内容説明
移民文学のバイブル
少女が見た移民の夢と現実。金原瑞人氏推薦
移民が集まる街に引っ越してきたエスペランサ。自由と夢を追い求める街の人々の悲喜劇を少女の瑞々しい感性で描いた名作。解説・温又柔。金原瑞人氏推薦!
「いつか、本と紙をバッグにつめよう。いつか、マンゴー通りにさよならをいおう。わたしはあんまり強すぎるから、永久にここに留まらせておきことはできないよ。いつか、わたしは出ていくからね」(本書より)
アメリカンドリームを求めて、プエルトリコやメキシコから渡ってきた移民が集まる街に引っ越してきた少女エスペランサ。英語とスペイン語文化が入り混じるなかで育ち、思春期にさしかかった彼女の目を通して、街の人たちのさまざまな夢、日常の喜びと悲しみ、声にならない声を、みずみずしい感性ですくいあげた44の掌篇。
米国の移民社会をリアルに描いた本書は世界各国で翻訳され、年代を超え、世界中で読み継がれている。現在の日本で改めて読まれるべき名作。解説・温又柔
[著者略歴]
サンドラ・シスネロス Sandra Cisneros
1954年、アメリカ・シカゴ生まれ。父はメキシコからの移民第一世代、母は米国生まれのメキシコ系アメリカ人。シカゴのプエルトリコ人居住区で育つ。84年刊行の本書『マンゴー通り、ときどきさよなら』がベストセラーに。数々の賞を受賞し、全米の中学、高校、大学で必読書となる。92年、短篇小説集『サンアントニオの青い月』が全米芸術基金奨励賞を受賞。2015年にはオバマ大統領より全米芸術栄誉賞を授与された。米国の移民社会をリアルに描いた本書は世界各国で翻訳され、アメリカを代表する作家としての地位を築いている。
[訳者略歴]
くぼたのぞみ
1950年、北海道生まれ。翻訳家、詩人。著書に『鏡のなかのボードレール』(共和国)、『記憶のゆきを踏んで』(インスクリプト)など。 訳書に、サンドラ・シスネロス『サンアントニオの青い月』(晶文社)、J・M・クッツェー『モラルの話』(人文書院)、『ダスクランズ』(人文書院)、『マイケル・K』(岩波文庫)、『鉄の時代』(河出書房新社)、『サマータイム、青年時代、少年時代 ――辺境からの三つの〈自伝〉』(インスクリプト)、チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ『男も女もみんなフェミニストでなきゃ』、『アメリカーナ』、『半分のぼった黄色い太陽』、『アメリカにいる、きみ』、『明日は遠すぎて』(以上、河出書房新社)、マリーズ・コンデ『心は泣いたり笑ったり』(青土社)など多数。