内容説明
第二次世界大戦の「転換点」となった激闘
「ツィタデレ作戦」の背景、準備、戦闘の経過、圧巻のプロホロフカの戦車遭遇戦、作戦の挫折を、米国の長老軍事史家が新資料を駆使して精緻に描写。地図・口絵・索引収録。
ソ連崩壊後の新たな資料が利用できるようになった最近の独ソ戦関係の著作と同じように、本書でも強く印象づけられるのは、クルスクの戦いの各戦闘におけるソヴィエト軍の損害の大きさである。無論、ドイツ軍も相応の損害を受けているが、その比ではない。(中略)数字だけから見れば、クルスク戦(あるいはツィタデレ作戦)で戦術的に勝ったのはドイツ軍だったかもしれない。しかし、彼らはクライマックスのプロホロフカ(突出部南部戦区)の戦闘を最後に、その先に進むことができなかった。(「訳者あとがき」より)
[原題]ARMOR AND BLOOD: The Battle of Kursk, The Turning Point of World War Ⅱ
著者:デニス・ショウォルター Dennis E. Showalter
1942年生まれ。米国コロラド・カレッジの歴史学教授で、専門はドイツ軍事史。1997年から2001年まで米国軍事史学会会長を務めた。ノース・テキサス大学バルサンティ軍事史センターの顧問フェローであり、比較軍事史の専門季刊誌War in History の共同編集者である。米国空軍士官学校、陸軍士官学校、マリーン・コー大学で特別客員教授として教壇に立ったこともある。これまでにフリードリヒ大王の戦争、ドイツ統一戦争、第一次世界大戦、第二次世界大戦などのテーマを中心に20冊以上の著書・編書、約150点の論文を発表している。
訳者:松本 幸重(まつもと ゆきしげ)
1939年生まれ。東京外国語大学ロシア語科卒。旧ソ連大使館広報部勤務を経て、現在、翻訳業(ロシア語と英語)。主要訳書:G・ヤブリンスキー『ロシアCIS経済の真実』(東洋経済新報社)、D・ホロウェイ『スターリンと原爆』[共訳](大月書店)、S・S・モンテフィオーリ『スターリン 青春と革命の時代』、E・ルジェフスカヤ『ヒトラーの最期 ソ連軍女性通訳の回想』、M・ジョーンズ『レニングラード封鎖 飢餓と非情の都市1941-44』(以上、白水社)
*データは刊行時のものです