音楽家・小島ケイタニーラブと共に朗読と演奏によるコラボレーション活動<言葉と音の往復書簡>を開始。同年、ドキュメンタリー映画『異境の中の故郷――リービ英雄52年ぶりの台中再訪』(大川景子監督)に出演。
2015年12月、『台湾生まれ 日本語育ち』(白水社)を刊行。同書で第64回日本エッセイスト・クラブ賞受賞。

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 映画『ブルックリン』7/1全国ロードショー - 2016.07.01

アイルランド文学の名作『ブルックリン』(コルム・トビーン 著/栩木伸明 訳)[エクス・リブリス]の映画化作品が日本公開されます。
アイルランドの田舎から大都会ブルックリンへ移民した少女の感動と成長の物語。
原作はコスタ小説賞受賞、映画は第88回アカデミー賞作品賞、主演女優賞、脚色賞にノミネートした話題作です。
映画と本、ぜひあわせてお楽しみ下さい。

映画『ブルックリン』 2016年7月1日(金)、TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー
監督:ジョン・クローリー
出演:シアーシャ・ローナン(『つぐない』『グランド・ブダペスト・ホテル』)
   ドーナル・グリーソン(『アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜』)
   エモリー・コーエン、ジム・ブロードベント(『アイリス』)、ジュリー・ウォルターズ(『リトル・ダンサー』)
配給:20世紀フォックス映画
公式サイト:http://www.foxmovies-jp.com/brooklyn-movie/

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 温又柔『台湾生まれ 日本語育ち』が第64回日本エッセイスト・クラブ賞受賞 - 2016.06.03

2016年6月2日、第64回日本エッセイスト・クラブ賞が発表され、阿部菜穂子さんの『チェリー・イングラム 日本の桜を救ったイギリス人』(岩波書店)、温又柔さんの『台湾生まれ 日本語育ち』(白水社)、原彬久さんの『戦後政治の証言者たち オーラル・ヒストリーを往く』(岩波書店)の3作品に決まりました。

弊社刊の温又柔さん著『台湾生まれ 日本語育ち』は、三歳から東京に住む台湾人作家である著者が、台湾語・中国語・日本語、三つの母語の狭間で揺れ、惑いながら、自身のルーツを探った四年の歩みを綴ったエッセイ集。
刊行時にも各紙誌書評で取り上げられるなど、話題を集めました。
ぜひこの機会にご一読下さい。

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 2016年本屋大賞・翻訳小説部門第3位に『歩道橋の魔術師』 - 2016.04.13

2016年4月12日、2016年本屋大賞が発表され、翻訳小説部門で
『歩道橋の魔術師』呉明益 著/天野健太郎 訳
が第3位に選ばれました(2作同位)。

 ◇本屋大賞公式ホームページ
  http://www.hontai.or.jp/

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 『ムシェ 小さな英雄の物語』が第二回日本翻訳大賞を受賞しました - 2016.04.11

2016年4月11日、第二回日本翻訳大賞が発表され、弊社刊の
『ムシェ 小さな英雄の物語』キルメン・ウリベ著/金子奈美訳
が受賞作に選ばれました。

ムシェ 小さな英雄の物語

受賞作は、バスク文学の旗手による、無名の英雄をめぐる心揺さぶる物語。
この機会に、ぜひご一読下さい。

授賞式&トークイベントは2016年4月24日(日)、日比谷図書文化館コンベンションホールで開催されます。予約方法等、詳しくは下記公式ホームページをご覧下さい。

 ◇日本翻訳大賞公式ホームページ
  https://besttranslationaward.wordpress.com/

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 白水社 正社員募集 - 2016.03.23

(2016.3.16掲載)

正社員募集要項を掲載いたしました。下記のリンクよりご覧ください。

会社情報(採用情報)

 雑誌『ふらんす』2016年度のお知らせ - 2016.03.08

ふらんすロゴ

雑誌『ふらんす』は、1925年創刊、フランス語学習とフランス語圏文化に関する唯一の月刊誌です。
フランス語、文学、歴史、思想、映画、食、人物評伝、エッセイ、アクチュアリテなどなど、毎号フランスの古今をお届けします。
毎月確実にお手元に届き、送料・CD付き増大号の差額とも小社負担の、お得な定期購読をぜひお申し込みください。(毎月22日ごろ発売)

