ヒョンナムオッパへ

韓国フェミニズム小説集

『82年生まれ、キム・ジヨン』の著者による表題作ほか、多彩な形で表現された7名の若手実力派女性作家の短篇集。

著者 チョ・ナムジュ
チェ・ウニョン
キム・イソル
チェ・ジョンファ
ソン・ボミ
ク・ビョンモ
キム・ソンジュン
斎藤 真理子
ジャンル 一般書 >  海外文学 >  小説
おすすめ
出版年月日 2019/02/20
ISBN 9784560096819
判型・ページ数 4-6・256ページ
定価 1,980円(本体1,800円+税)
在庫 在庫あり

内容説明

『82年生まれ、キム・ジヨン』の著者による表題作を収録!

「ヒョンナムオッパへ」の主人公は、ヒョンナムに恋をし、精神的に支配されながら、それが暴力であるということにも気づいていない。あとからそれに気づくという小説を書きたかった。
――チョ・ナムジュ

嫁だからという理由で、妻だからという理由で、母だからという理由で、娘だからという理由で受けてよい苦痛はない。ただ女だからという理由だけで苦しめられてよい理由などない。
流さなくていい涙を流さなくてすむ世の中を夢見ている。
――チェ・ウニョン

くぼたのぞみ氏推薦!
韓国の若き駿才たちが織りなす7つの物語。この短篇集は文学にしかできないことをやっている。これこそフェミニズム!という本格派からノワール、ミステリー、ホラー、SFへそぞろ歩きする物語のプロムナード。うつむきがちな心に思い切り風を呼びこむ窓と、それを開け放つパワーがある。7色の花を集めたリースみたいに、今日はこの花、明日はあの花、物語の花を髪に刺して、腕にはめて、ポケットにも忍ばせて今日も、生き延びる。

姜信子氏推薦!
韓国の彼女たちの声が日本の私たちの胸にこんなにも響くなんてねぇ。物語る彼女たちの声があらためて教えてくれます。フェミニズムって、他の誰かの想像力で創られた世界の片隅の生きづらい自分に気づくことなんだな、そんな自分のどんな小さな違和感も問いも手放さないことなんだな。思わず私も彼女たちと一緒にそっと叫んでおりました。「自分の生きてるこの場所で、自分の想像力で、このバカヤローな世界を語りなおすのさ!」

#Me Too運動の火付け役ともなった『82年生まれ、キム・ジヨン』(チョ・ナムジュ著)が韓国で100万部以上の売り上げを突破し、大きな話題を呼んでいる。本書は韓国でその人気を受けて刊行された、若手実力派女性作家たちによる、初の書き下ろしフェミニズム小説集の邦訳である。
チョ・ナムジュによる表題作「ヒョンナムオッパへ」の主人公は、地方出身の女子。ソウルの大学に進学して、先輩のヒョンナムに恋をし、彼に守られて10年以上青春期を過ごすが、実際には何もかも彼に操作されていたと気づき……。『82年生まれ、キム・ジヨン』では、女性として生きる上で直面する様々な困難や疑問が提示されたが、本作では実際に行動を起こすところまで踏み込んでいる。 ほかに、母親との葛藤を抱えた女性の主人公が、弟の結婚を契機に母との関係、女性としての生き方に思いを巡らす「あなたの平和」、受験を控えた中学生の息子と小学生の娘の問題に悩む専業主婦の複雑な感情に光を当てた「更年」など、各篇に描かれている事例は、日本の各世代の女性たちの共感を呼ぶ。
また、韓国の男性社会の暴力性への違和感を、都市空間への違和感として象徴的に描いた「すべてを元の位置へ」や、ハードボイルドの男女の役割を入れ替えたサスペンス仕立ての「異邦人」、宇宙空間での出産をテーマに、女性のクローン人間と雌犬とロボットの心温まる交流を描いた「火星の子」など、フェミニズムへの多彩なアプローチを楽しめる。

[目次]
「ヒョンナムオッパへ」チョ・ナムジュ
「あなたの平和」チェ・ウニョン
「更年」キム・イソル
「すべてを元の位置へ」チェ・ジョンファ
「異邦人」ソン・ボミ
「ハルピュイアと祭りの夜」ク・ビョンモ
「火星の子」キム・ソンジュン

