クレムリン 赤い城塞の歴史(上)

神話と伝説を宿した、今なおロシアの心臓部を探る。中世から現代まで、権力と民衆、戦争と革命、建築と美術など、陰影豊かに描く。

著者 キャサリン・メリデール
松島 芳彦
ジャンル 一般書 >  世界史
おすすめ
出版年月日 2016/08/26
ISBN 9784560095041
判型・ページ数 4-6・292ページ
定価 3,190円(本体2,900円+税)
在庫 在庫あり

内容説明

魔力の秘密とは? ロシアの「魂」に迫る!

神話と伝説に満ち、今なおロシアの「心臓部」を探る試み。
中世のモスクワ大公国からタタールのくびき、エカチェリーナ大帝まで、
権力者と民衆、戦争と革命、建築と聖都など、陰影豊かに描く通史。
地図・カラー口絵収録。

「社会に少しでも不穏な気配があると、クレムリンは昔と同様に今も、たちまち扉を閉ざす。威圧感を漂わせながら、卓越した美しさも兼ね備えている。数々の尖塔と教会の建物がシルエットを連ね、あまたの宝石箱が広場を縁取っているようだ。華麗な光景である。どこに立っても視線は、白い石材から炎のように色鮮やかな瓦や、金箔の丸屋根へと導かれる。上空にはカラスが乱舞している。三本の線が交わる正教会の十字架がまばゆく輝く。最も高い塔は数キロ先からも見える。白と黄金の色彩をまとってモスクワを睥睨している。城塞は高貴だ。そして死の気配を漂わせ、神秘に包まれている。伝説に満ちたロシア国家の化身である。」
「はじめに」より


モスクワのクレムリン(城塞)は当初、あくまでも戦いのための構造物でしかなかった。ロシアの各地には今も様々なクレムリンが存在する。しかし、伝説と神話を宿し、今なおロシアの「心臓部」として鼓動を続けているのは、モスクワのクレムリンだけだ。政治・軍事・宗教が混然一体化したクレムリンは、ロシア人の欲望と祈り、そして恐れの結晶と言えるだろう。中世のモスクワ大公国からタタールのくびき、エカチェリーナ大帝、ナポレオン侵攻、革命と共産党独裁、ソ連崩壊、現代のプーチンまで……権力者と民衆、戦争と革命、建築と聖都など、陰影豊かに描く通史。
英国の歴史家である著者は、これまでもロシアやソ連の歴史の深層に迫る数々の名著を生み出してきた。モスクワのクレムリンを舞台に、権力者の興亡と民衆の姿を活写した本書でも、事物や現象の背後に透徹する視線と執念が随所にうかがわれる。波乱のロシアの歴史を、城壁の内外から権力者と民衆による双方向のまなざしで見つめ、見事な歴史絵巻に仕立て上げている。30年前、クレムリンに「一目で魅せられてしまった」と語る歴史家が、その「魔力」の正体を追い求めた旅路の記録とも言える。


[上巻目次]
 はじめに
第1章 礎石
第2章 ルネサンス
第3章 黄金の間
第4章 クレムレナグラード
第5章 永遠なるモスクワ
第6章 伝統の秩序
 出典

[原題]Red Fortress:The Secret Heart of Russia's History

[著者略歴]
キャサリン・メリデール Catherine Merridale
英国のロンドン大学歴史学教授。Night of Stoneでハイネマン賞受賞、サミュエル・ジョンソン賞最終候補に選ばれる。邦訳書に『イワンの戦争』(白水社)がある。

[訳者略歴]
松島芳彦(まつしま・よしひこ)
ジャーナリスト。元共同通信モスクワ支局長。訳書にメリデール「イワンの戦争——赤軍兵士の記録1939-45」、ロバーツ『スターリンの将軍 ジューコフ』(以上、白水社)がある。

*略歴は刊行時のものです

定価3,190円
(本体2,900円+税)

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