ここにいる

新刊

夫や両親、友人との関係を次々に断っていく美君。幼い娘が残り…。台湾文学界の異才が描く「現代の肖像」

著者 王 聡威
倉本 知明
ジャンル 新刊
一般書 > 海外文学 > 小説
おすすめ
シリーズ 一般書 > エクス・リブリス
出版年月日 2018/08/16
ISBN 9784560092705
判型・ページ数 4-6・250ページ
定価 本体2,800円+税
在庫 在庫あり

内容説明

日本の孤独死事件を台湾の異才が小説化

夫や両親、友人との関係を次々に断っていく美君。幼い娘が残り…。日本の孤独死事件をモチーフに台湾文学界の異才が描く「現代の肖像」。


いびつな自意識、他者への依存、無関心、すれ違い……
彼女は社会に、現代に、人生に無数にある、
細かく入りくんだ割れ目に落ちていく。
積み重なる声が、人が人と繋がり合うことの
もろさと困難さを浮かび上がらせる。
――小山田浩子氏推薦!


本書は、2013年に起こった「大阪市母子餓死事件」が素材になっている。当時マンションの一室で28歳の母親と3歳の息子が餓死状態で発見された。母子の孤独死は、無縁社会を象徴する事件として台湾でも大きく報じられ、衝撃を受けた著者は、舞台を台湾に置き換えて、本書を書き上げた。
主人公の美君は、6歳の娘と暮らす30代の平凡な女性。あるとき、夫から暴力を受け、家を出る。近所に引っ越し、夫からの連絡をひそかに待ちながら、夫や元彼、職場、結婚・出産時のことなど、過去を様々に思い返す。一方で、夫、元彼、娘、親、弟、同僚、友人の独白からは、まったく異なる美君の姿が浮かび上がってくる。すれ違う意識と嚙みあわない現実。些細なきっかけから美君は周囲との関係を断っていき、しだいに自らを追い込んでいく……。
他者からどう見られるかを常に意識して行動し、自分が選ばれるべき人間だと自負する美君。ネットやSNSが浸透し、容易に他人と深く関われる社会のなかで、なぜ母子は孤独死するに至ったのか。誰にでも起こりうる震撼の事件の全貌を独白体によって鮮烈に描き出し、現代の日常が孕む闇を射抜く傑作長篇。

[原題]生之静物

[著者略歴]
王聡威(ワン ツォンウェイ)
1972年、台湾・高雄生まれ。国立台湾大学哲学科卒、同大学芸術史研究科修士。デビュー以降、台湾文学賞、宗教文学賞、打狗文学賞など、数々の文学賞を受賞。2003~05年には、甘耀明、伊格言ら7人の若手作家たちと「8P」を結成、新たな創作活動を宣言する。08年刊行の長篇小説『濱線女兒――哈瑪星思戀起(浜線の女――ハマセン恋物語)』で巫永福文学賞を受賞。12年、台湾で実際に起こった女性教師と男子中学生の恋愛スキャンダルから着想を得た長篇小説『師身(女教師)』を刊行、台湾版「魔女の条件」と呼ばれ大きな話題となった。16年、本書『生之静物』を刊行。
雑誌編集者としても活躍しており、09年、台湾を代表する文芸誌『聯合文学』の編集長に就任。従来の純文学路線から、より広範な読者を意識した雑誌づくりが評価され、16年に金鼎賞年度雑誌大賞、最優秀文芸術類雑誌賞、17年には最優秀美術デザイン賞を受賞。13年と14年に、作家と編集者の二足の草鞋の体験を綴ったエッセイ『作家日常』と『編輯樣(編集長たる者)』を刊行した。

[訳者略歴]
倉本知明(くらもと ともあき)
1982年、香川県生まれ。立命館大学先端総合学術研究科卒、学術博士。文藻外語大学助理教授。2010年から台湾・高雄在住。訳書に、伊格言『グラウンド・ゼロ――台湾第四原発事故』(白水社)、蘇偉貞『沈黙の島』(あるむ)がある。

*略歴は刊行時のものです

2,800円+税

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