 解説:斎藤真理子

[著者略歴]
チョ・ナムジュ
1978年、ソウル生まれ。2011年、第17回 文学トンネ小説賞に長篇小説『耳をすませば』が入 選して作家活動を始めた。第2回ファンサンボル青 年文学賞、第41回今日の作家賞を受賞した。長篇小説『82年生まれ、キム・ジヨン』(斎藤真理子 訳、筑摩書房)が百万部を超えるベストセラーとな る。その他の作品に『彼女の場合は』(2018年)がある。

[著者略歴]
チェ・ウニョン
1984年、京畿道光明生まれ。2013年、『作家世界』新人賞に入選して作家活動を始めた。第5回若い作家賞、第8回若い作家賞、第8回ホ・ギュン文学作家賞、第24回キム・ジュンソン文学賞、 第51回韓国日報文学賞を受賞。短篇集に『ショウコの微笑』(吉川凪監修、牧野美加・横本麻矢・小林由紀訳、クオン)、『私に無害な人』がある。

[著者略歴]
キム・イソル
1975年、忠清南道礼山生まれ。2016年、ソウル新聞の新春文芸に短篇小説「十三歳」が当選して作家活動を始める。第1回ファン・スンウォン新進文学賞、第3回若い作家賞を受賞。短篇集に『誰も言わないこと』『今日のように静かに』、長篇小説に『悪い血』『幻影』『線画』がある。

[著者略歴]
チェ・ジョンファ
1979年、仁川生まれ。2012年、チャンビ新 人小説賞を受賞して作家活動を始めた。第7回若い 作家賞を受賞した。短篇集に『とても内気な』、本書収録作を収めた『すべてを元の位置へ』、長篇小説に『いない人』がある。

[著者略歴]
ソン・ボミ
1980年、ソウル生まれ。2009年、『21世紀文学』新人賞を受賞。2011年、東亜日報新春 文芸に短篇小説「毛布」が当選して作家活動を始める。第3回若い作家賞大賞、第4回若い作家賞、第5回若い作家賞、第6回若い作家賞、第46回韓国日報文学賞、第21回キム・ジュンソン文学賞、第25回大山文学賞を受賞した。短篇集『彼らにリン ディ・ホップを』、長篇小説『ディア・ラルフ・ロー レン』がある。

[著者略歴]
ク・ビョンモ
1976年、ソウル生まれ。2008年、『ウィザード・ベーカリー』で第2回チャンビ青少年文学賞を 受賞して作家活動を始めた。第39回今日の作家賞、第4回ファン・スンウォン新進文学賞を受賞し た。短篇集『赤い靴党』『それが私だけでないことを』、 長篇小説『一さじの時間』『四家族の食卓』がある。

[著者略歴]
キム・ソンジュン
1975年、ソウル生まれ。2008年、中央新人 文学賞に「私のいすを返して」が当選して作家活動 を始める。第1回若い作家賞、第2回若い作家賞、 第3回若い作家賞、第63回現代文学賞を受賞短篇集『ギャグマン』『国境市場』がある。

[訳者略歴]
斎藤真理子(さいとう・まりこ)
翻訳家。パク・ミンギュ『カステラ』 (共訳、クレイン)で第1回日本翻訳 大賞を受賞。訳書はほかに、パク・ミンギュ『ピンポン』(白水社)、『 三 美スーパースターズ』(晶文社)、チョ・セヒ『こびとが打ち上げた小さなボール』(河出書房新社)、ファン・ジョンウン『誰でもない』、 ハンガン『ギリシャ語の時間』、 チョン・ミョングァン『鯨』(以上、晶文社)、チョン・ス チャン『羞恥』(みすず書房)、チョン・セラン『フィフティ・ピープル』(亜紀書房)、チョ・ナムジュ『82年生まれ、キム・ジヨン』(筑摩書房)など。

定価1,980円
(本体1,800円+税)

ネット書店を選択

  • Amazon
  • 楽天ブックス
  • 紀伊國屋書店
  • e-hon 全国書店ネットワーク
  • Honya Club.com
  • セブンネットショッピング
  • TSUTAYA online
  • ヨドバシ.com

店舗の在庫を確認

※ネット書店によっては取り扱いが無い場合があります。あらかじめご了承下さい。

ジャンル

シリーズ

  • 教育機関のオンライン授業における教科書のご利用について
  • じんぶん堂
  • エクス・リブリス
  • ニューエクスプレスプラス
  • 地図から探す 語学書ラインナップ
  • webふらんす