私たち異者は

驚異の世界を緻密に描き、リアルを現出せしめる匠の技巧。表題作や「大気圏外空間からの侵入」ほか、さらに凄みを増した最新の7篇。

著者 スティーヴン・ミルハウザー
柴田 元幸
ジャンル 一般書 >  海外文学 >  小説
おすすめ
出版年月日 2019/06/24
ISBN 9784560097106
判型・ページ数 4-6・244ページ
定価 2,860円(本体2,600円+税)
在庫 在庫あり

内容説明

短篇集の文学賞「ストーリー・プライズ」受賞
表題作ほか、さらに凄みを増した最新の7篇

驚異の世界を緻密に描き、リアルを現出せしめる匠の技巧。表題作や「大気圏外空間からの侵入」ほか、さらに凄みを増した最新の7篇。

平凡なものが奇怪になる瞬間

職人的に精緻な筆致で、名匠が切り拓く新たな地平。蠱惑的な魔法に満ちた7篇を収録した、最新の傑作短篇集。
翻訳者の柴田元幸氏は、「ミルハウザーといえば『驚異』がトレードマークとなってきたが、この短篇集では(中略)驚異性はむしろ抑制され、ごく平凡な日常生活に小さな異物を(あるいは異者を)挿入することで、日常自体に蠱惑的な魔法を息づかせ、と同時に日常自体の奇怪さを浮かび上がらせている」と、本書の魅力を指摘する。
通りすがりの男がいきなり平手打ちを食わせてくる事件が続発する町の動揺を描く「平手打ち」。放課後も週末もいつも一緒にいる仲の彼女が決して話したがらず、だからこそ僕は気になって仕方ない「白い手袋」。いつのまにか町に現われ、急速に拡大していく大型店舗の侵食ぶりを描く「The Next Thing」。ある日目覚めると、ベッドに横たわり動かぬ自分を見下ろしていた私は、事態を呑み込めないままさまよいだす。やがて出会ったある女性との奇妙な交流とその行方を描く表題作など、どの作品も筆が冴えわたっている。
本書は、優れた短篇集に授与される《The Story Prize》を受賞している。

[目次]
平手打ち
闇と未知の物語集、第十四巻「白い手袋」
刻一刻
大気圏外空間からの侵入
書物の民
The Next Thing
私たち異者は
訳者あとがき

[著者略歴]
スティーヴン・ミルハウザー  STEVEN MILLHAUSER
1943年、ニューヨーク生まれ。アメリカの作家。
1972年『エドウィン・マルハウス』でデビュー。『マーティン・ドレスラーの夢』で1996年ピュリツァー賞を受賞。本書『私たち異者は』で2012年、優れた短篇集に与えられるThe Story Prizeを受賞。邦訳に『イン・ザ・ペニー・アーケード』『バーナム博物館』『三つの小さな王国』『ナイフ投げ師』(1998年、表題作でO・ヘンリー賞を受賞)(以上、白水Uブックス)、『ある夢想者の肖像』『魔法の夜』『木に登る王』『十三の物語』(以上、白水社)、『エドウィン・マルハウス』(河出文庫)がある。ほかにFrom the Realm of MorpheusVoices in the Night などがある。

[訳者略歴]
柴田元幸(しばた もとゆき)
1954年生まれ。米文学者・東京大学名誉教授・翻訳家。ポール・オースター、スティーヴン・ミルハウザー、スチュアート・ダイベック、スティーヴ・エリクソン、レベッカ・ブラウン、バリー・ユアグロー、トマス・ピンチョン、マーク・トウェイン、ジャック・ロンドンなど翻訳多数。『生半可な学者』で講談社エッセイ賞、『アメリカン・ナルシス』でサントリー学芸賞、『メイスン&ディクソン』で日本翻訳文学賞、坪内逍遥大賞を受賞。

*略歴は刊行時のものです

定価2,860円
(本体2,600円+税)

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