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読書会ノススメ
読書会ノススメ
白水社有志による「読書会、やってみました」
  白水社・N

 今や各地に広がりつつある読書会ブーム(?)を受け、白水社でも、社員有志による読書会を立ち上げてみました。以下はそのご報告です。

*     *     *

2007年4月13日
 白水社読書会初ミーティング。そもそもの言い出しっぺ・Kの呼びかけに応じて集まったメンバーは7人。男4人女3人、年齢20代から40代、得意分野はフランス文学からサッカー(?)まで、と多彩な顔ぶれ。この日は、今後の具体的な活動内容を話しあう。その結果決まったことは、

◎基本的にはU研方式に準拠
・「キュレーター」持ち回り制。キュレーターは、課題図書の選出と、当日の会場探しの任を負う。
・読書会までに各自レポートを執筆し、それをまとめたものを当日冊子にして配布。
・課題図書は、金銭面の負担を考慮し、文庫本に限定。

 基本方針が決定したところで、「U研のように、なにかテーマを決めよう」ということになる。議論の結果決定したテーマは、「作家の出身地47都道府県制覇」。読書会は2ヵ月に一回開かれるので、全国制覇を達成するのは8年後! それまで続けることを目標に掲げ、初顔合わせは終了。

*     *     *

5月15日
 第一回読書会。初回のキュレーター・Nが選んだのは、福井県出身・舞城王太郎の『煙か土か食い物』(講談社)。外科医・奈津川二郎は、母親が連続主婦殴打事件の被害者になったとの報を受け、故郷の福井に戻る。そこで繰り広げられる二郎の犯人捜しと、次第に明らかになる奈津川家の謎。果たして真犯人は、そして奈津川家の行く末は? ジャンル分け不可能な独特の作風が魅力の、ファウスト賞受賞作である。

 当日の会場は、都内某所の福井郷土料理店。全員集まったところで、レポート冊子が配布される。「なんか読書会っぽくなってきましたね!」一気に雰囲気が盛り上がる。さて、肝心のレポートの内容は。

編集部・C。「血脈。血統。ウァットエヴァー。奈津川家の人々の「血」をめぐる血塗られた物語は、「陰」の主人公二郎によって操られ、「陽」の主人公四郎によって解き明かされていく。陰と陽は時に反転し、しばしば二重写しになりながら事件を織り上げ、家族を解体へと向かわせる。だが、この家族はそう簡単に崩壊しない。誰も死なない。これは、死によって断ち切ろうとも断ち切れず、分かち難く結びついた家族の業の物語であり、家族の業に絡め取られていく人々の物語である。」

営業部・T。「マイシロさん? いや、マイジョウさん。タマタロウ、うーんギョクタロウ? 点がないからオウタロウ! などと思いながら初めての講談社ノベルスを手にしたあの頃、まだまだ僕も若かった。僕を笑わせるにはラッキョウを転がせば事足りた。誰に貸したのかノベルスは迷子になって、文庫化されて再購入そして再読。で、今回の課題図書と言う事で、この度三回目の『煙か土か食い物』で、読み始めたんですが、何も憶えちゃおりませんでした、僕の灰色の脳細胞。てへっ。」

 このようにそれぞれ個性があって、おもしろい。各々の文章からは、普段の付き合いではわからない、その人の意外な内面が伝わってくる。
 全員しばしレポートに没頭。しかしここでお酒と料理が運ばれてきたため、皆の関心はそちらに移る。並べられたのは、鯖の姿焼きや刺身など、日本海の海の幸の数々。空気は一気に飲み会モードへ。
 ほどよく酔いがまわったところで、ようやく本来の目的を思い出す。

「まず、福井という土地柄が舞城の作風に与えた影響についてだけど、」「わーこのシュウマイおいしい!」「ていうか福井県ってどのへんでしたっけ?」

 と、あれこれ脱線しながらも、やっと読書会らしい様相を帯び始める。議題は、福井県と舞城文学の関係について、独特の文体について、覆面作家・舞城王太郎の正体について、等々。一通り議論が出尽くした後は、「この小説を映画化するとしたら、誰をキャスティングするか?」という話題で盛り上がる。
 3時間ほど熱い議論を繰り広げたところで、そろそろお開き。くじ引きで次回のキュレーターを決め、読書会終了。

「第一回読書会、大成功でしたね!」「うーんでもなんかほとんどただの飲み会だったような……」「いいんですよ楽しければ♪」

 この日は月曜ということもあって、皆おとなしく家に帰る。

*     *     *

7月18日
 第二回読書会。キュレーターは、編集部・C。課題図書は、東京(日本橋)出身・谷崎潤一郎の『猫と庄造と二人のおんな』@日本橋の牛鍋料理店。

*     *     *

9月上旬(予定)
 第三回読書会。キュレーターは、自称陰翳礼賛男・H。課題図書は、神奈川県出身・中里恒子『時雨の記』。

……以降、続く(予定)。


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