発表!白水社2015年の売上トップ10

2015年、創立百周年を迎えた白水社。記念すべき年に売れたのは、どんな本だったのでしょうか。

  【総合】白水社2015年売り上げトップ10
1 第二次世界大戦1939-45(上・中・下)』アントニー・ビーヴァー著/平賀秀明訳
半藤一利氏推薦! 未曾有の大戦の全容を網羅し、明瞭かつ精彩に描いた全3巻の超大作。
2 シャルリ・エブド事件を考える[ふらんす特別編集]』 鹿島茂、関口涼子、堀茂樹編著
「フランスの9.11」ともいわれる事件を、30名におよぶ識者が緊急レポート。
3 人生案内 出久根達郎が答える366の悩み』出久根達郎著
読売新聞の大好評連載、人気回答者12年分の名回答を集成!
4 地図と鉄道省文書で読む私鉄の歩み 関東(2)京王・西武・東武』今尾恵介著
「鉄道王国」日本の歩みを、鉄道会社の職員や沿線住民の日常から浮かび上がらせていく。
5  U199 クローヴィス物語』サキ著/和爾桃子訳
“短篇の名手”サキの代表的作品集を初の完訳。エドワード・ゴーリーの挿絵を収録。
胡椒 暴虐の世界史』マージョリー・シェファー著/栗原泉訳
16~19世紀、胡椒を求め、アジアに進出したポルトガル、オランダ、イギリスの行状を描く。
友川カズキ独白録 生きてるって言ってみろ』友川カズキ著
孤独と怒りと笑いを武器に低く深く叫びつづけた40年。その軌跡を縦横に語り尽くす。
クリミア戦争(上・下)』オーランドー・ファイジズ著/染谷徹訳
19世紀の「世界大戦」の全貌を初めてまとめた戦史。
ヒトラーと哲学者 哲学はナチズムとどう関わったか』イヴォンヌ・シェラット著/三ッ木道夫、大久保友博訳
ナチスの加担者と亡命者の言動を描き出し、〈思想と行動〉の倫理的基盤を鋭く問う。
10 ネオ・チャイナ 富、真実、心のよりどころを求める13億人の野望』エヴァン・オズノス著/笠井亮平訳
一党独裁と人民との相剋を描いた傑作ルポ。

*2014年12月〜2015年11月に刊行した新刊のうち、2015年1月〜10月の累計部数

第1位は、戦後70年の今年、百周年記念出版として刊行した『第二次世界大戦1939-45』(上・中・下)。朝日、読売、日経の各紙書評にも取り上げられ続々重版、売り上げトップとなりました(上巻が全体で第1位、中・下巻も上位にランクイン)。

第2位の『シャルリ・エブド事件を考える』は、2015年1月にパリで発生した風刺週刊紙襲撃事件を受け、3月に緊急刊行したものです。長年フランスに関する出版を続けてきた白水社ならではの執筆陣と内容で、事件の背景を緊急レポートしました。

第3位人生案内』は、読売新聞連載の名回答を悩み別に編集。古川タクさんがイラストを描き下ろした、読んで楽しくためになる本。直木賞作家によるあたたかく蘊蓄のある回答が、様々なことに気づかせてくれます。

第4位地図と鉄道省文書で読む私鉄の歩み 関東(2)京王・西武・東武』は、地図・鉄道本で大人気の今尾恵介さんによる関東編全3巻の第2巻。現在「関西編」をWEB連載中。

第5位クローヴィス物語』は、海外文学部門で唯一のランクイン。短篇の名手サキによるユーモアと意外性に満ちたショートショートが中毒性高し。エドワード・ゴーリーの挿絵も見どころです。

第6位胡椒 暴虐の世界史』は身近な香辛料をめぐる歴史をたどる、傑作歴史ノンフィクション。人々はなぜ、血眼になって胡椒を求め、命を賭してまで危険な航海に出たのか?

第7位友川カズキ独白録』は、伝説の歌手の波瀾万丈の人生と交友録と金言。驚愕のエピソード満載、魂の叫びに心をうたれます。読み終わったら友川さんのライブを観たくなること間違いなし。

第8位クリミア戦争』(上・下)は、19世紀の「世界大戦」の全貌を初めてまとめた戦史。2014年、クリミアがロシアに編入され、クリミア半島をめぐる動きが世界中の注目を集めましたが、同地域の今につながる歴史的背景もわかる上下巻本になっています。

第9位ヒトラーと哲学者』。ハイデガー、C・シュミット、アーレント、アドルノ等、哲学者や思想家たちは、極限状況下、どのように振る舞ったのか。《思想と行動の関係》という究極の問題について鋭く迫った、瞠目すべき迫力のノンフィクションです。

第10位ネオ・チャイナ』は、中国の「民」と「官」との凄まじいせめぎ合いを描いた迫力のノンフィクション。激動の中国の今を知るために必読の書です。

以上、第1位から第10位まで、白水社らしく多彩な顔ぶれのラインナップとなりました。

 

続いて、海外小説部門。

  【海外小説部門】白水社2015年売り上げトップ5
1 U199 クローヴィス物語』サキ著/和爾桃子訳
辛辣なユーモアと意外性に満ちた“短篇の名手”サキの代表的作品集を初の完訳。
2 歩道橋の魔術師』[エクス・リブリス]呉明益著/天野健太郎訳
台湾で今もっとも旬な若手による、ノスタルジックな連作短篇集。
3 アメリカ大陸のナチ文学』[ボラーニョ・コレクション]ロベルト・ボラーニョ著/野谷文昭訳
存在しない文学の存在しない作者たちの人生と作品に捧ぐ〈架空の文学事典〉。
4 U200 彼らは廃馬を撃つ』ホレス・マッコイ著/常盤新平訳
食いつめた男女が最後のチャンスを求めてマラソン・ダンス大会に参加する。米小説の傑作。
5 スクープ』[エクス・リブリス・クラシックス]イーヴリン・ウォー著/高儀進訳
アフリカの架空の国の政変と報道合戦の狂奔を辛辣なユーモアたっぷりに描く。

第1位は、総合ランキングでも第5位にランクインした『クローヴィス物語』。

第2位は、台湾の作家呉明益の『歩道橋の魔術師』。朝日、毎日、読売の各紙ほか、多くの媒体で書評に取り上げられました。まさに「珠玉の」という言葉がふさわしい、一つ一つが宝石のような短編集です。

第3位アメリカ大陸のナチ文学』は、ボラーニョ・コレクションの第4回配本。熱烈なファンの多いボラーニョの初期の傑作が、支持を集めました。

第4位彼らは廃馬を撃つ』は、1930年代、マラソン・ダンス大会に出場する男女の焦燥と絶望を描いたアメリカ小説の傑作。名匠シドニー・ポラック監督映画『ひとりぼっちの青春』の原作でもあります。

第5位スクープ』は、巨匠イーヴリン・ウォーの傑作長篇。英国で「古今の名作小説100」にも選ばれた名作です。

巨匠の名作から気鋭作家の注目作まで、粒ぞろいの作品がそろった海外小説部門トップ5でした。

 

以上、白水社の2015年売り上げトップをお知らせしました。みなさまの今年のベスト本はなんだったでしょうか。願わくば、弊社の本がランクインしていますように。来年も白水社の本をどうぞよろしくお願い申し上げます。

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