続・寂聴伝

拈華微笑

『源氏物語』の個人全訳、宗教への傾斜、海外作家との交流など、その精神と文筆活動を、最大のオマージュを込めて掘り下げる

著者 齋藤 愼爾
ジャンル 一般書 >  評論・エッセイ(日本)
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出版年月日 2017/05/18
ISBN 9784560092330
判型・ページ数 4-6・495ページ
定価 3,960円(本体3,600円+税)
在庫 在庫あり

内容説明

宗教家として屹立した文学観と人生観を描く

『源氏物語』の個人全訳、宗教への傾斜、海外作家との交流など、特筆すべきその精神と文筆活動を、最大のオマージュを込めて掘り下げる。

「文学の本造りと批評眼にかけては当代随一として信頼している齋藤さんに、
自分の文学的生涯を批評してもらって光栄である。
95歳の私にとっては何よりの冥途の土産になった。」
——瀬戸内寂聴

宗教と文学を追う傑作評伝

前著『寂聴伝 良夜玲瓏』で言及しきれなかった瀬戸内寂聴の作家活動を、大きく6つのテーマに分け、詳細に点検していく意欲的試み。
寂聴は67歳から70歳にかけての3年間、良寛、一遍、西行三人の出家者の生涯を描いた。著者はまず、それら『手毬』『花に問え』『白道』、いわゆる「仏道三部作」の長篇小説3篇が、阪神淡路大震災など歴史的現実にコミットする作家の原点になっている点を論じながら、作家の重要な精神的支柱に迫る。
また著者は、大逆事件で処刑された管野須賀子を描く『遠い声』を中心に、当時の社会主義思想に対する思想弾圧と女性の生き方への作家の強い関心を探り、「女性だからこそ書けた」といわれる評伝『炎凍る 樋口一葉の恋』を、それまでの研究者と対比させながら論じ、作家ならではのデュラスやサガン、ボーヴォワールなど海外作家との交流も追う。
中でも『源氏物語』完訳の作業を丹念に検証する一章は、本書の白眉ともいえる。作家が『源氏物語』に邂逅するための長い歳月、その受容史を、与謝野晶子、谷崎潤一郎、円地文子などの先達の訳と対比させながら、作家の独創性と文章の魅力を紹介していく。
本書は「宗教と文学」を中心に寂聴後半生を描く、傑作評伝である。

[著者略歴]
1939年朝鮮京城府(現・韓国ソウル市)生まれ。山形大学文理学部中退後、深夜叢書社設立。俳人、文芸評論家、編集者。
2010年『ひばり伝 蒼穹流謫』で芸術選奨文部科学大臣賞。2013年『周五郎伝 虚空巡礼』でやまなし文学賞。

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