ふらんす 2017年7月号

特集「仏大統領選をポピュリズムから考える」

ジャンル 雑誌『ふらんす』
出版年月日 2017/06/22
判型・ページ数 A5・84ページ
定価 703円(本体639円+税)

内容説明

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■特集 仏大統領選をポピュリズムから考える
今年5月、フランス史上最年少の大統領が誕生しました。EU離脱の是非、極右の台頭、二大政党時代の終焉……2017年の仏大統領選を様々な角度から検証してみたいと思います。

1つのフランス、2つの世界 国末憲人(朝日新聞GLOBE編集長)
決戦投票で争ったマクロン氏とルペン氏の決起集会の様子、またそれぞれの支持層の特徴……1つしかないフランスが、2つの世界観によって分断されている状況のレポートです。

「2つのフランス」の危機ーー変容する対立軸 吉田徹(北海道大学教授・EHESS研究員、欧州比較政治)
右派と左派というこれまでのフランスの政治構造が、いまや新たな対立軸を見せています。保革二大政党が惨敗し、極右のルペン氏が台頭、極左のメランション氏が急激に追い上げ、最終的にマクロン氏が大統領に選出された政治・社会背景を分析します。

服従しないフランスーー環境と共生し、人間性をとり戻す民主的な社会を 飛幡祐規(文筆家・翻訳家、パリ在住)
若い人々を熱狂的に引きつけ、第1回投票では目を見張る勢いを見せた急進左派のメランション候補。彼が展開する「服従しないフランス」運動とはいかなるものなのでしょう。

ポピュリズムは悪か?ーー米仏民主主義国家の歴史から考える 髙山裕二(明治大学准教授、政治学・政治思想史)
そもそも「ポピュリズム」とは何か? 19世紀末のアメリカ、ひいてはフランス革命にまで遡り、問題の本質を探ります。

[特別寄稿]エマニュエル・マクロンとは誰なのか? 一貫した粘り強さと「弁証法」 土田修(ル・モンド・ディプロマティーク日本語版・東京新聞編集委員)
史上最年少の39歳でフランス大統領に上りつめたエマニュエル・マクロンとは、一体どんな人物なのでしょうか? 経歴・家庭環境などからその人物像に迫ります。


【表紙連載】
レオナール・フジタ〈小さな職人たち〉〈4〉 《古着屋(屑屋)》 今井敬子

2017年度の『ふらんす』の表紙は、レオナール・フジタ(藤田嗣治)の作品が飾ります。彼の晩年の連作〈小さな職人たち Petits Métiers〉のなかから毎月1点を、ポーラ美術館学芸員の今井敬子さんがご紹介くださいます。今月は《古着屋(屑屋)Marchand d'habits (Chiffonnier) 》です。大量生産・大量廃棄の時代のパリの〈リサイクル業〉をとりあげます。


【巻頭エッセイ】
フランスと私 カスレの味 日置武晴

各界で活躍中の方々に、月替わりで「フランスと私」をテーマに個人的な体験や思いを自由につづっていただくエッセイ。 今月は、料理写真家の日置武晴さんです。フランスの旅と印象深い食の思い出の数々を語ってくださいました。


【語学系記事】
ヨシとクニーのかっ飛ばし仏語放談〈16〉 福島祥行+國枝孝弘
  (全レベル対象)
NHK講師としてもおなじみの、ヨシこと福島祥行さんとクニーこと國枝孝弘さんの、明快で痛快なフランス語放談もついに2年目に突入! 今月のテーマは「大統領選挙とフランス語」。「マクロンMacron」の発音の注意点や、候補者たちの選挙プログラムの原文を紹介します。

街角のフランス語を読んでみよう〈4〉 伊勢晃+谷口千賀子+ Benjamin SALAGNON  (初級者対象)
看板やレストランのメニュー、商品のパッケージなど、街で目にするフランス語を読み解きながら、フランスの生活習慣や文化に触れていきます。

【CD 収録】フランス語でインタビューを聞いてみよう ~日本で暮らすフランコフォンたち~〈4〉  Sophie KUBOTA +久保田剛史  (中級者対象)
日本で働く6 名のフランス人へのインタビューを通じて、ナチュラルスピードの会話の聞き取りに慣れましょう。今月も先月に引き続き、新体道武術の師範でフランス語教師のベアトリス・ボワヴィノBéatrice Boivineauさんにお話をうかがいます。

