内容説明
「白」は色なのか? 印象派に影響を与えた化学者とは?
同じ色でも文化や時代によって印象がかわる
エルメスや出版社アクト・シュッドなどのカラーアドバイザーをつとめた著者が、100のキーワードで綴る色の世界。
著者は、エルメスやアクト・シュッド出版などの仕事に携わったカラーアドバイザー(カラリスト)である。本書は、色彩の基礎、顔料の歴史、時代や文化による色の象徴性の違いなどに触れつつ、著者のこれまでの経験や旅を通して培った、色に対する感性が随所にちりばめられている。外国で見つけた美しい色彩の土産が、帰国すると色褪せて見えるのはなぜなのか? 記憶には色がついているのか? 印象派や新印象派に影響を与えた化学者とは? 芸術家のアトリエにはどの方向からの採光が適しているのか? 著者が実践している色の調和を見つける方法とは? アリストテレス、ニュートン、バッハ、ゲーテ、葛飾北斎、シュヴルール、カンディンスキー、プルースト、谷崎潤一郞、ロスコ、カプーアなど、科学や美術のみならず、音楽や文学にまで及ぶ、色にまつわる100の話。
[目次]
日本の読者のみなさまへ
はじめに
あ行
青/赤/鮮やかな色/遊ぶ/顕す/アリストテレス/淡い色/アンビバレンス/色名/印象派と新印象派/インスピレーション/インディゴ/オレンジ/音楽
か行
階調/画材/可視光スペクトル/形/カマイユ/カラーコード/カラリスト/感覚/寒色/カンディンスキー/顔料/黄/記憶、夢/季節/きつい/御しがたい/空間と遠近感/くすんだ色/栗色/グレー/黒/ゲーテ/言語/原色/光学/個人的/コチニール/混色
さ行
彩度/色覚異常/色相/色相環/自然/充実/重量感/シュヴルール/主観性と相対性/象徴性/女性的/白/性質/相互関係/創造/空
た行
対比/単色/暖色/知覚現象/力/中世/調和/地理/デザイン/特性/富/トレンド、流行
な行
虹/ニュートラル/ニュートン/濃淡
は行
ハーモニー/配色/パステル/バランス/バラ色/光/美なるもの/不安/深み/風情/不調和/普遍性/文化/冒険/補色
ま行
マチエール/祭り/緑/紫/明度
や行
豊かさ/揺らぎ/幼少時代
ら行
リズム/理論/歴史
訳者あとがき
逆引き100語一覧
[原題]Les 100 mots de la couleur
[著者略歴]
アマンディンヌ・ガリエンヌ Amandine Gallienne
カラーアドバイザー。エルメス、アクト・シュッド出版ほか、数々のプレタポルテラインの仕事に携わる。著書にUn monde de couleurs 『色の世界』(2005年)がある。
[訳者略歴]
守谷てるみ
1982年、南山大学文学部仏語学仏文学科卒業。 自動車メーカー、電子部品メーカー勤務を経て、現在フランス語翻訳業。 主要訳書にP = L・アスン『フェティシズム』(共訳)、G・マルジョン『100語でわかるワイン』、G・ボネ『性倒錯』(共訳)、A・ボウエー、L・プランティエ『100語でわかるガストロノミ』、J・アンドレ『100語でわかるセクシュアリティ』(共訳)(以上、白水社文庫クセジュ)がある。