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【特集】ヤングアダルトを読む・代田亜香子の本

 ヤングアダルトってご存知ですか? アメリカでティーンエイジャー(13〜19歳)に対して使われていることばで(正しくは Young Adulthood)、「若いおとな」とか「おとなの一歩手前の世代」を意味します。出版の世界においても、感受性の強いティーンエイジャーを対象としたYAというジャンルがあります。
 とはいっても、YAはけっして「若いおとな」だけのものではありません。いい作品はいくつになって読んでもいいもの。「純粋で感じやすい」心を持ちつづけている読者にとって、YAには掘り出し物がいっぱいです。たとえば、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』(ライ麦畑でつかまえて)とか、『チボー家の人々』なんていうのも、いまなら立派なYAだといえます。
 翻訳ものでいい本を見つけるコツは、まずなんといっても、これはという翻訳家を見つけること。そこで、作家の角田光代さんに“この翻訳家の名前を見たら、まちがいないと思って読む”と言わせた、YAの名翻訳家、代田亜香子さんの本を一挙紹介します。アメリカ南部で生きる日系家族の絆と苦悩を描いた感動作『きらきら』につづき、同じ著者シンシア・カドハタの翻訳第二作『草花とよばれた少女』を訳されたばかりの代田さんご本人に、これまでの訳書を振り返り、それぞれにコメントも寄せていただいています。


本人コメント付き・代田さんの翻訳書リスト


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草花とよばれた少女
シンシア・カドハタ著
税込価格 1,470円
(本体価格 1,400円)

1941年のアメリカ西海岸。両親を亡くし、叔父夫婦の花農園で暮らす日系少女スミコの夢は、いつか自分の花屋を持つこと。そんな彼女の運命を日本の真珠湾攻撃が大きく変えた。

★本人コメント★
同じ作者の作品を読む場合、一作目がいいとなおさら、それをこえる作品にはなかなか出会えないものですが、文句なしに『きらきら』に並ぶすばらしい作品です。個人的にはブルが好きです。



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オリーブの海
ケヴィン・ヘンクス著
税込価格 1,680円
(本体価格 1,600円)

オリーブという女の子が交通事故で死んだ。大人しくて目立たない子だった。同級生のマーサが彼女について知っているのはそれだけ。だが、オリーブが書き残したものを読んだとき……。
〈ニューベリー賞オナー受賞〉

★本人コメント★
ニューヨークからの帰りの飛行機で一気に読んで、すぐに持ちこんだ思い出深い作品です。表紙はどの作品も気に入っていますが、あえて順番をつけるなら、これがいちばんイメージにぴったりです。



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きらきら
シンシア・カドハタ著
税込価格 1,575円
(本体価格 1,500円)

アメリカ南部の工場で働く日系二世の両親と美しく聡明な姉娘リン、ひょうきんな妹ケイト。一家の深い家族愛と彼らにふりかかる苦難を透明な文体で描いた日系女性作家の感動的な小説。
〈ニューベリー賞受賞〉

★本人コメント★
原書のタイトル“kira-kira”を見て、迷わず手にとりました。期待通りの美しい作品でしたが、思ったよりユーモラスでますますうれしくなりました。いつか、クリネックスを屋根からとばしてみたいです。



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ハーメルンの笛吹きを追え!
ビル・リチャードソン著
税込価格 1,680円
(本体価格 1,600円)

「ハーメルンの笛吹き」の話はとても有名。でもあの子供たちはいったいどこへ連れ去られたのか? 秘密の力を持つ少女が笛吹き男を追って子供たちを救出する素敵な冒険ファンタジー。

★本人コメント★
ファンタジーですが、いっぷう変わっていて、とくに語り手のおばあさんのセリフには、何度かはっとさせられました。なぜか編集者に、主人公がなわとびをしているイメージが私に重なる、といわれました。



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みんなワッフルにのせて
ポーリー・ホーヴァート著
税込価格 1,575円
(本体価格 1,500円)

港町に住む少女プリムローズの両親が嵐の日に海で行方不明になり、町の人は死んだと決め込む。それを信じない少女が巻き起こす珍事件を素敵におかしく描いたニューベリー賞オナー賞受賞作。
〈ニューベリー賞オナー受賞〉

★本人コメント★
ちょっとブラックで、かなりヒサンなことも起きますが、なぜか、くすくす笑えます。この作品を訳してから、「意味もなく信じてしまう」ことを大切にするようになりました。レシピは残念ながら試していません。



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天国までもう一歩
アン・ナ著
税込価格 1,575円
(本体価格 1,500円)

いろんな夢がかなう国「ミグク(アメリカ)」で幸せをつかもうとした韓国移民の一家。だがそこには思いがけない苦しみも待っていた。全米図書館協会プリンツ賞受賞の感動的ヤングアダルト小説。
〈全米図書館協会プリンツ賞受賞〉
★本人コメント★
訳しながら泣いてしまうことはよくあるのですが、いちばん涙の量が多かったのがこの作品です。悲しいシーンも多いのですが、救いの手がちりばめられているような気がします。



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家なき鳥
グロリア・ウィーラン著
税込価格 1,575円
(本体価格 1,500円)

インドの貧しい家の娘コリーは13歳でお嫁に行くが、義母はコリーをこき使い、ついには「未亡人の町」に捨て去る。逆境を健気に生きる少女の姿を描いて感動を呼ぶ全米図書賞受賞作。白水Uブックス版はこちら

★本人コメント★
とても現代の話とは思えない、衝撃的な内容でしたが、主人公がたくましくてめげないところが、さすがです。すべての作品に共通する、「つらいけどユーモラスで明るい」というテーマがいちばんストレートに感じられます。



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屋根にのぼって
オードリー・コルンビス著
税込価格 1,680円
(本体価格 1,600円)

少女ウィラ・ジョーと小さな妹がパティおばさんの家の屋根にのぼったまま下りてこなくなったわけは? 多感な少女の心の揺れをさわやかに描く感動的な物語。
〈ニューベリー賞オナー受賞〉

★本人コメント★
はじめてのニューヨーク一人旅で、表紙をみたとたんにひきつけられ、すぐに読んで持ちこんだ運命的な作品です。この作品と出会わなかったら、いまの私はなかったかもしれません。おじさんがあまりにもステキです。

代田さんが選んだベスト3

ベスト3写真
第1位 『草花とよばれた少女』
 ……いちばんあたらしい作品なので。

第2位 『屋根にのぼって』
 ……なんといってもYAの翻訳デビュー作品なので。

第3位 『みんなワッフルにのせて』
 ……登場人物のなかでツボにはまる人数が一番多いので。

代田亜香子
代田亜香子
(だいた・あかこ)

立教大学英米文学科卒・翻訳家
訳書には、他に『プリンセス・ダイアリー』シリーズ(河出書房新社)などがある

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