わたしたちがなじんでいるものとは
別のかたちをしていたり、異なるしくみからできていたり。
「不思議はすてき!」を合い言葉に
この地球を楽しもう。

アメリカに「やわらかあたま社」という小さなシンクタンクがある。ニューヨークに住んでいるぼくの娘が出入りしているのでその組織のやりかたや考え方をいろいろ知って感心した。同時にそれにくらべると自分をはじめとして仕事でつきあっている会社や組織がずいぶん「かちかちあたま」になっていることを痛烈に知り、人間の思考は常にあちこちから刺激をうけ、積極的に対応していかないとえらく小さな石ころ頭になってしまうのだな、ということに気がついた。
この「地球のカタチ」シリーズは、そういう危機を救ってくれるまさに「やわらかあたまへのみちしるべ」だ。いまの段階では初期ラインアップ4冊の要所要所を見ることしかできないが、それらを読んでまさに「おお!」と感嘆の声を上げたくなった。
全体に共通しているのは視点の「やわらかさ」である。まあそれがこのシリーズの真の髄であるのだから当然なのだが、よくぞこういう視点にもとづいて世界を総括的にとらえなおしてくれたものだ、と感謝したい気持ちになった。
往々にして「かちかち頭」になりがちな現代人は、モノを見るとき、それを考えるとき、どうしても自分個人の経験や固定観念や価値観を基準にして一方的な視点から理解したつもりになりがちだが、このシリーズは痛快なまでにその「かちかち概念」を粉砕してくれる。それも書斎学者が頭で書いているような隔靴掻痒の論文ではなく、一読すればたちまちずんずん猛スピードで入り込んでいけるような分かりやすい文体で魅力的に書いてあるので大変ありがたい。
むかしから「かちかち頭」の人は本当はやさしいことをことさら無意味なほどに難しく書くことが多い。官庁の文章がその典型だ。しかし実はそういう世界が「頭の悪い」見本みたいなものだ、とわたしたちは気がつきはじめている。このシリーズは本当は奥の深い結構大変に難しい物理的概念や精神感覚などを面白く分かりやすく表現してあって、どうにもタダナラヌ「かしこい本」ばかりになりそうである。かなり大きく期待している。
(しいな・まこと)
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