空襲と文学[新装版]

ドイツが第二次大戦で被った惨禍は、戦後の文学によって表現されることがなかった。アメリ―論、ヴァイス論ほか収録。解説:細見和之

著者 W・G・ゼーバルト
鈴木 仁子
ジャンル 一般書 >  海外文学 >  小説
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出版年月日 2021/09/17
ISBN 9784560098677
判型・ページ数 4-6・196ページ
定価 3,190円(本体2,900円+税)
在庫 在庫あり

内容説明

「壊滅した世界の瓦礫」と向き合うまなざし

ドイツが第二次大戦で被った惨禍は、戦後の文学によって表現されることがなかった。アメリ―論、ヴァイス論ほか収録。解説:細見和之

「破壊の記憶」を検証する

一九九七年のチューリヒ大学における講演で、「第二次世界大戦でドイツが被った空襲体験は戦後のドイツ文学によって表現されておらず、次世代にもなんら継承されていない」と主張して、ドイツに議論を巻き起こし、その後のドイツ文学にも大きな影響を及ぼした論考「空襲と文学」、戦後ドイツの文学界をリードした作家アルフレート・アンデルシュを、免罪と自己正当化の文学として厳しく断罪する「悪魔と紺碧の深海のあいだ」、ナチスに抗してレジスタンス運動に参加し、アウシュヴィッツ強制収容所を生き延び、戦後に迫害の体験を考察したエッセイ『罪と罰の彼岸』を発表、しかし自ら命を絶った作家ジャン・アメリーを論じた「夜鳥の眼で」、ナチスの迫害を逃れて亡命、戦後はフランス革命を題材にした戯曲『ジャン・ポール・マラーの迫害と殺害』、フランクフルトのアウシュヴィッツ裁判を傍聴して書かれ、国内での一斉上演によってドイツを震撼させた『追究−−アウシュヴィッツの歌』などの記録演劇で名高い作家・劇作家のペーター・ヴァイスを論じた「苛まれた心」の四篇を収録。細見和之氏の解説「破壊に抗する博物誌的な記述」を巻末に収録。

[著者略歴]
W.G. (ヴィンフリート・ゲオルク)・ゼーバルト
W.G.(WINFRIED GEORG)SEBALD
1944年、ドイツ・アルゴイ地方ヴェルタッハ生まれ。フライブルク大学、マンチェスター大学などでドイツ文学を修めた後、各地で教鞭をとった。やがてイギリスを定住の地とし、イースト・アングリア大学のドイツ近現代文学の教授となった。散文作品『目眩まし』『移民たち 四つの長い物語』『土星の環 イギリス行脚』を発表し、ベルリン文学賞、ハイネ賞など数多くの賞に輝いた。遺作となった散文作品『アウスリッツ』も、全米批評家協会賞、ブレーメン文学賞を受賞し、将来のノーベル文学賞候補と目された。エッセイ・評論作品『空襲と文学』『カンポ・サント』『鄙の宿』も邦訳刊行されている。2001年、住まいのあるイギリス・ノリッジで自動車事故に遭い、他界した。

[訳者略歴]
鈴木仁子(すずき・ひとこ)
1956年生まれ。椙山女学園大学教授。翻訳家。
主要訳書:ゼーバルト『移民たち』『目眩増し』『土星の環』『空襲と文学』『カンポ・サント』『鄙の宿』、ベーレンス『ハサウェイ・ジョウンズの恋』、ゲナツィーノ『そんな日の雨傘に』、モーラ『よそ者たちの愛』(以上、白水社)ほか多数。

定価3,190円
(本体2,900円+税)

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