幾世の底より 評伝・明石海人

昭和初期、彗星のごとく時代の寵児に躍り出た幻の大歌人が、ハンセン病との闘いの中で見出した生きる意味を、執念の調査を基に描く。

著者 荒波 力
ジャンル 一般書 >  評論・エッセイ(日本)
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出版年月日 2016/12/02
ISBN 9784560095225
判型・ページ数 4-6・516ページ
定価 7,260円(本体6,600円+税)
在庫 在庫あり

内容説明

ハンセン病と闘った幻の大歌人

昭和初期、彗星のごとく時代の寵児に躍り出た幻の大歌人が、ハンセン病との闘いの中で見出した生きる意味を、執念の調査を基に描く。

 さくら花かつ散る今日の夕ぐれを幾世の底より鐘の鳴りくる
                        (『白描』より)

昭和13年、改造社が『新萬葉集』を刊行する際、全国から募った短歌の中に、齋藤茂吉、釈迢空、与謝野晶子ら審査員をひときわ驚かせる作品があり、うち11首が収録され、全く無名の歌人が彗星のごとく世に躍り出た。
それらの作品は、国立らい療養所・長島愛生園で療養しているハンセン病患者からのものだった。のちにベストセラーとなる歌集『白描』の作者、明石海人である。
当時彼はすでに失明しており、作品は口述筆記での応募だったが、『新萬葉集』刊行後、彼の歌を絶賛する評論が相次ぎ、「現代の万葉調」随一の作者だという世評も高まっていった。しかしその2年後、幻の大歌人はわずか37年の生涯を閉じることになったのである。
本書は前作『知の巨人 評伝生田長江』に続き、ハンセン病作家への並々ならぬ畏敬の念を抱く著者が、酷い差別偏見にさらされ、過酷な宿命に翻弄されながら、生きる希望と家族への愛を歌い続けた歌人の生涯を、地を這うような取材を基に浮かび上がらせた、渾身の力作である。
表題は代表作の一つ「さくら花かつ散る今日の夕ぐれを幾世の底より鐘の鳴りくる」から。

[目次]
プロローグ 明石海人とは
第一章 宣告
第二章 明石叢生病院
第三章 長島愛生園
第四章 自らが光る
第五章 第一回短歌祭
第六章 『新萬葉集』
第七章 『白描』
第八章 明石海人の死
第九章 家族の絆
エピローグ 長島の光ヶ丘

 あとがき/小見出し一覧/明石海人(野田勝太郎)年譜/参考文献/謝辞

[著者略歴]
荒波 力(あらなみ・ちから)
1951年静岡県生まれ。静岡工業高校(現・科学技術高校)土木科卒。作家・評論家。主要著書『火だるま槐多』(春秋社)、『青嵐の関根正二』(同)、『よみがえる"万葉歌人"明石海人』(新潮社)、『知の巨人 評伝生田長江』(白水社)等。

*略歴は刊行時のものです

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