>『ふらんす』定期購読のお申し込みはこちらの入力フォームからどうぞ


◎『ふらんす』2016年度のお知らせ◎

★4月号は増大ページ〈CD付〉特別定価(本体952円+税) 3月22日頃刊行予定

4月号特集「もっとフランス語!」は、編集部総力挙げての46ページ。まずはノーベル賞作家ル・クレジオのロング・インタビュー。「『ふらんす』の読者へのメッセージ」は対訳でご紹介します。付属CDには作家の肉声も収録されています。4月号恒例の読み切り会話練習は、間瀬幸江さんによる「母と行くフランス旅行」(CD収録)。初級文法の知識でも海外で身近な誰かを立派に案内することができます。いいところを見せられることマチガイなし! その他、自宅でのフランス語学習法、仏検対策、フランス語コンクールなどを取り上げます。恒例の保存版「フランス語いろいろ情報」も掲載!

【連載:語学系記事】
NHK講師としてもおなじみの福島祥行さんと國枝孝弘さんによる「ヨシとクニーのかっ飛ばし仏語放談」では明快で痛快なやりとりが楽しめます。おおくぼとものりさんの「おるたな・ふらんす」でフランス語らしいビミョーな言い回しを! 釣馨さんとGhislain MOUTONさんの「Dessine-moi un mouton !」は日常的に楽しくフランス語に触れるコツを教えてくれます。倉方健作さんの「にわとり語学書クロニクル」は、発音・文法などさまざまな語学書の歴史に切り込みます。大塚陽子さんとChristine ROBEIN-SATOさんの「【CD収録】文法力で突破 聞き取り・書き取り講座」でリスニングのコツを習得、Corinne VALLIENNEさんと丸山有美さんの「【CD収録】 Vin et Culture」では、絵画・オペラ・医学などとワインをめぐるテキストを目と耳で味読します。さらに上を目指すアナタは、守田貴弘さんによる「目で見る世界、言葉でつくる世界」、Chris BELOUADさんの「Nouveau Labo-traduction plus もっともっと!仏作文」、久保田剛史さんの「仏検準2級対策! フランス語マスターへの一歩」で、文字通り「フランス語マスター」へ! 来年度の「対訳で楽しむ」(半年交替)は渋谷豊さんによるサン=テグジュペリ『人間の大地』です。もうすっかりおなじみのMarie-Emmanuelle村松さんと杉村裕史さんが隔月で担当する「ことばのあそびば シャラード&パズル」は図書カードがあたる抽選クイズ付です。

【連載:文化系記事】
表紙連載は、清岡智比古さんによる「映画の向こうにパリが見える」。巻頭エッセイ「フランスと私」(毎月交替)の4月号は作家の石田千さん。「モンテーニュ『エセー』を読む」では、新訳を完結させたばかりの宮下志朗さんがその味わい方を伝授。中村英俊さんの「科学的想像力の時代 18世紀フランス自然科学小史」、今井達也さんがハイチから送る「レンメン・アイチ通信」、山口昌子さんの「パリ、いま注目のあの人この人」、中村隆夫さんの「19世紀のオカルティストたち」、小沼純一さんの「詩(うた)と歌(うた)のあわいで」といった新連載も要注目です。ジャーナリストのフランス人妻Karyn NISHIMURA-POUPÉEさんとその夫のイクメン漫画家じゃんぽ〜る西さんによる大人気コラボ連載「C’est vrai ? / フランス語っぽい日々」、福田桃子さん、鈴木和彦さん、笠間直穂子さん、新島進さんによるリレーエッセイ「今月の原書レクチュール」、鹿島茂さんの「パリ風俗事典」、中条志穂さんの「対訳シナリオ」は来年度も継続です。勝山絵深さんの人気ランキング「Classement 5 × 5」、仁木久惠さんの「社会」、佐藤久理子さんの「映画」、岡田Victoria 朋子さんの「アート」、蘆立一義さんの「スポーツ」など在仏執筆陣によるアクチュアリテも健在! 書評欄、情報ページ「さえら」もますます充実させて参ります。

 第60回岸田國士戯曲賞発表 - 2016.02.29

第60回岸田國士戯曲賞はタニノクロウ『地獄谷温泉 無明ノ宿』に決定しました。
詳細は下記リンクをご覧ください。

http://www.hakusuisha.co.jp/news/n14296.html

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