友だちだよね? フランス語と英語のちがうところ〈4〉  姫田麻利子+ Steve MARSHALL  (初・中級者対象)
似ているけどちがう、そんな英語とフランス語の微妙な差をさぐっていきます。今月のテーマは「未来のことを話す」。英語のwill, be going to, be gonnaとフランス語の未来形、aller+不定形などを比べていきます。

【CD 収録】LE LABO-PHONÉTIQUE〈4〉 Sublime +小西英則  (初~上級者対象)
日本で長年シャンソンやオペラなどの発音指導を行ってきた、フランス人歌手Sublimeさんのユニークで効果的な指導方法をご披露します。今月のテーマは「A / O / Ô」。先月とワンセット、同じフレーズを使って練習します。

仏検対策4~2級 初級から中級へのステップアップ〈4〉 久保田剛史  (初・中級者対象)
実用フランス語技能検定試験(仏検)の4級・3級・準2級・2級について、共通するテーマにおけるそれぞれのレベルでの学習ポイントや練習問題をご紹介します。今月のテーマは「前置詞問題について(準2級・2級レベル)」

ことばのあそびば シャラード&パズル〈64〉 杉村裕史  (初・中級者対象)
偶数月は、Marie-Emmanuelle 村松さんによるフランス語の文章で表された複数のヒントから答えを見つけだすあそび「シャラード charade」、奇数月は、杉村裕史さんによる好評のクロスワード・パズルです。正解者には抽選でプレゼント(図書カード1000円分)を進呈。どしどしご応募ください。

対訳で楽しむ ナタリー・サロート『トロピスム』〈4〉 たけだはるか  (中~上級者対象)
ナタリー・サロートの『トロピスム』を6回(半年)にわたり読んでいきます。しずかで長い、前代未聞の挑戦のはじまりをくっきりと印した、サロートの最初の作品を、たけだはるかさんの導きで味読しましょう。

C’est vrai ?〈52〉/フランス語っぽい日々〈52〉」Karyn NISHIMURA-POUPÉE/じゃんぽ~る西  (全レベル対象)
大人気連載5年目突入! 妻はジャーナリスト、夫は漫画家。目下子育て中のふたりが送る日仏夫婦コラボ連載。フランス語にまつわる小粋なコラムに「ふむふむ」、フランス語習得に悩む(?)日本人の心の叫びを描いた漫画に「あるある」と頷きたくなること請け合い! 今月は「大統領たちのフランス語」


【文化系記事】
寝るまえ5分のパスカル『パンセ』入門〈4〉   山上浩嗣

未完の断章、パスカルの『パンセ』から、毎月テーマに沿いながら山上浩嗣さんがシビれるような珠玉の名句をご紹介。横断的で多様な読解が可能な『パンセ』の楽しみ方を伝授します。今月のテーマは「固定点」→山上浩嗣『パスカル「パンセ」を楽しむ 名句案内40章』(講談社学術文庫)アントワーヌ・コンパニョン著、山上浩嗣・宮下志朗訳『寝るまえ5分のモンテーニュ 「エセー」入門』(白水社)

天使だけが翼を持つ 鳥たちのフランス文学〈4〉   福田桃子
さまざまな作家や詩人に愛され、謳われた鳥たちに焦点を当てて、フランス文学の森を散策しましょう。岡部杏子さんと福田桃子さんが毎月交替でお届けします。今月のテーマは「ツバメ hirondelle」

Le Monde diplomatique で世界を読む〈4〉  ル・モンド・ディプロマティーク日本語版編集部
世界の諸問題について考察・発信する独立メディア、パリ発の月刊紙Le Monde diplomatiqueの記事から、毎月選りすぐりの1本を抄訳でお届けします。今月の記事はマキシム・オーディネ(ロシア研究者)による「国際メディアの調和を乱すモスクワからの声」(2017年4月号)。この記事の全訳は、ル・モンド・ディプロマティーク日本語・電子版(www.diplo.jp/)に掲載されています。

もうひとつのニューカレドニア〈4〉   星埜守之
世界遺産の珊瑚礁や多くのダイビングスポット、美しいビーチに臨むリゾートホテル……「一度は訪れてみたい南海の楽園」ニューカレドニア。この土地にまつわる文学作品を手掛かりの一端としながら、観光地にとどまらないニューカレドニアの存在感や「今」を辿ります。今月のテーマは「アタイの帰還」

