萌える,負け犬,下流クン……。次々に生み出されるこうした新しい言葉を,英語ではどう表現するでしょうか。〔中略〕デザイナー・ブランドならぬデザイナー・チルドレン,下流クンならぬブーメラン・キッズ,ロハス,ちょこっと食べ……。そうした言葉が生まれた社会背景についても,ここではお話してみたいと思います。
文部科学省が新しい指導要領の中で「言葉の力」を強調し,進行中の格差社会の中で,下流に向かう人間と上流に向かう人間を分かつのは,コミュニケーション能力の差だとも言われています。
このように言葉の力が改めて見直される中で,ここでは,生き物である言葉についてヴィヴィッドに語ってみたいと思っています。
……………本書「はじめに」より
というわけで,本書で語られるgrazing(ちょこっと食べ)の項目を,ちょこっと立ち読み!
最近は世の中万事二極分化の傾向を示しているが,それは食事の取り方についてもどうやら言えるようである。
スローフード(slow food)などと言って,安全な食事をゆっくりと楽しもうという流れがあるいっぽうで,grazing という食習慣もますます広まりつつあるようなのである。
grazing というのは,食事をきちんと取らずに「随時少しずつ食べ物を摂取する」ことで,こうした食習慣が,忙しい人々を中心に広まりを見せているようなのだ。
Grazing has become a lifestyle.(ちょこっと食べの習慣はいまやひとつのライフスタイルになった)
と言う人もいるほどである。
こういう「ちょこっと食べをする人」のことは,grazer と言う。
なぜこういうちょこっと食べの習慣が広まりつつあるかというと,まず忙しい人々は昼食をゆっくりと食べる時間がない。そこでオフィスで,あるいはスターバックスなどで,スナックやサンドイッチをつまんですませてしまうのである。そしてお腹が空くと,またちょこっと何かを食べるのだ。
忙しい人は夕食を作る時間もない。そこで,何か簡単な食事をまず食べ,お腹が空くと,また何かを少し食べるのである。
人が車に乗っている時間も増えた。そこで,人は車の中で何かスナックや軽食をちょこっと食べるのである。
子供たちが外で遊ばず,テレビを見たり,テレビゲームをやったりする時間も増えた。そこで,子供たちは,テレビを見ながら,あるいはゲームをやりながら,スナックを少しずつ食べつづける。あるいはムシャムシャ食べるのだ(「ムシャムシャ食べる」ことは munch と言い,名詞の munchies は「スナック,おやつ」の意味である)。
もちろん,こうした「ちょこっと食べ」の食習慣が健康にいいはずはなく,子供の場合には主に肥満などの問題を,大人の場合には主に栄養の偏りなどの問題を生み出しているが,忙しい人々と子供の内遊びがますます増える現代にあって,ちょこっと食べの習慣はますます広がっていきそうな勢いである。
……………本書「ダイエットやスポーツについての15の種」より
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英語の種あかし
税込価格1575円 (本体価格1500円) ブログ、萌える、メトロセクシュアル、女性用ヴァイアグラ……。英語の流行語や新語・口語表現から時代を読みとき、日米の文化のちがいを種あかし! 人気翻訳家による英語エッセイ。 |