ケアの社会 フランス看護・介護事情〈4〉   原山哲
「ケアの社会 une société du « care »」を構想するフランスの哲学者ファビエンヌ・ブルジェールの思想に寄りながら、フランスにおける看護・介護の理論と実践をみていきます。今月のテーマは「看取りから治療への転換を再考する」

今月の原書レクチュール〈76〉   新島進
福田桃子さん、鈴木和彦さん、笠間直穂子さん、新島進さんの4名が、毎月交代でフランス語で楽しむ読書の世界に誘います。今月は新島進さんで「ミラボー橋のした、ヨーヌ河は流れ」。ジャック・ルーボーの詩のアンソロジーをとりあげます。 Jacques Roubaud, Je suis un crabe ponctuel  (http://www.gallimard.fr/Catalogue/GALLIMARD/Poesie-Gallimard/Je-suis-un-crabe-ponctuel) 

パリのボヘミアン〈4〉   小倉孝誠
きわめてパリ的、そして19世紀的な文化現象としてのボヘミアン。作家・詩人・画家・音楽家……ボヘミアン芸術家たちの栄光と悲惨の輪郭を素描していきます。今月のテーマは「ミュルジェールの世界」。プッチ―ニのオペラ『ラ・ボエーム』の原作者ミュルジェールをとりあげます。

ドビュッシー 最後の1年〈4〉  青柳いづみこ
2018年3月に没後100年を迎える、フランス近代を代表する作曲家ドビュッシー。そのドビュッシーの研究家にして名演奏家の青柳いづみこさんが、ドビュッシー最後の1年をたどりながら、彼がなしとげたこと、なしとげられなかったことの意味を考えていきます。今月のテーマは「3月のコンサート」 →青柳いづみこ公式HP:http://ondine-i.net/

加藤周一とフランス〈4〉   片岡大右
戦後日本を代表する知識人、加藤周一(1919~2008)。彼とフランスを語ることで何が見えてくるのか。今月のテーマは「加藤周一とクレマンソー」。第一次大戦でフランスを勝利に導き、対独強硬政策を推進した「虎」の異名をとる政治家を、加藤はどう評価したのでしょう。

パリ風俗事典〈160〉 右岸編(その26)  鹿島茂
カフェ、キャバレー、ミュージックホール、劇場など19世紀のパリを彩った文化を、われらが鹿島茂さんが網羅的に解説。ゾラ、バルザック、ユゴー、デュマ、スタンダールらの時代が生き生きと甦ります。今月は、作家ドーデが偏愛し、ホテル王リッツも修行を積んだ名店「ヴォワザン」をとりあげます。

対訳シナリオ『ロスト・イン・パリ』(監督ドミニク・アベル&フィオナ・ゴードン)  中条志穂
最新公開作品を日仏対訳のシナリオ抜粋とともに紹介する、中条志穂さんによる『ふらんす』名物コーナー。今月は、べルギーとカナダ出身の道化師カップル、アベル&ゴードン監督が独特のユーモアと自由なセンスで描く『ロスト・イン・パリ』をとりあげます。『二十四時間の情事』や『愛 アムール』の主演女優エマニュエル・リヴァの遺作。8月5日(土)より渋谷ユーロスペースほか全国順次公開 →公式HP : http://www.senlis.co.jp/lost-in-paris/


Actualité アクチュアリテ 在仏執筆陣による情報記事
 POLITIQUE 政治 山口昌子 今月のテーマは「ニコラ・ユロ大臣誕生」
 FAITS DIVERS 社会 仁木久惠 今月のテーマは「パリの新名所」
 CINÉMA 映画 佐藤久理子 今月のテーマは「第70回カンヌ映画祭」
 ART&SPECTACLE アート&スペクタクル 岡田Victoria朋子 今月のテーマは「〈ラ・セーヌ・ミジュカル〉オープン&ルドゥーテ展」
 SCÈNE CULINAIRE 食 関口涼子 今月のテーマは「パリの名店の味を気軽に味わう!」
 SPORTS スポーツ 芦立一義 今月のテーマは「ツール・ド・フランス2017」

 *時事通信社ウェブサイト「時事ドットコム」に「アクチュアリテ」記事を配信しています。
  http://www.jiji.com/jc/v2?id=2017franceactu_01

書評 W. マルクス『文人伝』 澤田直
書評 杉本隆司『民衆と司祭の社会学』 永見瑞木

墓碑銘 été  多田爺 

[往復書簡]拝啓 友川カズキ様  平松洋子  

「さえら」

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